【地域連携】過去の採択課題一覧
過去の採択課題一覧
2024年度
代表者 | プロジェクト | 内容 |
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阿部 栄子 (家政学部被服学科) | 和装振興プロジェクト ~伝えよう!和服の魅力~ | 日本のきものは、自然を慈しむ生活様式の中で培われた先人の感性そのものが、独特の美意識として生み出され、日本人の誇るべき民俗衣装である。教育面では、2006年に教育基本法が改正され、「伝統や文化を尊重し、我が国の郷土を愛するとともに、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」と新たな教育目標が提示された。教育現場からは和服の授業方法がわからない、和服の知識が欲しい等の声が多く報告されている。 このプロジェクトは、このような教育現場で活躍している教員をはじめ、本学在学生、卒業生、地域住民を含めた人々を対象にしている。今年度はこれまでの日本橋(東京)で開催されてきた“きものカーニバル「学生きもの優秀作品展(学生デザイン作品発表会)」の経験を基に、本プロジェクトが学生きもの優秀作品部門のリーダー役となり、各学校間のパイプ役を務めると共に、学生きもの優秀作品展の展示・解説を担当する。この開催を通して、世代を超えた人々が広く和服に興味をもち、日本文化の理解を深め、着実に後世へと「きもの文化」を伝承していくことを願っての企画である。 |
石井 雅幸 (家政学部児童学科) | 北海道美瑛町の公立学校の児童・生徒への教育支援と町のイベント支援 | 2022年度包括連携協定を結んだ北海道美瑛町の公立学校の児童・生徒に対して、本学学生と教員による学校支援の取り組みを2022年度からはじた。2023年度からは、本学学生の長期休業中(9月と2月)を利用して8日間ずつ滞在して、町内の公立小中学校への教育的な支援を直接行うことになった。また、9月と2月に開催される町の大きなイベントであるセンチュリーライド並びに宮様国際スキーマラソンの実施のお手伝いを行っている。 具体的には、本学の長期休業期間中に、本学の児童学科の学生が美瑛町内の公立学校の学校教育活動に入り、学習支援や学校生活指導上の支援を要する児童・生徒への支援を美瑛町教育委員会並びに本学の児童学科の教員の指導のもとに行っていくものである。今後、北海道上川管内である美瑛・富良野・旭川周辺の若者の本学への進学を促すきっかけをつくるとともに、本学の卒業生が上川管内の教員として就職していく形を模索していきたい。これらの取り組みが、本学の学生への地域創生の必要性を学ぶ場になっていくことを期待している。 |
金田 卓也 (家政学部児童学科) | CHIYODA Creative ART Lab for Children 千代田クリエイティブ・アートラボ | 自由な発想と創造力はアートの原点であり、さまざまなもの作りに欠かせないものです。こんなものがあったらいいな、こんなものができたらいいなという、子どもたちの作りたいものを具体的な形に実現するための場(アートラボ)を大学で開催します。草木染めのような自然素材を利用したものからICTを生かしたものまで大学にある素材や道具を提供し、スタッフの専門知識と経験を生かして子どもたちのアイデアを実現します。2022年度から活動を始めていますが、毎回、参加した子どもたちは創造性あふれる素晴らしい作品を作り出し、保護者の方々からも好評を得ています。 今年度は活動の海外版として、スタッフの教員が研究と教育実践に関わっているネパールのムラバリ村の子どもたちとのワークショップをオンラインで開催し、日本との交流を図ります。年度末の3月には「大妻さくら祭り2025」において発表を行い、本プロジェクトの活動を地域の方々へ広く発信します。 |
石井 章仁 (家政学部児童学科) | 少子化地域の行政との協働による保育の魅力・情報を保護者に伝えるプロジェクト(大網白里市) | 千葉県大網白里市は、もともとの少子化や人口減少に加え、コロナ禍の出生数減少もあり15歳未満の児童の人口が4,698人、人口の総数はここ10年間で2,865人減と、少子化のみならず、市全体で高齢化や人口減少が進行している。 保育施設は、現在市立保育所2園、市立幼稚園3園、小規模保育施設6園、家庭的保育施設1園、認可外保育施設1園、私立保育所6園、私立認定こども園1園があり、施設の老朽化の問題や園の統合化、定員を満たさない園など課題が多い。また、子育て支援については、市立地域子育て支援センター1か所、子育て支援センター4か所ある。 市の子育て情報の提供は、ホームページに加え、子育て情報冊子の発行などあるが、ホームページ等の更新もさほど多くなく、保育の内容についての情報提供や理解が進んでいるとはいえない。 昨年度、本プロジェクトで千葉県東金市において、保育を伝える冊子づくりを行った(一昨年度は睦沢町で実施)。市立保育所・こども園の情報を学生が実際にその目や耳で感じて、写真に撮った画像を使い、紹介冊子を作成した。プロジェクトでは、公立園や地域子育て支援センターにおける、保育や支援の内容について取材しHPや冊子で市の保育を保護者に伝えたいと考えている。 本プロジェクトでは、児童学科の学生が、保育・教育行政の職員や現場の保育士等と協働し、保育の魅力を保護者に伝えることを目指す。単にアイディアを出すだけではなく、直接取材・編集し、保護者の目線に立った情報媒体づくりを行う。また、こうした取組み自体が保育現場の学習となり、学生の学びにつながると考える。 |
厚東 芳樹 (家政学部児童学科) | 「大妻女子大学まちづくりの会」による地域児童への教育支援 | 都会のど真ん中にある千代田区には、自然や公園が少なく、子どもが「身体を動かし遊び育つ環境」が少ないという大きな課題があります。今回、そんな環境下で暮らす子どもたちの教育支援として、地域と連携して身体を動かす空間と色々な体験ができる機会を創るプロジェクトを申請します。本活動は、「大妻女子大学まちづくりの会」と称して、千代田区三番町町会、三番町町会に関係する企業・団体、大妻学院、千代田区立九段小学校および富士見小学校を中核としたメンバーで構成し、子ども達が定期的に身体を動かす空間や色々な体験ができる機会を創っていくことを目的とします。 |
甲野 毅 (家政学部ライフデザイン学科) | 里地・里山活性化プロジェクト ~都市と地方を環境教育で結ぶ~ | 本プロジェクトは、対象地域を山梨県北杜市小淵沢町、鹿児島県奄美大島、キャンパスが存在する千代田地域、多摩地域に設定する。そして里地・里山における耕作地や森林の放棄問題と、都市に居住する子供達の自然体験不足問題などの解決を図る二つの活動からなるプロジェクトである。第一の里地・里山での活動では、小淵沢町の耕作放棄地で学生が地域住民とNPO法人の支援を受けながら農産物を栽培または管理する。第二の都市での活動では、都市に居住する自然体験の希薄な子供達を対象に、学生が生産した農産物や森林をテーマにした環境教育プログラムを実施する。プログラムは行政主催の環境イベントに他団体と一緒に参加する形式、環境教育学研究室だけで行政と協働して企画・実践する形式に分かれる。また学園祭や地域連携推進センターが主催する夏休み小学生講座を実践の場として捉え、来訪者に耕作放棄地や森林の現状を伝える。そしてSDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」の達成を目指すことも目的とする。 |
宮田 安彦 (家政学部ライフデザイン学科) | 富山県魚津市地域振興プロジェクト-経験価値調査および「魚津カクテル」の開発 | 周知の通り、地方の人口減少は著しく、街並み、伝統的な生業、行事といった生活文化の維持・継続などが危うくなっているところが多く、このような中で期待がかかるのが観光による地域振興である。 今回提携する富山県魚津市も例外ではなく、同市の地域総生産に占める観光業の割合を引き上げることを目標とし(「第3次魚津市観光振興計画(令和4年~令和8年)」)、そのためには集客を道の駅や水族館などの既存の施設に頼るだけではなく、地域の食や自然などの観光資源の発掘とPRが急務である。また、観光者の多くが中高年である中で、若年層やインバウンド観光客にその魅力を認識してもらう必要がある。 本プロジェクトは、魚津市が置かれたこうした状況と同市の方針に沿って、大妻女子大学生の持つ、都市部在住の若年女性であるという特性を活用した「経験価値調査」によって同市の観光資源の再認識・新規掘り出しの一助となること、および「ご当地カクテル」の手法を使って、学生が見出した地域の魅力の発信媒体を開発することで同市の観光PRに貢献することを目的とするものである。 また本プロジェクトを通じて、参加学生が地方の生活文化を、五感を以って体験的に学ぶとともに、責任を伴った調査、企画・開発を行うという実践的な学びを獲得すること、さらにその過程で汎用的能力を向上させることも目的としている。 |
細谷 夏実 (社会情報学部社会情報学科 環境情報学専攻) | 能登の里海を守る:海育実践と地域活性化プロジェクト | 国連が提唱している持続可能な開発目標(SDGs)の17のターゲットに「海の豊かさを守ろう」という目標があることからもわかるように、海には現在、解決が急がれる様々な問題が山積している。日本は四方を海に囲まれ、人々のくらしは海と密接な関わりを持っている。そのため、日本においては、海の環境を保全しながら、持続可能な形で海と関わっていくことが特に必須であると言えよう。しかし日本では、かつて海運などで栄えた各地の半島などで過疎化が進み、身近な里海との関係も薄れてきている。このような状況を踏まえると、特に次世代を担う子どもたちの海に対する関心、知識を深め、海に関わりながら海の抱える問題を解決する人材を育成することなどが重要であると考えられる。 私たちのゼミでは2015年から、奥能登に位置し海に面した石川県穴水町との交流を開始し、地域の特産である椿を活用した商品の開発や、子どもたちとの「うみいくカード」作成の取り組みなどの活動を継続的に行ってきた。この間、2018年7月にはゼミの活動がきっかけとなって、本学と穴水町との包括連携協定が結ばれ、2021年度には協定が更新されている。 一方、穴水町を含めた能登地域は、2024年1月の能登半島地震で甚大な被害を受けた。そのため、今年度のプロジェクトでは、地域の状況を踏まえながら、子どもたちの海育(うみいく:生活体験を活かした海洋教育)、震災からの復興や地域活性化につながる活動について、地域の方たち、学生と共にできることを考え、取り組んでいきたい。 |
炭谷 晃男 (社会情報学部社会情報学科 情報デザイン専攻) | 多摩ニュータウン南大沢40年CIプロジェクトと高齢者と子どもたちのエンパワーメント支援 | 昨年は南大沢まちづくり40周年を記念した「ボッチャを通じたまちづくり」に挑戦し、ボッチャ南大沢カップを地域のボランティア団体「南大沢コミュニティネットワーク(略称:MCネット)」と連携して開催し、15団体が参加した。今年は、そのフォローアップを炭谷ゼミが協力・支援して行っていきたい。 このCI活動を通じて、高齢者サロンにおいては、「スマホの使い方相談教室」を通じて高齢者のさらなる社会参加を支援していきたい。さらに子どもたちへの活動としては、八王子市内及び多摩市内の小学生を対象とした「放課後子ども教室活動」を通じて学力補習やさまざまな体験教室を通じて子どもたちのエンパワーメント支援を継続していきたいと考えます。このようにニュータウン地区のCIプロジェクトに協力しながら、住民の方を支援するプロジェクトに取り組みたい。 |
磯山 直也 (社会情報学部社会情報学科 情報デザイン専攻) | 子どもと緑が育つ番町・九段のまちづくり提案 | 千代田キャンパスの足元の番町・九段地区はマンション建設ラッシュにより、子育て世帯が増えているが、公園も少なく、子どもが育つ環境として劣る。そこで公開空地の魅力アップ、車交通量が多くない生活道路を一時的に子どもから高齢者までが楽しむ人間のための街路空間のあり方をプレイスメイキングの社会実験として、地元の関係団体と連携してクリスマスマルシェを実施した(2023年12月2日)。地域の多くの団体および本学の研究室や部活動、サークルの団体と連携して、多くの協力を得て好評に実施することができた。 今年度はこの催しの2回目を実施への準備過程を子どもと緑が育つまちづくりへの人、組織のつながりを形成するプロセスとして重視して展開する。将来的なエリアマネジメントに向けた勉強会や他団体の催しに連携して輪を広げるとともに、エリアマネジメントのビジョンを共有する過程として、準備過程を重視した2回目のクリスマスマルシェを行う。 |
丹野 眞紀子 (人間関係学部人間福祉学科) | 医療的ケア児のファミリーフォト展 | 2021年6月、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」(以下、医療的ケア児支援法)が成立し、同年9月18日に施行された。「医療的ケア支援児」は、国や地方自治体が医療的ケア児の支援を行う責務を負うことを明文化した日本で初めての法律となる。しかし、法律ができたとはいえ、医療的ケアの必要な子どもを取り巻く環境は、社会資源の不足、医療と保育・教育の連携の難しさなど、まだまだ問題を抱えている。 こうした医療的ケア児やその家族に対して、支援を続けてきたのがキッズファム財団である。キッズファム財団は、国立成育医療センター内に併設されている医療型短期入所施設もみじの家のサポートを行うとともに、写真スタジオ等で記念写真を撮ることが難しい医療的ケア児童と家族のために、ファミリーフォトプロジェクトを行っている。 今回、キッズファム財団の協力を得て、大妻多摩祭(10月19日(土)・20日(日))での展示を予定している。医療的ケア児の抱える問題を学生や多摩地域の住民の方々にも身近に感じていただきたいと写真展を開催する。 |
山本 真知子 (人間関係学部人間福祉学科) | 里親家庭の子どものピアサポート活動 | 近年、虐待などさまざまな理由で実の家庭で生活できない子どもが増加しており、日本において子どもたちを家庭で養育する里親やファミリーホームを推進する動きがある。しかし、里親やファミリーホームに委託されている子どもへの支援はまだ十分ではない。本プロジェクトは、NPO法人東京養育家庭の会みどり支部や児童相談所、フォスタリング機関と連携し、里親(養育家庭)やファミリーホームの子どもたちが他の家庭の子どもや学生とのつながりを持つことができる「子どもスペシャル」おいて子ども支援を行う。子どもの年齢別に遊びや自分を知るための話し合い、自立に向けた話し合い等のプログラムを行い、他の里親家庭の子どもとの関係を作り、相互交流を深める。また、子どもの権利条約の中にある子どもの意見表明権の機会の確保やセルフアドボカシーを行う経験に繋がる。学生にとっては社会的養護の理解、子どもの理解、児童相談所や児童福祉施設とのつながりを持つ学習機会を得ることを目的とする。 |
堀口 美恵子 (短期大学部家政科 食物栄養専攻) | 環境と食の調和に着目した健康づくりの推進 ~産官学民連携・中高大連携による取り組み~ | 環境(地球環境・体内環境)と食に関連する問題は、持続可能な開発目標(SDGs)に影響を及ぼす重要な要素である。また、厚生労働省が2022年に立ち上げた「健康的で持続可能な食環境づくりのための戦略的イニシアチブ」では、食環境づくりを人々の食品(食材、料理、食事)へのアクセス、及び、情報へのアクセスの両方を相互に関連させて整備し、産官学等が連携して進めるものとしている。 本プロジェクトでは昨年度より、環境と食の調和に着目した健康づくりを目指し、健康寿命の延伸や活力ある持続可能な社会の実現に向けた取り組みを産官学民・中高大で連携して行ってきた。今年度は更に発展させた取り組みとして、元来エコでサステナブルな食文化である和食を見直すための講座、環境に配慮したエコクッキングレシピの考案と発信、食品ロス削減のためのフードドライブへの協力、環境学習を推進するための交流会(千代田区姉妹都市である秋田県五城目町の小学生を対象予定)、心身の健康づくり講座等を実施して食環境づくりを整え、区民の健康力向上を目指す。 なお、本学学生と教員の他、様々な職域で活躍する卒業生や中高生との連携活動も含めることにより、大妻学院の人材を活かして創出する成果を地域社会へ還元することができる。これは「持続可能な共生社会の実現への貢献」という本学の中期計画における大妻学院の使命とも合致するものである。 |
小野 友紀 (短期大学部家政科 食物栄養専攻) | 小平「プチ田舎味噌」づくりプロジェクト | 小平市は、多摩地域の北東部にあり都心から約20Kmに位置する。「都心から一番近いプチ田舎」をキャッチフレーズとしていることからも分かるように、市内には多くの農地があり自然豊かな街である。学校給食での地場野菜利用率は概ね3割で、多摩地区の中でも高い利用率を維持している。 本プロジェクトではそうした特徴を有する小平市の保育園と連携して「味噌づくり」の活動を行うものである。題して『小平「プチ田舎味噌」づくりプロジェクト』※である。 (※「プチ田舎」は小平市の登録商標である) 本学で栄養士免許を取得した卒業生が勤務する市内の保育園ならびに本プロジェクトに参加を希望する保育園を拠点とし、園を利用する親子、近隣の住民とともに味噌づくりを行う。本プロジェクトの取組は食育活動として、健康な食生活を送るための意識の向上に貢献できるものと考える。 保育園の調理室は保育環境の一部として園児への食育を推進する機能を有すると同時に、地域社会への食育の発信源としても重要な役割を担っている。本プロジェクトをきっかけとして小平市内のすべての保育園で使用可能な“プチ田舎”味噌づくりのプログラムの提案と市民に向けた味噌を使った料理レシピの配布も行う。 なお、本プロジェクトは短期大学部家政科食物栄養専攻の学生と助手、教員で構成されたメンバーおよび卒業生(栄養士・管理栄養士)と小平市内の保育園園長らが協働して取り組むものである。 |
深水 浩司 (教職総合支援センター) | 市民と育てる「多摩市立中央図書館」サポートプロジェクト2024 ―開館1周年記念を含む市民参加イベントの開催― | 多摩市では、2023年7月1日に「多摩市立中央図書館」を開館した。昨年は、開館前から申請代表者と図書館サークルOliveに対して多摩市立図書館から、開館準備のお手伝いや、開館後のイベント、図書館の使い方のヒントなどを頂けないかと要請があり、地域連携プロジェクトの一つとして可能な限りサポートを実施した。 今年度のプロジェクトは、開館1年を迎えた図書館の1周年記念イベントや、恒例になっている図書館カフェ、ビブリオバトルを通じて、市民の方々と図書館を、大学や教員、学生の力で結びつけるベント等を企画し実施するものである。 具体的には、7月から9月にかけて1周年記念イベントや市民協働イベントのサポート、9月から10月にかけての図書館カフェの共催、11月のビブリオバトルの主催などである。 学生と協力して、より多くの市民が図書館を通じて参加できるようなお手伝いができればと考えている。 |
下田 敦子 (人間生活文化研究所) | 小川和紙(国重要無形文化財、ユネスコ無形文化遺産)伝統手漉き技術の 学習と普及に関する地域連携事業 | 埼玉県比企郡小川町に1300年前より伝承されてきた手漉き和紙技術(細川紙、国の重要無形文化財、ユネスコ無形文化遺産)は、日本伝統の和紙文化を支える貴重な技術である。同町は「紙漉きのまち」として広報に熱心であるが、伝承者は減少傾向である。これに対照的に、知識とスキルを必要とする博物館学芸員教育がある。 わが国の博物館収蔵品の多くが和紙を使用した文化財であることからも、学芸員には和紙の製作から保存、修復、管理に関する知識とスキルが必須である。しかし殆どの学芸員はその育成過程において、体系的な訓練を受ける機会をもたないままになっている。本地域連携課題では、学芸員養成コースの参加者を募って、手漉き和紙の原材料の栽培、収穫から加工、製紙、そして保管に至る学習、実習を手漉き和紙の伝統技術者の協力のもとに大学との地域連携事業として行う。同町広報課、体験学習センターはこの事業を大歓迎しており、この事業に参加する学生たちの経費負担を大幅に軽減してくれる予定である。今年度より、このプロジェクトを大学の博物館学芸員教育の充実と小川町の地域振興の手がかりとなるべく、人間生活文化研究所のネットワークを活用して永続的な地域連携事業へと育てて行きたい。 |
2023年度
2023年度地域連携プロジェクトの採択課題の報告を動画で紹介します。
阿部 栄子
「和装振興プロジェクト ~伝えよう!和服の魅力~」
石井 雅幸
「北海道美瑛町の公立学校の児童・生徒への教育支援」
金田 卓也
「CHIYODA Creative ART Lab for Children 千代田クリエイティブ・アートラボ」
石井 章仁
「少子化地域の行政との協働による保育の魅力・情報を保護者に伝えるプロジェクト」
厚東 芳樹
「アダプトフラワーロードの会との地域美化活動-活動時の安全管理の整備を中心に-」
甲野 毅
「里地・里山活性化プロジェクト~都市と地方を環境教育で結ぶ~」
木下 勇
「子どもと緑が育つ番町・九段のまちづくり提案」
細谷 夏実
「能登の里海を守る:海育実践と地域活性化プロジェクト」
炭谷 晃男
「多摩ニュータウン南大沢40年CIプロジェクトと高齢者と子どもたちのエンパワーメント支援」
山本 真知子
「里親家庭の子どものピアサポート活動」
堀口 美恵子
「環境と食の調和に着目した健康づくりの推進~産官学民連携・中高大連携による取り組み~」
深水 浩司
「市民と育てる「多摩市立中央図書館」サポートプロジェクト
―開館前準備から開館後の市民参加イベントの開催―」
代表者 | プロジェクト | 内容 |
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阿部 栄子 | 和装振興プロジェクト ~伝えよう!和服の魅力~ | 日本のきものは、自然を慈しむ生活様式の中で培われた先人の感性そのものが、独特の美意識として生み出され、日本人の誇るべき民俗衣装である。教育面では、2006年に教育基本法が改正され、「伝統や文化を尊重し、我が国の郷土を愛するとともに、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」と新たな教育目標が提示された。教育現場からは和服の授業方法がわからない、和服の知識が欲しい等の声を耳にする。本プロジェクトは、このような教育現場で活躍している教員をはじめ、本学在学生、卒業生、地域住民を含めた人々を対象にしている。今年度はこれまで、日本橋(東京)で開催されてきた“きものカーニバル「学生きもの優秀作品展(学生デザイン作品発表会)」の経験を基に、本プロジェクトが学生きもの優秀作品部門のリーダー役となり、各学校間のパイプ役を務めると共に、学生きもの優秀作品展の展示・解説を担当する。この開催を通して、世代を超えた人々が広く和服に興味をもち、日本文化の理解を深め、着実に後世へと「きもの文化」を伝承していくことを願っての企画である。 |
石井 雅幸 | 北海道美瑛町の公立学校の児童・生徒への教育支援 | 2022年度包括連携協定を結んだ北海道美瑛町の公立学校の児童・生徒に対して、本学学生と教員による学校支援の取り組みを昨年度模索的に行った。その結果、2023年度からは、本学学生の長期休業中(9月と2月)を利用して7日間ずつ滞在して、町内の公立小中学校への教育的な支援を直接行うことになった。 具体的には、本学の長期休業期間中に、本学の児童学科の学生が美瑛町内の公立学校の学校教育活動に入り、学習支援や学校生活指導上の支援を要する児童・生徒への支援を美瑛町教育委員会並びに本学の児童学科の教員の指導のもとに行っていくものである。今後、北海道上川管内である美瑛・富良野・旭川周辺の若者の本学への進学を促すきっかけをつくるとともに、本学の卒業生が上川管内の教員として就職していく形を模索していきたい。これらの取り組みが、本学の学生への地域創生の必要性を学ぶ場になっていくことを期待している。 |
金田 卓也 | CHIYODA Creative ART Lab for Children 千代田クリエイティブ・アートラボ | 自由な発想と創造力はアートの原点であり、さまざまなもの作りに欠かせないものだといえます。千代田区の子どもたちを対象にこんなものがあったらいいな、こんなものができたらいいなという、子どもたちの作りたいもののアイデアを具体的な形に実現するための場(アートラボ)を大学で開催します。何かを教えるという教室ではなく、アトリエや工房のイメージに近く、アートラボと名付けました。草木染めのような自然素材を利用したものからプログラミングやアニメーションといったICTを生かしたものまで大学にある素材や道具を提供し、プロジェクトメンバーの専門知識と経験を生かして子どもたちのアイデアを実現します。昨年度から本学「地域連携プロジェクト」として活動を始めましたが、毎回、参加した子どもたちは創造性あふれる素晴らしい作品を作り出しています。保護者の方々からも好評を得ています。年度末の3月には子どもたちの制作した作品展を開催し地域の子どもたちと保護者に公開します。又、「大妻さくらフェスティバル2024」においても発表を行い、本プロジェクトの活動を地域の方々へ広く発信します。 |
石井 章仁 | 少子化地域の行政との協働による保育の魅力・情報を保護者に伝えるプロジェクト | 千葉県東金市は、コロナ禍の出生数減少もあり15歳未満の児童の人口が5,696人、総数はここ10年間で1,570人減と、少子化のみならず、町全体も人口減少が進行している。 現在、保育施設は、市立保育所3園(次年度より2園)、市立幼保連携型認定こども園2園、私立保育所2園、私立認定こども園1園(次年度より1園増)、地域型保育所6園がある。公立保育所や認定こども園では、外部講師を活用した園内研修の実施や研修と関連させた自己評価の実施等、保育の質向を目指している。一方、私立園はそれぞれの取組となっており、市内園のホームページ等の情報もあまりなく市内の保育施設を俯瞰することが難しい。 一昨年度、本プロジェクトにおいて、東金市の公立保育所と公立こども園を学生の視点で紹介し保育の内容を伝える冊子づくりを行った(昨年度は他自治体で同様の内容を実施した)。市のHPや広報などで伝えられ一定の効果があった。半面、紹介した園は市立保育所・こども園に限られており、市内のすべての園を扱ってはいなかった。さらに、本年度限りで閉園となる公立幼稚園と公立保育所が1園あり、次年度より公私連携型(民間)の認定こども園となる。したがって、プロジェクトでは、公立園だけでなく、私立園も紹介情報に加えるとともに、市内の子育て支援について紹介する媒体を作成する。 なお、本プロジェクトでは、児童学科の学生が、保育・教育行政の職員や現場の保育士等と協働し、保育の魅力を保護者に伝えることを目指す。単にアイディアを出すだけではなく、直接取材・編集し、保護者の目線に立った情報媒体づくりを行う。こうした取組み自体が、保育や子育て支援現場の理解や学習となり、確実に学びにつながると考える。 |
厚東 芳樹 | アダプトフラワーロードの会との地域美化活動-活動時の安全管理の整備を中心に- | 「アダプトフラワーロードの会」と呼ばれる本活動は、三番町の道に花を植え付け管理する取り組みが土台となっている。この活動は、千代田区と三番町町会、三番町会に関係する企業・団体、大妻学院、千代田区立九段小学校を中核に、ジョージ・ケリング氏が提唱した「窓割れ理論」を一つの根拠に実施してきた。本活動は、平成27年度より児童学科1・2年のアクティブ・ラーニングの教育活動の一環として拡大したこともあり、経験的にではあるが、千代田区三番町内での「子どもの荒れ」はほとんど見られないと言われるようになり、その成果を実感しているところである。 今年度は、本活動を維持・管理していくための仕組み創りの継続と活動時の安全管理に関する整備の推進をしていきたいと考える。とりわけ、環境の維持・管理を合理化したいこと、活動時のスムーズな情報伝達の方法を整備し早急な対応が求められる場面などへの安全管理を担保したいこと、の2点をプロジェクト申請の主たる目的とした。 |
甲野 毅 | 里地・里山活性化プロジェクト ~都市と地方を環境教育で結ぶ~ | 本プロジェクトは、対象地域を山梨県北杜市小淵沢町、キャンパスが存在する千代田地域、多摩地域に設定する。そして里地・里山における耕作地や森林の放棄問題と、都市に居住する子供達の自然体験不足問題などの解決を図る二つの活動からなるプロジェクトである。第一の里地・里山での活動では、小淵沢町の耕作放棄地で学生が地域住民とNPO法人の支援を受けながら農産物を栽培または森林を管理する。第二の都市での活動では、都市に居住する自然体験の希薄な子供達を対象に、学生が生産した農産物や森林をテーマにした環境教育プログラムを実施する。プログラムは行政主催の環境イベントに他団体と一緒に参加する形式、環境教育学研究室だけで行政と協働して企画・実践する形式に分かれる。また学園祭を実践の場として捉え、来訪者に耕作放棄地の現状、それらを活用した地域活性化プランを伝える。そしてSDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」の達成を目指すことも目的とする。 |
木下 勇 | 子どもと緑が育つ番町・九段のまちづくり提案 | 千代田キャンパスの足元の番町・九段地区はマンション建設ラッシュにより、子育て世帯が増えているが、公園も少なく、子どもが育つ環境にないという子育て中の母親たちの相談を2022年に受けて、東郷公園みんなの畑づくりに協力してきた。今年度は3年生のゼミ活動の一環で「子どもと緑が育つ番町・九段のまちづくり提案」というまちづくり構想を地域連携で描く。そのために、地域の歴史をはじめ地域資源の掘り起こしへのインタビュー調査によって、学生が地域の歴史、地域資源および地域の人的資源の多様性を知り、「子どもと緑が育つ番町・九段のまちづくり提案」にまとめる。また、提案のみではなく、それに向けたプレイスメイキングの社会実験を行う。とりわけ昨年度の実習で課題となった、公開空地の魅力アップ、車交通量が多くない生活道路を一時的に子どもから高齢者までが楽しむ人間のための街路空間のあり方を社会実験のイベントとして、地元の関係団体と連携して行う。その過程で当該地域を子どもと緑が育つ住み続けられるまちづくりの構想づくりに多くの人の関心を呼び込む。 |
細谷 夏実 | 能登の里海を守る:海育実践と地域活性化プロジェクト | 国連が提唱している持続可能な開発目標(SDGs)の17のターゲットに「海の豊かさを守ろう」という目標があることからもわかるように、海には現在、解決が急がれる様々な問題が山積している。日本は四方を海に囲まれ、人々のくらしは海と密接な関わりを持っている。そのため、日本においては、海の環境を保全しながら、持続可能な形で海と関わっていくことが特に必須であると言えよう。一方で、日本では近年、若者の海離れが進んでいるという報告がある。また、かつて海運などで栄えた各地の半島では過疎化が進み、身近な里海との関係も薄れてきている。このような状況を踏まえると、特に次世代を担う子どもたちの海に対する関心、知識を深めること、また、海に関わりながら海の抱える問題を解決する人材を育成することなどが重要であると考えられる。 私たちのゼミでは2015年から、奥能登に位置し海に面した石川県穴水町との交流を開始し、地域の特産である椿を活用した商品の開発や、子どもたちとの「うみいくカード」作成の取り組みなどの活動を継続的に行ってきた。この間、2018年7月にはゼミの活動がきっかけとなって、本学と穴水町との包括連携協定が結ばれ、2021年度には協定が更新されている。 本プロジェクトでは、この連携協定体制を大いに活用し、穴水町の人たちと協力しながら、身近な里海の大切さやその保全・活用に向けた理解を広げるための人と場づくりに向けた海育(うみいく:生活体験を活かした海洋教育)の実践を行っていく。具体的には、学生と共に、子どもたちへの海育実践を中心とした活動を行い、さらに地域活性化につながる取り組みも実施する。 |
炭谷 晃男 | 多摩ニュータウン南大沢40年CIプロジェクトと高齢者と子どもたちのエンパワーメント支援 | 2023年は多摩ニュータウンの南大沢コミュニティはまちびらき40年目となる。昨年はプレイベントとして「私たちの南大沢」と題した川柳を募集した。今回は南大沢まちづくり40周年を記念した「ボッチャを通じたまちづくり」に挑戦したい。地域のボランティア団体「南大沢コミュニティネットワーク(略称:MCネット)」と連携して、コミュニティアイデンティティ(CI)醸成のイベントを炭谷ゼミが協力・支援して行ないたい。 このCI活動を通じて、高齢者サロンにおいては、「スマホの使い方相談教室」を通じて高齢者のさらなる社会参加を支援していきたい。さらに子どもたちへの活動としては、八王子市内の小学生を対象とした「寺子屋活動」を通じて学力補習やさまざまな体験教室を通じて子どもたちのエンパワーメント支援を継続していきたいと考えます。このように八王子市南大沢地区のCIプロジェクトに協力しながら、住民の方を支援するプロジェクトに取り組みたい。 |
山本 真知子 | 里親家庭の子どものピアサポート活動 | 近年、虐待などさまざまな理由で実の家庭で生活できない子どもが増加しており、日本において子どもたちを家庭で養育する里親やファミリーホームを推進する動きがある。しかし、里親やファミリーホームに委託されている子どもへの支援はまだ十分ではない。本プロジェクトは、東京養育家庭の会みどり支部と連携し、里親(養育家庭)やファミリーホームの子どもたちが他の家庭の子どもや学生とのつながりを持つことができる「子どもスペシャル」や東京都、神奈川県、横浜市内に住む里親家庭の実子の支援において子ども支援を行う。子どもの年齢別に遊びや自立に向けた話し合い等のプログラムを行い、他の里親家庭の子どもとの関係を作り、相互交流を深める。学生にとっては社会的養護の理解、子どもの理解、児童相談所や児童福祉施設とのつながりを持つ学習機会を得ることを目的とする。 |
堀口 美恵子 | 環境と食の調和に着目した健康づくりの推進 ~産官学民連携・中高大連携による取り組み~ | 環境(地球環境・体内環境)と食に関連する問題は、持続可能な開発目標(SDGs)に影響を及ぼす重要な要素である。栄養・食を通じて人々の健康と幸福に貢献する栄養士を養成する本専攻では、多世代を対象とした食育活動を10年以上積極的に行っている。本プロジェクトでは主に千代田区民を対象に、「環境と食の調和」に着目した健康づくりを産官学民連携、及び、中高大連携で取り組む。 具体的には、エコでサステナブルな「和食文化」に着目した調理実習を伴う講座や区内団体と合同で行う心身の健康づくり体験会等を実施する。また、食品ロス削減につなげるレシピを考案し、区内食堂や子ども食堂で活用する等、食料資源の有効活用にも取り組む。 なお、様々な職域で活躍する卒業生や中高生との連携活動も含めることにより、大妻の人材を活かして創出する成果を地域社会へ還元することができる。これは「持続可能な共生社会の実現への貢献」という本学の中期計画における大妻学院の使命とも合致するものである。 |
深水 浩司 | 市民と育てる「多摩市立中央図書館」サポートプロジェクト ―開館前準備から開館後の市民参加イベントの開催― | 多摩市では、2023年7月1日に「多摩市立中央図書館」が開館します。開館にあたり、申請代表者と図書館サークルOliveに対して多摩市立図書館から、開館準備のお手伝いや、開館後のイベント、図書館の使い方のヒントなどを頂けないかと要請がありました。本プロジェクトは、その要請に応えるものであり、更に、開館前の新しい図書館を、ボランティアとして本学院の生徒・学生に経験してもらうとともに、利用者や住民と一緒に「図書館の新たな使い方」を模索するものでもあります。 すでに、5月14日以降の土・日曜日を使い、本学学生と大妻多摩中学高等学校の生徒が「開館サポーター」を行っております。このサポートは開館までの期間を予定していますが、開館後は、イベントとして、大学生による新たな図書館の使い方提案(図書館内案内や本づくりも含め)、ビブリオバトルの開催、高齢者向け図書館カフェの開催も予定しています。 新図書館のサポートを通じて、地域住民の方々とともに新しい図書館を考え、より良い図書館を育てる一歩になるプロジェクトとするつもりです。 |
2022年度
2022年度地域連携プロジェクトの採択課題の報告を動画で紹介します。
阿部 栄子
「和装振興プロジェクト~伝えよう!和服の魅力~」
石井 章仁
「保育の魅力を保護者に伝えるための、少子化地域の行政との協働プロジェクト」
石井 雅幸
「北海道美瑛町の公立学校の児童・生徒への教育支援」
金田 卓也
「CHIYODA Creative ART Lab for Children
千代田クリエイティブ・アートラボ」
木村 かおる
「科学技術館との地域連携活動プロジェクト『夏休み数楽教室、自由研究お助け隊』」
厚東 芳樹
「三番町アダプトフラワーロードの会との地域美化活動およびその活動を世界に広げよう」
炭谷 晃男
「多摩ニュータウン南大沢 40 年 CI プロジェクトと高齢者と子どもたちのエンパワーメント支援」
細谷 夏実
「能登の里海を守る:海育実践と地域活性化プロジェクト」
藏野 ともみ
「『高齢者聞き書き』で創る交流事業プロジェクト」
丹野 眞紀子
「医療的ケア児童のファミリーフォト展」
干川 剛史
「気仙沼市における『ご当地グルメづくり』による復興支援活動」
堀 洋元
「学ぼうみんなのさいこうの笑顔のために」
八城 薫
「からきだ匠(たくみ)カフェ~地域がつながる場所~」
山本 真知子
「障害者雇用企業との連携による多摩祭T ボール大会の開催」
富永 暁子
「地域の多世代がつながるみそ作りプロジェクト」
堀口 美恵子
「食と環境の調和に向けた食育の推進~産官学民連携による実現を目指して~」
深水 浩司
「地域に根ざす図書館認知症カフェプロジェクト」
代表者 | プロジェクト | 内容 |
---|---|---|
阿部 栄子 | 和装振興プロジェクト ~伝えよう!和服の魅力~ | 日本のきものは、自然を慈しむ生活様式の中で培われた先人の感性そのものが、独特の美意識として生み出され、日本人の誇るべき民俗衣装である。教育面では、2006年に教育基本法が改正され、「伝統や文化を尊重し、我が国の郷土を愛するとともに、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」と新たな教育目標が提示された。教育現場からは和服の授業方法がわからない、和服の知識が欲しい等の声を耳にする。本プロジェクトは、このような教育現場で活躍している教員をはじめ、本学在学生、卒業生、地域住民を含めた人々を対象にしている。今年度はこれまで、日本橋(東京)で開催されてきた“きものカーニバル「学生きもの優秀作品展(学生デザイン作品発表会)」の経験を基に、本プロジェクトが学生きもの優秀作品部門のリーダー役となり、各学校間のパイプ役を務めると共に、学生きもの優秀作品展の展示・解説を担当する。この開催を通して、世代を超えた人々が広く和服に興味をもち、日本文化の理解を深め、着実に後世へと「きもの文化」を伝承していくことを願っての企画である。 |
石井 雅幸 | 北海道美瑛町の公立学校の児童・生徒への教育支援 | 2022年度包括連携協定を結んだ北海道美瑛町の公立学校の児童・生徒に対して、本学学生と教員による学校支援の取り組みを昨年度模索的に行った。その結果、2023年度からは、本学学生の長期休業中(9月と2月)を利用して7日間ずつ滞在して、町内の公立小中学校への教育的な支援を直接行うことになった。 具体的には、本学の長期休業期間中に、本学の児童学科の学生が美瑛町内の公立学校の学校教育活動に入り、学習支援や学校生活指導上の支援を要する児童・生徒への支援を美瑛町教育委員会並びに本学の児童学科の教員の指導のもとに行っていくものである。今後、北海道上川管内である美瑛・富良野・旭川周辺の若者の本学への進学を促すきっかけをつくるとともに、本学の卒業生が上川管内の教員として就職していく形を模索していきたい。これらの取り組みが、本学の学生への地域創生の必要性を学ぶ場になっていくことを期待している。 |
金田 卓也 | CHIYODA Creative ART Lab for Children 千代田クリエイティブ・アートラボ | 自由な発想と創造力はアートの原点であり、さまざまなもの作りに欠かせないものだといえます。千代田区の子どもたちを対象にこんなものがあったらいいな、こんなものができたらいいなという、子どもたちの作りたいもののアイデアを具体的な形に実現するための場(アートラボ)を大学で開催します。何かを教えるという教室ではなく、アトリエや工房のイメージに近く、アートラボと名付けました。草木染めのような自然素材を利用したものからプログラミングやアニメーションといったICTを生かしたものまで大学にある素材や道具を提供し、プロジェクトメンバーの専門知識と経験を生かして子どもたちのアイデアを実現します。昨年度から本学「地域連携プロジェクト」として活動を始めましたが、毎回、参加した子どもたちは創造性あふれる素晴らしい作品を作り出しています。保護者の方々からも好評を得ています。年度末の3月には子どもたちの制作した作品展を開催し地域の子どもたちと保護者に公開します。又、「大妻さくらフェスティバル2024」においても発表を行い、本プロジェクトの活動を地域の方々へ広く発信します。 |
石井 章仁 | 少子化地域の行政との協働による保育の魅力・情報を保護者に伝えるプロジェクト | 千葉県東金市は、コロナ禍の出生数減少もあり15歳未満の児童の人口が5,696人、総数はここ10年間で1,570人減と、少子化のみならず、町全体も人口減少が進行している。 現在、保育施設は、市立保育所3園(次年度より2園)、市立幼保連携型認定こども園2園、私立保育所2園、私立認定こども園1園(次年度より1園増)、地域型保育所6園がある。公立保育所や認定こども園では、外部講師を活用した園内研修の実施や研修と関連させた自己評価の実施等、保育の質向を目指している。一方、私立園はそれぞれの取組となっており、市内園のホームページ等の情報もあまりなく市内の保育施設を俯瞰することが難しい。 一昨年度、本プロジェクトにおいて、東金市の公立保育所と公立こども園を学生の視点で紹介し保育の内容を伝える冊子づくりを行った(昨年度は他自治体で同様の内容を実施した)。市のHPや広報などで伝えられ一定の効果があった。半面、紹介した園は市立保育所・こども園に限られており、市内のすべての園を扱ってはいなかった。さらに、本年度限りで閉園となる公立幼稚園と公立保育所が1園あり、次年度より公私連携型(民間)の認定こども園となる。したがって、プロジェクトでは、公立園だけでなく、私立園も紹介情報に加えるとともに、市内の子育て支援について紹介する媒体を作成する。 なお、本プロジェクトでは、児童学科の学生が、保育・教育行政の職員や現場の保育士等と協働し、保育の魅力を保護者に伝えることを目指す。単にアイディアを出すだけではなく、直接取材・編集し、保護者の目線に立った情報媒体づくりを行う。こうした取組み自体が、保育や子育て支援現場の理解や学習となり、確実に学びにつながると考える。 |
厚東 芳樹 | アダプトフラワーロードの会との地域美化活動-活動時の安全管理の整備を中心に- | 「アダプトフラワーロードの会」と呼ばれる本活動は、三番町の道に花を植え付け管理する取り組みが土台となっている。この活動は、千代田区と三番町町会、三番町会に関係する企業・団体、大妻学院、千代田区立九段小学校を中核に、ジョージ・ケリング氏が提唱した「窓割れ理論」を一つの根拠に実施してきた。本活動は、平成27年度より児童学科1・2年のアクティブ・ラーニングの教育活動の一環として拡大したこともあり、経験的にではあるが、千代田区三番町内での「子どもの荒れ」はほとんど見られないと言われるようになり、その成果を実感しているところである。 今年度は、本活動を維持・管理していくための仕組み創りの継続と活動時の安全管理に関する整備の推進をしていきたいと考える。とりわけ、環境の維持・管理を合理化したいこと、活動時のスムーズな情報伝達の方法を整備し早急な対応が求められる場面などへの安全管理を担保したいこと、の2点をプロジェクト申請の主たる目的とした。 |
甲野 毅 | 里地・里山活性化プロジェクト ~都市と地方を環境教育で結ぶ~ | 本プロジェクトは、対象地域を山梨県北杜市小淵沢町、キャンパスが存在する千代田地域、多摩地域に設定する。そして里地・里山における耕作地や森林の放棄問題と、都市に居住する子供達の自然体験不足問題などの解決を図る二つの活動からなるプロジェクトである。第一の里地・里山での活動では、小淵沢町の耕作放棄地で学生が地域住民とNPO法人の支援を受けながら農産物を栽培または森林を管理する。第二の都市での活動では、都市に居住する自然体験の希薄な子供達を対象に、学生が生産した農産物や森林をテーマにした環境教育プログラムを実施する。プログラムは行政主催の環境イベントに他団体と一緒に参加する形式、環境教育学研究室だけで行政と協働して企画・実践する形式に分かれる。また学園祭を実践の場として捉え、来訪者に耕作放棄地の現状、それらを活用した地域活性化プランを伝える。そしてSDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」の達成を目指すことも目的とする。 |
木下 勇 | 子どもと緑が育つ番町・九段のまちづくり提案 | 千代田キャンパスの足元の番町・九段地区はマンション建設ラッシュにより、子育て世帯が増えているが、公園も少なく、子どもが育つ環境にないという子育て中の母親たちの相談を2022年に受けて、東郷公園みんなの畑づくりに協力してきた。今年度は3年生のゼミ活動の一環で「子どもと緑が育つ番町・九段のまちづくり提案」というまちづくり構想を地域連携で描く。そのために、地域の歴史をはじめ地域資源の掘り起こしへのインタビュー調査によって、学生が地域の歴史、地域資源および地域の人的資源の多様性を知り、「子どもと緑が育つ番町・九段のまちづくり提案」にまとめる。また、提案のみではなく、それに向けたプレイスメイキングの社会実験を行う。とりわけ昨年度の実習で課題となった、公開空地の魅力アップ、車交通量が多くない生活道路を一時的に子どもから高齢者までが楽しむ人間のための街路空間のあり方を社会実験のイベントとして、地元の関係団体と連携して行う。その過程で当該地域を子どもと緑が育つ住み続けられるまちづくりの構想づくりに多くの人の関心を呼び込む。 |
細谷 夏実 | 能登の里海を守る:海育実践と地域活性化プロジェクト | 国連が提唱している持続可能な開発目標(SDGs)の17のターゲットに「海の豊かさを守ろう」という目標があることからもわかるように、海には現在、解決が急がれる様々な問題が山積している。日本は四方を海に囲まれ、人々のくらしは海と密接な関わりを持っている。そのため、日本においては、海の環境を保全しながら、持続可能な形で海と関わっていくことが特に必須であると言えよう。一方で、日本では近年、若者の海離れが進んでいるという報告がある。また、かつて海運などで栄えた各地の半島では過疎化が進み、身近な里海との関係も薄れてきている。このような状況を踏まえると、特に次世代を担う子どもたちの海に対する関心、知識を深めること、また、海に関わりながら海の抱える問題を解決する人材を育成することなどが重要であると考えられる。 私たちのゼミでは2015年から、奥能登に位置し海に面した石川県穴水町との交流を開始し、地域の特産である椿を活用した商品の開発や、子どもたちとの「うみいくカード」作成の取り組みなどの活動を継続的に行ってきた。この間、2018年7月にはゼミの活動がきっかけとなって、本学と穴水町との包括連携協定が結ばれ、2021年度には協定が更新されている。 本プロジェクトでは、この連携協定体制を大いに活用し、穴水町の人たちと協力しながら、身近な里海の大切さやその保全・活用に向けた理解を広げるための人と場づくりに向けた海育(うみいく:生活体験を活かした海洋教育)の実践を行っていく。具体的には、学生と共に、子どもたちへの海育実践を中心とした活動を行い、さらに地域活性化につながる取り組みも実施する。 |
炭谷 晃男 | 多摩ニュータウン南大沢40年CIプロジェクトと高齢者と子どもたちのエンパワーメント支援 | 2023年は多摩ニュータウンの南大沢コミュニティはまちびらき40年目となる。昨年はプレイベントとして「私たちの南大沢」と題した川柳を募集した。今回は南大沢まちづくり40周年を記念した「ボッチャを通じたまちづくり」に挑戦したい。地域のボランティア団体「南大沢コミュニティネットワーク(略称:MCネット)」と連携して、コミュニティアイデンティティ(CI)醸成のイベントを炭谷ゼミが協力・支援して行ないたい。 このCI活動を通じて、高齢者サロンにおいては、「スマホの使い方相談教室」を通じて高齢者のさらなる社会参加を支援していきたい。さらに子どもたちへの活動としては、八王子市内の小学生を対象とした「寺子屋活動」を通じて学力補習やさまざまな体験教室を通じて子どもたちのエンパワーメント支援を継続していきたいと考えます。このように八王子市南大沢地区のCIプロジェクトに協力しながら、住民の方を支援するプロジェクトに取り組みたい。 |
山本 真知子 | 里親家庭の子どものピアサポート活動 | 近年、虐待などさまざまな理由で実の家庭で生活できない子どもが増加しており、日本において子どもたちを家庭で養育する里親やファミリーホームを推進する動きがある。しかし、里親やファミリーホームに委託されている子どもへの支援はまだ十分ではない。本プロジェクトは、東京養育家庭の会みどり支部と連携し、里親(養育家庭)やファミリーホームの子どもたちが他の家庭の子どもや学生とのつながりを持つことができる「子どもスペシャル」や東京都、神奈川県、横浜市内に住む里親家庭の実子の支援において子ども支援を行う。子どもの年齢別に遊びや自立に向けた話し合い等のプログラムを行い、他の里親家庭の子どもとの関係を作り、相互交流を深める。学生にとっては社会的養護の理解、子どもの理解、児童相談所や児童福祉施設とのつながりを持つ学習機会を得ることを目的とする。 |
堀口 美恵子 | 環境と食の調和に着目した健康づくりの推進 ~産官学民連携・中高大連携による取り組み~ | 環境(地球環境・体内環境)と食に関連する問題は、持続可能な開発目標(SDGs)に影響を及ぼす重要な要素である。栄養・食を通じて人々の健康と幸福に貢献する栄養士を養成する本専攻では、多世代を対象とした食育活動を10年以上積極的に行っている。本プロジェクトでは主に千代田区民を対象に、「環境と食の調和」に着目した健康づくりを産官学民連携、及び、中高大連携で取り組む。 具体的には、エコでサステナブルな「和食文化」に着目した調理実習を伴う講座や区内団体と合同で行う心身の健康づくり体験会等を実施する。また、食品ロス削減につなげるレシピを考案し、区内食堂や子ども食堂で活用する等、食料資源の有効活用にも取り組む。 なお、様々な職域で活躍する卒業生や中高生との連携活動も含めることにより、大妻の人材を活かして創出する成果を地域社会へ還元することができる。これは「持続可能な共生社会の実現への貢献」という本学の中期計画における大妻学院の使命とも合致するものである。 |
深水 浩司 | 市民と育てる「多摩市立中央図書館」サポートプロジェクト ―開館前準備から開館後の市民参加イベントの開催― | 多摩市では、2023年7月1日に「多摩市立中央図書館」が開館します。開館にあたり、申請代表者と図書館サークルOliveに対して多摩市立図書館から、開館準備のお手伝いや、開館後のイベント、図書館の使い方のヒントなどを頂けないかと要請がありました。本プロジェクトは、その要請に応えるものであり、更に、開館前の新しい図書館を、ボランティアとして本学院の生徒・学生に経験してもらうとともに、利用者や住民と一緒に「図書館の新たな使い方」を模索するものでもあります。 すでに、5月14日以降の土・日曜日を使い、本学学生と大妻多摩中学高等学校の生徒が「開館サポーター」を行っております。このサポートは開館までの期間を予定していますが、開館後は、イベントとして、大学生による新たな図書館の使い方提案(図書館内案内や本づくりも含め)、ビブリオバトルの開催、高齢者向け図書館カフェの開催も予定しています。 新図書館のサポートを通じて、地域住民の方々とともに新しい図書館を考え、より良い図書館を育てる一歩になるプロジェクトとするつもりです。 |
2021年度
代表者 | プロジェクト | 内容 |
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阿部 栄子 | 和装振興プロジェクト ~伝えよう!和服の魅力~ | 日本のきものは、自然を慈しむ生活様式の中で培われた先人の感性そのものが、独特の美意識として生み出され、日本人の誇るべき民俗衣装である。教育面では、2006年に教育基本法が改正され、「伝統や文化を尊重し、我が国の郷土を愛するとともに、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」と新たな教育目標が提示された。教育現場からは和服の授業方法がわからない、和服の知識が欲しい等の声を耳にする。本プロジェクトは、このような教育現場で活躍している教員をはじめ、本学在学生、卒業生、地域住民をも含めた人々を対象にしている。毎年、日本橋で開催される“きものカーニバル「学生きもの優秀作品展(学生デザイン作品発表会)」における展示・解説を担当する。この開催を通して、世代を超えた人々が広く和服に興味をもち、日本文化の理解を深め、着実に後世へと「きもの文化」を伝承していくことを目的とする。 |
石井 雅幸 | 三番町アダプトフラワーロードの会との地域美化活動 | プロジェクト名の「三番町アダプトフラワーロードの会」と呼ばれる活動は、三番町の街路樹の下のますに花を植え付け、花の管理を継続的に行う取り組みで、この取り組みには千代田区と三番町町会に関係する企業・団体、大妻学院が集い千代田区立九段小学校を中核において町を美しくする運動として実施している。 児童学科では平成20年頃からこの活動を一部の学生(ゼミ学生)に協力依頼し実施して来たが、平成27年度からはフラワーロードの取り組みを児童学科1年の初年次教育の一環として行うこととした。それに伴い、花を植える場所を拡大したり、児童学科1年が日常的に町を美しくする取り組みを行ったりしてきた。本取り組みを維持・管理していくための仕組みつくりや、活動をさらに推進することを目的としたプロジェクト申請である。 |
石井 章仁 | 保育の魅力を保護者に伝えるための、少子化地域の行政との協働プロジェクト | 千葉県東金市は、直近15年間で15歳未満人口がー2600人と少子化が進行している。現在、公立保育所・こども園が5園あるが、保育の質を向上させようと、カリキュラムの作成や外部講師参画の園内研修を充実させる等、質向上の取組をするとともに、厚生労働省の自己評価ガイドラインハンドブック作成に協力し、独自の自己評価の取組みを行うなど、直近5年間で、確実に保育の質が向上してきている。一方で、保護者に伝える手段が限られ、保護者がその変化や意味を実感するまでには至らず、情報提供や理解が進んでいない。 本プロジェクトでは、保育を学ぶ学生が、保育行政の職員や現場の保育士等と協働し、保育の魅力を保護者に伝えることを目指す。単にアイディアを出すだけではなく、直接取材・編集し、保護者の目線に立った情報媒体づくりを行う。また、こうした取組み自体が、保育の現場の学習となり、学生の学びにつながると考える。 |
木村 かおる | 科学技術館との地域連携活動における野外活動プログラムおよび学習用ワークシートの作成プロジェクト | 学校における理科教育では、地域の科学館等の利用が望まれている。しかしながら、博学連携は十分に果たされているとは言えない。大妻女子大学では、博物館学芸員の資格も取得できることから、その特徴を活かし、博学連携の推進のために地域の科学館の展示や自然体験活動で使用できるワークシートを作成するプロジェクトを実施する。 本プロジェクトでは、主に博学連携のための仕組みつくりを行う。他の博物館等の聞き取り調査、地域の子ども向けの野外活動から、ワークシート作成の基礎データの検討を行う。現地にて素材の収集方法を習得できるようにする。連携先の科学技術館のスタッフや、構成員、協力者の専門性から、「海洋」「生物」「天文」「地質」「防災」に関する展示や活動について連携を図り、さまざまな地域の教育活動において役立つワークシートを作成し、提供することを目的としたプロジェクトとする。 |
細谷 夏実 | 能登の里海を守る:海育実践と地域活性化プロジェクト | 日本は四方を海に囲まれており、人間活動と密接な関係を持つ里海を含め、海の環境を保全しながら、持続可能な海との関わり方を考えていくことが重要である。一方で、地域において持続可能な里海保全を進めていくためには様々な問題を解決する必要があり、そのための要件として、里海の大切さを理解し活用することができる人材の育成、体験の場づくりが挙げられている。 申請者は2015年から、ゼミ生と共に能登半島の穴水町との交流を開始した。2018年7月には申請者らの活動が契機となって、本学と穴水町との包括連携協定が結ばれた。本プロジェクトでは、この連携協定体制を大いに活用し、穴水町の人たちと協力しながら、里海の大切さや保全・活用に向けた理解を広げるための人と場づくりに向けた海育(生活体験を活かした海洋教育)の実践を目指し、学生と共に地域活性化につながる取り組みを行う。 |
炭谷 晃男 | 多摩ニュータウン松が谷プロジェクト推進と寺子屋活動の推進 | 2021年は多摩ニュータウンに入居開始されて50年目、多摩市市制施行50年目の記念する年である。 多摩ニュータウンも成熟度が増してきたのだが、このCOVID-19の感染拡大にともない、これまで潜在化して問題が一挙に顕在化してきた。つまり、現行のハード面と暮らし方のソフト面との齟齬である。 これからの時代は新たなハードをつくる「まちづくり」ではなく、これまであるハードをリフォームしながら人々の暮らしを支えるソフト面を重視する「まちづかい」の時代に入ったと言える。そこで、入居40年を経過した八王子市松が谷地区の再生プロジェクトに協力しながら、住民の方を支援するプロジェクトに取り組みたい。さらに、寺子屋活動は月に1回程度、八王子市内の小学校施設を借用して小学生のためのサタデースクールを実施するもので継続的に実施していきたい。 |
堀 洋元 | みんなで防災大作戦!~防災を日常に~ | 本プロジェクトの主な活動は、ゼミでの体験学習による学びと防災イベントの実施、および報告会である。具体的には、防災食を実際に賞味することで防災備蓄の現状を体験的に学び、震災語り部からの話を聞くことで共感的に学び、それらの学びから学生たちが自発的にアイデア出しを行い、学生が主導して防災イベントの準備と実施を行う。地域の方々あるいはかつて防災ゼミを学んだゼミOGに対して体験型防災ワークショップを行うことで、さまざまな対象者に向けて自分たちの学びの成果を発信することを最大の目的とする。さらに今年度は初の試みとして3・4年生による学年を超えた学び合い、地域の方々との交流を行うことで、防災ゼミでの学びを学生自身の進路やライフキャリアに活かすことが期待できる。また、多くの大学生にとって身近とは言えない防災と向き合いながら発見したものを通して、主体的に学ぶことの実践を試みる。 |
八城 薫 | からきだ匠(たくみ)カフェ~地域がつながる場所~ | 本プロジェクトは、多摩キャンパス周辺で働く医療・福祉・教育などの専門家(匠)集団と本学学生が連携して吸引役となり、日頃から地域の様々な属性、世代の方々と繋がっていく事で、いざという時に助け合えるような地域でありたいという想いからが生まれました。このプロジェクトはまさに人間関係学部が目指すところの「共生社会の実現」に向けた実践的な取組みと言えます。「からきだ匠カフェ」は、心理学専攻学生が中心となり、あい介護老人保健施設、社会福祉法人 楽友会、多摩市多摩センター地域包括支援センターの方々と連携して、毎月1回2時間程度の地域交流会を実施しております。その内容は地域の人々がそれぞれの匠要素をアイデアにして交流テーマとし、教え合ったり、体操したり、ゲームしたりと世代を超えた交流するものであり、学生たちは開催のサポート役としても主役としても活躍しています。 |
堀口 美恵子 | 持続可能な食を支える食育推進プロジェクト | 栄養・食を通じて人々の健康と幸福に貢献する栄養士を養成する本専攻では、地域に根差した食育ボランティア活動を多世代に向けて10年以上積極的に行っている。本プロジェクトでは、持続可能な開発目標(SDGs)の達成につなげる食育活動を、主に千代田区民を対象に行う。実践においては、代表者が行ってきた「世羅町の6次産業化支援」をさらに進める活動、及び、様々な職域で活躍する卒業生と連携する活動も含めることにより、大妻の人材を活かして創出する成果を地域社会へ還元することができる。これは「持続可能な共生社会の実現への貢献」という本学の中期計画における大妻学院の使命とも合致するものである。 |
富永 暁子 | 地域の多世代がつながる味噌作りプロジェクト | 本プロジェクトでは千代田区近隣住民および在勤者を対象に、食の循環を意識してもらうことを目的に大豆の栽培・収穫から味噌作りまでの体験プログラムを提供する。すでに食物栄養専攻では学生を対象とした味噌作り講座を7年程前から実施し、日本の食文化の継承の観点からも有効であることを家政系紀要で報告している。今回のプロジェクトの実施にあたり、大豆の栽培・収穫に関しては専門家の協力を得て実施し、学内で仕込んで熟成した味噌は地域の児童福祉施設や高齢者施設等で利用してもらうなどを新たな試みとした地域連携をしていく予定である。単に味噌を作るだけでなく、本学の学生がリーダーとなって、地域の方とともに手作り味噌作りをすることで地域が活性化し、味噌作りを通して地域の多世代がつながり、食や健康に対する意識の向上に結び付けられるようなプロジェクトになることを目指していく。 |
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