「『Z世代の最前線』“わたしたちの未来(ライフスタイル)を考える”」博報堂Gravity×3女子大学協働の産学連携プロジェクト

家政学部ライフデザイン学科・須藤良子准教授の工芸デザインゼミの活動の一環で、2月5日に株式会社博報堂 Gravity本社(東京都千代田区)で「大妻女子大学×実践女子大学×跡見学園女子大学協働×『博報堂 Gravity』産学連携プロジェクトのプレゼンテーション発表会」が実施されました。
同社は博報堂グループのファッション・アパレル・コスメや、ラグジュアリーブランドなど「ライフスタイル領域」のブランドマーケティングを得意とする広告会社です。 今回の課題「『Z世代の最前線』“わたしたちの未来(ライフスタイル)を考える”」に対し、2030年以降、どのような外部環境の変化が予想され、衣・食・住・職にどのような影響を及ぼすかをチームに分かれて発表しました。
今回は、同社の社員2・3人が各チームのメンターとなり、発表内容の検討や進捗確認、ブラッシュアップなど、各チームがサポートを受けながらプロジェクトを進行。2024年12月のキックオフから計5回のZoom打ち合わせ、1回の対面打ち合わせを経て、最終発表を迎えました。
各チームの発表は以下のとおり。
「衣」10年後の未来
AIが自分に似合う服を選んでくれる技術の発達や、少子高齢化が進み60代以上の人口増加にともない、「おしゃれさ」よりも「機能面」を重視した衣料の生産・販売が増えると予想。雇用の変化では、リモートワークの普及によりスーツの衰退、カジュアルウェアの普及が進むと考えました。外国人の増加や製品の大量生産により、ファッションの幅は広がるがブランドアイデンティティの維持や環境汚染への対策が重要視されるとまとめ、20年後の理想として、「使い捨て」から「大切に使う」意識をもつ消費者を増やしていきたいと発表しました。
2035年の「食」‐AIと長寿化がもたらす意識や行動の変化
AIの進化により、個人のし好や不足している栄養などを診断することでパーソナライズされた食事管理をする時代になるのではと推測しました。また、長寿化により健康意識の向上が食生活に影響をもたらし、AIによるレシピの考案や店の選択などの技術が進むのではないかと考えました。
ライフスタイルが多様化する中、AI×食により冷蔵庫の残り物からメニュー提案したり不足した栄養を補う提案をしたりすることで時短かつバランスの整った食事が提供できる未来を提案し発表しました。
2035年の「住」 地方活性化と今後の住まいの形
地方活性化と都市の住まい(再開発)の二つの側面から未来の「住」について考えました。子育て支援や農業支援の活性化により人口増加した地方の事例を紹介。地方離れの原因を探り、どのような住まいだったら住みたいかを考え実現していくことで地方離れを解消できるのではないかと提案しました。都市部での住まいについては、アンケート調査を実施。その結果、それぞれの世代(高齢者・子育て・若者)のニーズを満たす、オフィスや病院、商業施設を併設する複合型マンションのニーズが高まるのではないかと考えました。
「職」
AIの進化による、広告・化粧品・金融業界の変化を予測し発表しました。各業界に共通してAIによるサービスが増える一方で、AIに監視されているようで怖いなどといったネガティブな意見もあるため、人の介入を要する場面が必要と考えました。AIを活用する能力、責任を持つこと、お客さまとの信頼関係の構築やホスピタリティを持つといったことは人間にしかできないことである。とまとめ、AIが進化する世の中で、個人としては考えることをやめず、過程を楽しみ、情熱を持ち続け、不完全を楽しむことが大切であると発表しました。
各チームの発表後に設けられた質疑応答の時間には、同社の社員の方々からさまざまな感想のほか、「衣服購入の動機にサスティナブルであるということが影響する?」「自分だったら都市部と地方のどちらに住みたい?」「食事を選ぶ楽しみより選ぶ時間の効率をとる?」といった質問が投げかけられ、各チームとも、発表を終えた段階で今一度自分の思いや考えを見つめ直し、発言する場面が見られました。
博報堂Gravity黒原康之代表取締役社長
同社・黒原康之代表取締役社長からは、「事前調査に基づく発表でよかった。環境配慮、AI化、パーソナライズなどのワードが多く出てきたが、『自分自身がどういう未来をつくりたいか』の視点が入ってくるとよりよい発表になったのではないか」とコメントがありました。学生の皆さんには、“あがる”未来を想像して、作っていってほしいと話しました。
ライフデザイン学科・須藤准教授による講評
本学同学科・須藤良子准教授からは、「博報堂Gravity社員の方々にメンターとして参加していただき、サポートに感謝いたします。今後、学生は就職活動や実際に社会に出て働くなかで、色々な問題に直面するかと思いますが、このような授業で経験したことを生かしていってほしい」とのコメントがありました。
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