食物学科 食物学専攻
専攻紹介
「健康とフードサイエンス」の専門家として社会に貢献できる人材を育成
健康に関する志向や実践意識が高まっている今日、「食」の大切さを十分に理解し、適切な食の選択や科学的な判断に基づいた食行動を提案できる栄養士を養成します。さらに、食と健康の専門家として高度な知識と技術を身につけて、社会に貢献できる人材を育成します。
学びの特徴
専攻のポイント
POINT.1
幅広くフードサイエンスを学ぶ
食品に関する科学的な知識をベースに食品関連のスペシャリストを目指します。講義に加え豊富な実験・実習を通じて確かな実践力を習得。また、食に関する諸問題を研究し、幅広いフィールドで活躍できる力を培います。
POINT.2
栄養士と中・高教員の免許が取れる
栄養士免許と、中学・高校の教員免許(栄養教諭二種含む)が取得できます。また1クラス40人程度の少人数クラスには、クラス指導主任の教員のほかに副担任の助手がつき、普段の学修や学生生活においてきめ細かいサポートを行います。
POINT.3
大手企業での実務経験者による指導
教員には大手の食品企業で食品開発や研究に携わった経験者も多く、食品業界の現状や現場で必要なスキルなど具体的に知ることができます。また学びの自由度が高く、食品企業の研究・開発、飲食サービス、教員、大学院進学など幅広い選択肢を得られます。
学びのフィールド
食と健康の専門家として社会に貢献できる栄養士の養成を目的として、必要な専門的知識および技術を身につけ、卒業後、食品関連企業、給食・外食関連企業、食教育分野(家庭科教諭、栄養教諭)などで活躍できる人材を育てます。
学びのTOPIC
授業紹介
実実験を通して、食品成分の化学分析について理解を深めます。食品中の一般成分について定量分析を行い、炭水化物量やエネルギー量を算出して食品成分表と比較するほか、ミネラル・糖・脂質・機能性成分の分析も行います。
給食運営の計画から実施、評価に至るまでの流れを学習。健康保持増進のもと、安全で衛生的、経済的かつおいしい食事の提供を通して栄養管理の理論や栄養教育を実践の場に生かすための知識と技術の習得を目指します。
カリキュラム
※資格関連科目については資格関連科目(諸課程科目)ページで確認してください。
時間割の例
卒業後の進路
主な就職先
【製造】赤城乳業/ありあけ/大塚製薬/オタフクソース/科研製薬/協同乳業/キョーラク/ケイパック/ケンコーマヨネーズ/第一三共ケミカルファーマ/第一屋製パン/千葉製粉/月島食品工業/デイリーフーズ/トオカツフーズ/ニッセーデリカ/日東富士製粉/日本軽金属/はくばく/フジパングループ/プライムデリカ/丸源飲料工業/マルハニチロ/三菱商事ライフサイエンス/桃屋/吉野石膏/わらべや日洋食品【卸売・小売】コープみらい/コンフェックス/千疋屋総本店/高瀬物産/立花エレテック/デリカフーズ/豊島屋/日本ハム冷凍食品/フェラガモ・ジャパン/ホシザキ東京/丸紅食料/三菱食品/ローソン/ロック・フィールド【宿泊・飲食サービス】ANAケータリングサービス/エームサービス/グリーンハウス/日清医療食品/PHG横浜マネジメント ハイアットリージェンシー横浜/富士産業/LEOC/レパスト【専門・技術サービス】日本食品分析センター【複合サービス】東京スマイル農業協同組合(JA東京スマイル)【教員】埼玉県教育委員会/千葉県教育委員会/東京都教育委員会/神奈川県教育委員会/新潟県教育委員会/立川市教育委員会/川崎市教育委員会/三幸学園【公務員】東京都/下妻市/富士見市
※過去3年分から抜粋
主な進学先
大妻女子大学大学院
※過去3年分から抜粋
取得できる資格
科目履修で取得できる資格
- 栄養士免許証※
- 高等学校教諭一種免許状(家庭)
- 中学校教諭一種免許状(家庭)
- NR・サプリメントアドバイザー(受験資格)
- フードスペシャリスト(受験資格)
- 専門フードスペシャリスト(受験資格)
- レクリエーション・インストラクター
- 栄養教諭二種免許状
- 図書館司書
- 博物館学芸員
※卒業後、実務経験を経ることによって管理栄養士国家試験受験資格が得られます。
目指せる資格
- 医薬品登録販売者
卒業論文テーマ
- ショウガ辛味成分ショウガオールが骨格筋C2C12細胞の脂質代謝に与える影響
- ベーカリー製品の保存によるテクスチャー変化とおいしさの関係~アンケート調査と官能評価による分析~
- ジャガイモ中のグリコアルカロイドに関する研究
- 魚介との組み合わせによる生臭み発生に関係するワイン中の成分
- プロバイオティクス、プレバイオティクスの摂取がマウスの腸管免疫とアレルギー症状に及ぼす影響
- SDGsの教育方法~家庭科の指導案作りの検討~
- 大量調理におけるコロッケの揚げ調理の代替方法の検討
※2023年度テーマから抜粋
卒業生の声
日清食品ホールディングス株式会社
阿相 優香さん食物学専攻
2019年3月卒業/東京都立農業高等学校出身
(大妻大学大学院 人間文化研究科 人間生活科学専攻 修士課程修了)
味作りのエキスパートとしてお客様に喜ばれる即席麺を開発しています
――食物学専攻を選んだ理由を教えてください。
高校生の頃は家庭科の教師になりたいと思っていたため、家庭科教諭免許と栄養士の資格取得が目指せる食物学専攻を選びました。オープンキャンパスに参加して、質問しやすい雰囲気の先生方や、校舎のきれいさなどに触れ、大妻への進学を決めました。
――大学院に進学したのはなぜでしょうか。
大学時代に出会った先生から、研究の楽しさや面白さを教わりました。研究職での就職活動もしましたが、4年次に取り組んだ加熱ゲルの研究をもっと深めたいという気持ちがあり、大学院へ進学。修了後は、乳製品メーカーに開発職として入職、ヨーグルトの開発などを手がけました。その後、転職して現在の職場で働いています。食物学専攻には実務経験を持つ先生が多く、在学中は食品メーカーなどの企業での仕事や、開発職の仕事内容を教えていただく機会が多く、食に関する研究・開発職へのイメージを持てるようになりました。
――現在、どのような仕事に取り組んでいますか。
現在は、インスタントラーメンなどの即席麺製品のシーズニング開発担当として、味作りの決め手となるスープと具材の開発を行っています。原料選定から関わり、効率的な生産も考慮した試作と工程条件の調整を繰り返し実施します。多くの部署と連携しながら、工場での生産立ち上げ、高品質を維持するための品質フォローなど幅広い業務に携わっています。
――仕事のやりがいを教えてください。
現在の職場での製品開発は、麺、スープ、具材、包材で構成されています。味が商品の特徴となる製品がほとんどのため、味作りのエキスパートの役割を果たすシーズニング開発は大きなやりがいがあります。
――大学での学びはどのように生かされていますか。
商品開発という仕事に役立っていると感じるのは「給食経営管理実習」です。献立作成や試作、100食以上の原料調達、調理まですべての工程を学生たちで行うのですが、商品ができるまでの工程と同じでヒントになる部分が多いです。また、現場レベルのボリュームを作れる設備を使用できたことも得難い体験でした。働き始めてから、先生方から聞いた企業現場での話が理解できる場面がたびたびあり、貴重な話を聞かせていただいていたことを実感します。
――現在、どのようなことに力を入れていますか。
2社目となる現在の職場での経験値が少ないゆえに、「こんな味にしたい」がなかなか表現できないことがあります。そんなときは、同じグループのスープ担当の先輩に相談してアドバイスをもらい、試作を繰り返すようにしています。また、他の人が別の製品を試食しているときに、自分の製品ではなくても味見して勉強するようにしています。常に学ぶ姿勢を忘れず、コミュニケーションを取ることを心がけています。
――今後の目標や抱負を教えてください。
開発の仕事では味の感覚がとても重要で、配合、調理方法による味や物性変化、保存性など専攻で学んだ知識がしっかり生かされています。今の開発業務で経験を積み、いずれは海外拠点でも開発の仕事に携わってみたいです。