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東京歯科大学と初の対面合同授業を実施 食物学科管理栄養士専攻

大妻女子大学と東京歯科大学は2018年に高齢化社会における健康寿命延伸などに寄与することを目的に協定を結んでおり、両大学では日本初の試みとして、2020年から栄養学と歯科口腔の連携した授業を合同で実施しています。コロナ禍のためオンラインで行われてきましたが、今年度は初めて対面で実施しました。

同授業は、家政学部食物学科管理栄養士専攻の専門科目「栄養代謝実習」で、15回の授業のうち3回、東京歯科大学と合同で行います。同専攻2年生50人と東京歯科大学4年生143人が参加。両大学の学生が混じり合うグループに分かれ、「摂食嚥下(えんげ)機能に応じた栄養食事管理」をテーマに両大学で授業が行われました。

本学で行われた合同授業では、食べ物をうまく食べられない患者に対して、蒸しケーキや肉じゃがなどにとろみを付けて食べやすくする方法を学び、その料理の試食や食事介助の体験などを行いました。
歯科医師と栄養士の連携について、実際の症例患者を例に、①患者が抱える問題点を抽出、②患者に適した栄養および食形態を考える、③歯科医師と栄養士の連携を実際にどのようにとればよいのかを具体的に説明する、の3点をグループごとに議論。症例患者の食形態がこれまでどのように変化してきたのか、介護の度合い、義歯装着の有無、必要な栄養などを考慮し、患者の希望を叶えながらどのように食事を摂取したらよいのかなどについて意見をまとめ発表しました。
また、学生たちは、内視鏡を使い、水を飲んだときや煎餅を食べたときの口腔内を観察。水や食べ物がどのように嚥下されるのか画面で確認しました。学生からは「嚥下時の食道の様子を実際に見ることができ興味深かった。高齢者になると喉に食べ物が残ってしまったり、気管に詰まったりすることがあるため辛そうに思えた。辛さを解消するため、美味しい嚥下食を作れるようになりたい」との声が聞かれました。

東京歯科大学で行われた合同授業では、高齢者施設について学びグループワークを行いました。高齢者施設が要介護や病態、目的によって分類されていること、民間施設と公的施設のサービスや料金の違いについて調べ、要介護のときにどの施設に入りたいかをテーマに、両大学の学生で意見を出し合い発表しました。

担当教員である家政学部食物学科・川口美喜子教授は、「歯科と栄養との連携の重要性が高まっています。この学びは日本で唯一の栄養学と歯科臨床を学ぶ学生の合同授業です。開講から3年目を迎え、現場で働く卒業生からは授業の意義を実体験しているという声も聞くようになりました。本年は学生が互いに両校に行き対面で実習と講義を受講しました。両校の学生たちにとって互いの専門性と協働の大切さについて学びを深める貴重な体験になったと思います」と話しています。

    <合同授業に参加した学生の声>
  • 東京歯科大学の授業では、高齢者施設の食事や管理栄養士の役割、多職種連携について理解を深めることができました。施設見学では、歯のレントゲン写真を見る実習やインプラントを作る実習の様子などを知ることができ、歯科大生が真剣に実習に取り組む様子に刺激を受けました。
  • 症例について話し合う場面では、歯科大学の先輩は私たちとは違う視点で解決しようとしていて、一つの症例で、こんなにも見方が変わるのだと実感しました。お互いの意見を出し合い、多方面から患者のサポートを行う必要性を実感することができました。
  • 授業を受ける前までは、医師や看護師との連携しか想像ができませんでしたが、歯科医師との具体的な連携の仕方が見えるようになりました。ミールラウンド(食事場面を多職種で観察し、食事の摂取状況から咀嚼能力、嚥下機能、姿勢などに関して評価すること)を行い栄養士と歯科医師が患者さんの気持ちになる体験、義歯の作成依頼をすることや、口腔機能訓練により口腔内の機能を維持するなど、さまざまな問題解決策を学ぶことができました。

とろみの付け方を体験

栄養士と歯科医師の連携についての議論

栄養士と歯科医師の連携についての発表

口腔内の様子を内視鏡で確認