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5年目を迎えた東京歯科大学との合同授業を実施 食物学科管理栄養士専攻

家政学部食物学科管理栄養士専攻の必修科目「栄養代謝実習」では、病態や消化吸収機能に適した栄養管理を修得し、患者の目標や希望に寄り添った食事・栄養摂取方法の課題解決に向き合う管理栄養士の育成を目指し、全15回の授業のうち3回は東京歯科大学と合同で栄養学と歯科学の連携授業を実施しています。これは、2018年に健康寿命延伸への寄与等を目的として締結された両大学の連携交流に関する協定によるもの。2020年に日本初の試みとしてスタートした連携授業で、多職種連携と協働による栄養支援を実践的に学んでいます。授業は、実習と講義、実験、嚥下(えんげ)検査の実演で構成されており、同専攻の2年生55人と東京歯科大学の4年生138人が3グループに分かれて参加しました。

「摂食嚥下機能に応じた栄養食事」をテーマに行われた実習では、摂食嚥下障害の症状に対応した栄養摂取方法を学んだ後に、両大学の学生が同一グループになり、お茶やコーラなどの飲料とみそ汁や牛乳などのたんぱく質を含む飲み物を、とろみ剤を使って3段階のとろみ濃度に調整したり、焼き鮭やホウレン草、おかゆなどの食べ物をゲル化剤やとろみ剤を使って嚥下調整食に調理。完成後、飲料についてはシリンジやとろみ測定板を使ってそれぞれのとろみの濃度を測定し、とろみの付いた飲料の試飲では味の違いや飲み込みの違いなどを実感しました。その後の試食では食事介助を体験し、患者に寄り添うことの難しさを理解しました。

担当教員の大妻女子大学家政学部食物学科川口美喜子特任教授は「皆さんが経験したことが患者さんへの助言につながります。正確にとろみをつけることがどんなに難しいか、患者本人と介助者がどんな思いで調理しているか、食しているかを考えてほしい」と話し、歯科医師と管理栄養士がお互いの仕事への理解を深め、連携して患者に安全で適切な食形態の食事を提供していくには、正確に調理し実際に食べてみることが大切であると説明しました。

内視鏡を使った検査実演の様子

また、嚥下内視鏡(VE)検査の実演では、口腔機能と嚥下機能について調べるため、実際に学生の鼻から内視鏡を入れて、リアルタイムで咀嚼(そしゃく)した、飲料や食べ物が口腔内を通っていく様子を熱心に見守っていました。この検査は、飲食物を飲み込む状況を観察し、のどに詰まったり気管に入ったりしないか観察し、食事の形態などの対応策を検討できる有益な方法で、本学学生たちは様子を熱心に見守っていました。

「症例検討」の講義で提示された、ある患者の症例をもとに、問題点の提起から適した食形態の提案、歯科医師と栄養士の連携についてグループごとにディスカッションを行い、課題解決した内容を発表しました。

講義の後、学生からは「嚥下調整食がどのような食事で、調理する過程を東京歯科大学の学生に説明しながら実習を進め、何事もなく嚥下できることの大切さを理解いただけて嬉しかったです」「合同実習を通してさまざまな意見を交換し、課題や解決策を見つけられた、ことで相手の領域を理解し、連携の大切さを知ることができました」との感想が聞かれました。

とろみをつけてる様子
とろみの濃度測定の様子①
とろみの濃度測定の様子②
試食の様子
食事介助の様子
グループワークの様子