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科研費 過去の採択状況 平成26(2014)年度

採択課題一覧

大学

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研究種目等研究課題名研究代表者所属職名研究期間
(年度)
実施状況報告書・実績報告書研究成果報告書
新学術領域研究視線随伴パラダイムとその応用による階層的行為主体感の発達過程の解明

視線随伴パラダイムとその応用による階層的行為主体感の発達過程の解明

平成26年度は、前年度実施した定型発達における行為主体感の発達過程の精査を引き続き実施した。具体的には、我々が乳幼児向けに開発した視線随伴課題(イメージ・スクラッチ課題)を用い、幅広い月齢の乳幼児の行為主体感の発達過程を検討可能か,課題の有効性を検証するとともに、行為主体感に関連する眼球運動の発達的変化を探索した。また、行為主体感に関連する眼球運動以外の指標の探索も実施した.まず,課題の有効性について述べる。サンプル数が足りなかった18か月児のデータを追加取得した。そのうえで、5カ月児・8カ月児・18カ月児・成人という異なる発達段階の被験者について、行為主体感にまつわる眼球運動の違いを検討した。その結果,イメージ・スクラッチ課題が運動発達の差異にとらわれることなく,幅広い月齢の乳幼児に適用可能な課題であることが示された。次に,それぞれの発達段階における眼球運動の差異について述べる。行為主体感を反映する眼球運動として、我々は視線随伴性の違反に対する探索と動機づけられた視線の操作に着目した検討を行っている。5か月児では視線随伴性に対する敏感性(随伴性検出)はあるものの動機づけられた視線の操作は見られない。8か月児では、随伴性検出のみならず動機づけられた視線の操作が見られた。一方、18か月児では動機づけられた視線の操作は見られたものの随伴性検出の兆候は見られなかった。これらは、視線随伴性の検出や視線の操作が段階的に獲得されるという線形の発達モデルでは行為主体感の獲得過程が説明できないことを示唆する。特に、18か月児群では目の機能分化、すなわち目の「見る」機能への分化が、課題で加わる「削る」機能の発見を妨げ、見る経験の少ない5か月児や8か月児では新たな目の機能の追加を抵抗なく受け入れた可能性もある。複雑な発達過程を明らかにするためには、さらに多くのデータの蓄積が必要とされる。

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宮崎 美智子社会情報学部講師H25-H26
基盤研究(A)アジア採集狩猟民児童~大都市児童の発育発達多様性と環境の相互作用、含む標準値作製

アジア採集狩猟民児童~大都市児童の発育発達多様性と環境の相互作用、含む標準値作製

東南アジアの都市と農村、海洋、高地に住む、狩猟採集民から現代都市に生きる3歳から10歳までの子ども4万人について、身体発達の様相を58項目にわたって調査した。対象民族にはビルマ、タイ、シャンをはじめシェルパのほか狩猟採集民のムラブリやモーケンも含まれている。調査項目は粗大筋スキル、微細筋スキルと生活スキルの発達であり、この研究によって人の身体発達と環境との関係を探求する基礎を作ったと考えている。

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大澤 清二人間生活文化研究所所長H23-H26
基盤研究(B)安全な自転車利用促進を目指す循環型社会の新しい交通システム構築のための基盤研究

安全な自転車利用促進を目指す循環型社会の新しい交通システム構築のための基盤研究

自転車の利用促進を目指した新交通システムを構築することを目標に、4つの班(自転車利用者働態研究グループ,自転車事故要因分析グループ,自転車・道路等デザイングループ,住民参加型事業提案グループ)に分けて研究を行った。各班の研究進展と併せ研究2年度目に自転車王国オランダでの調査および交通研究者(TNO財団)とのワークショップを行うことができ、オランダにおける自転車教育および自転車交通の実態についての情報を得ることができ、研究内容を大きく進展させることができた。これらの成果をもとに、「歩道では[歩行者>自転車]、車道では[バス>タクシー>自転車>普通自動車]の優先権」などいくつかの提言を行った。

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真家 和生博物館教授H24-H26
戦時上海におけるメディア(新聞・雑誌)の総合的研究

戦時上海におけるメディア(新聞・雑誌)の総合的研究

  1. 関連史料の調査・収集・・・合同調査4回(杭州、上海、南京、北京、長春、ハルピン、満洲里、大連)、各自の史料調査を実施。
  2. 研究会・ワークショップの開催・・・6回の研究会開催、4回のワークショップ開催・参加。
  3. 国際シンポジウムの開催・・・2015年10月3~4日に奈良大学で、関西の中日文化協会と共催で「戦時上海におけるメディアーー文化的ポリティクスの視座からーー」を公開開催。
  4. 論文集と雑誌『アジア遊学』の刊行計画・・・研究成果を論文集(研文出版、2016年7月)、『アジア遊学』特集号(勉誠出版、2016年12月)として刊行予定。
  5. ホームページの構築・運営・・・調査・収集した史料の公開。
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石川 照子比較文化学部教授H25-H27
海外日本人社会における移民主体の変容とコミュニティの再形成に関する経験的研究

海外日本人社会における移民主体の変容とコミュニティの再形成に関する経験的研究

インドネシアの海外日本人社会にみるかぎり、移民主体は長い間戦前からのコロニアル体制下の(国の施策によって移動した)「国策移民」→ポスト・コロニアル下の(企業の都合で移動した)「企業移民」が中心であった。またコミュニティも日本国内のコミュニティを持ち込んだもの、あるいはそれと相同的なものが支配的であった。しかし2000年をまたいで、移民主体がそれまでの「企業移民」から(自らの意志で移動した)「ライフスタイル移民」へとシフトするようになっている。日本人社会も日本人会中心のものから日本人会もその一つである(one of them)多中心的なものに変化している。

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吉原 直樹社会情報学部教授H25-H28
消臭抗菌抗アレルギー繊維の機能性評価と介護医療分野への応用

消臭抗菌抗アレルギー繊維の機能性評価と介護医療分野への応用

近年、衣服着用時にかゆみやあかみなどのアレルギー症状を訴える人が増えてきた。皮膚科医はアレルギー性皮膚炎患者に対して化学繊維ではなく綿の着用を推奨する。本研究は、接触する着衣と皮膚との関係に着目して、アレルギー症状を発症する原因を布帛の力学的特性、皮膚のpH、常在菌、汗を可能な外部皮膚刺激因子として相関を調べた。さらに、これらの外部刺激因子の軽減を目的として、消臭抗菌抗アレルギーポリエステルを調製し、汗臭に対する消臭効果、黄色ブドウ球菌に対する抗菌性およびアレルギー性皮膚炎患者の皮膚に与える影響などを調べた。これらの結果をまとめ、アレルギー性皮膚炎患者の着衣に必要な布帛の機能について検討した。

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水谷 千代美家政学部准教授H26-H29
東南アジア伝統衣服製作技術体系の解明と伝承教育最適化のためのプログラム開発

東南アジア伝統衣服製作技術体系の解明と伝承教育最適化のためのプログラム開発

東南アジアの無文字社会に伝承される身体を用いた衣服製作技術は急激な社会の変貌により現在消失の危機に瀕している。そこで本研究では①「地(じばた)による衣服製作技術」が現存する諸民族を対象としたフィールド調査によってそれらの技術を映像と文字に置き換え、後世に伝えるべく保存した。②同時にこの技術の伝承過程を技術要素に分解し、項目反応理論によって難易度を計量し、③この難易度に従って最適化した習得過程を見出し併せて習得最適年齢を求め、これによる伝承方法とそのプログラムを開発した。

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下田 敦子人間生活文化研究所助手H26-H29
日系国際児のバイリテラシー形成過程の質的探究とその展開

日系国際児のバイリテラシー形成過程の質的探究とその展開

本研究の学術的意義は、次の2点にある。第1点は、児童期に複数の言語で読み書きを習得する国際児のバイリテラシーの発達は、定期的かつ協働的な家族内実践に支えられていることを独日国際児の事例を通して具体的に開示したことである。第2点は、日本語を複数言語の1つとして習得する児童の作文力の発達過程は、日本語母語児とは違う道筋を辿ることをドイツ語を優勢言語とする児童の例に基づいて具体的に示したことである。これらの知見は、これまでほとんど未解明であった日系国際児の継承日本語リテラシーの伸び方に関する基礎資料となり、日本語補習校における作文指導の改善という実践的課題にも貢献し得るものである。

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柴山 真琴家政学部教授H26-H30
基盤研究(C)近世中国におけるムスリムの「釈疑」言説の研究

近世中国におけるムスリムの「釈疑」言説の研究

金天柱が著した『清真釈疑』の内容を分析した結果、以下のことがわかった。イスラーム教徒である金天柱から見ると、漢民族は儒教の教義にしたがっておらず、仏教や道教の習慣に染まっている。それに比べるとイスラーム教徒は日々の礼拝を実践している。神に祈りを捧げることは、儒教の最高神である上帝に祈りを捧げることと同じであり、イスラーム教徒のほうが漢民族よりよっぽど真摯に儒教の教義に忠実ししたがっている。金天柱はそう述べることで、漢民族からイスラーム教徒にむけられた疑いの目を払拭しようとした。

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佐藤 実比較文化学部准教授H23-H26
微粉米粉の特性をいかした機能性食品の創製から応用に関する研究

微粉米粉の特性をいかした機能性食品の創製から応用に関する研究

我が国の米の消費拡大のため、従来は小麦粉を用いてその調理性を生かした調理とされてきた調理条件の異なる3種類の小麦粉調理について、微粉米粉の特性を利用した調製条件について検討した。小麦粉のグルテンを生かした調理としてグルテンフリー米粉食パン、小麦粉のデンプンを生かした調理としてスープ・ソースのとろ味づけ、及び小麦粉が製品の骨格となるカスタードクリームを含むシュークリームについて各々の好ましい調製条件を決定することが可能となった。

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市川 朝子家政学部教授H24-H26
介護予防運動プログラムと抗酸化栄養素の併用は加齢性骨格筋減弱抑制に有効か

介護予防運動プログラムと抗酸化栄養素の併用は加齢性骨格筋減弱抑制に有効か

今後本格的な超高齢化を迎えるわが国において、効果的な介護予防対策は喫緊の課題である。本研究では、加齢性骨格筋減弱の効果的な予防策として、抗酸化栄養素であるアスタキサンチンが運動の効果を補完する可能性を明らかにするために検討を行った。廃用性筋萎縮ラットを用いた実験により、アスタキサンチンに筋萎縮抑制効果が認められた。中高齢女性を対象とした研究では、運動プログラムにタンパク質やアスタキサンチン摂取を併用した場合、骨格筋量は変化しなかったが、筋機能は運動単独に比べて改善することが示された。本研究により、運動とアスタキサンチン摂取の併用がフレイル(高齢者の虚弱)予防に有効である可能性が示唆された。

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高波 嘉一家政学部教授H24-H26
穀類の摂取による抗炎症作用の臓器間クロストークの研究と有効成分の探索

穀類の摂取による抗炎症作用の臓器間クロストークの研究と有効成分の探索

β-グルカンを含有する大麦の摂取が腸内細菌叢を介して、脂肪組織のみならず肝臓、皮膚組織の炎症を抑制する作用を有するか検討した。さらに、大麦以外の穀類の中から、玄米、黒米、ライ麦、オート麦などの成分分析を行い、大麦と比較し、有効な穀類の選抜を行った。高脂肪食摂食において、腸内細菌叢の変動、短鎖脂肪酸の産生量の変化、大腸内の炎症、各種臓器の炎症性変化、がクロストークを介して連鎖的に起こり、結果としてメタボリックシンドローム関連指標の悪化を招くことが示された。さらに、高β-グルカン大麦の摂取はこれら指標を腸内細菌叢の改善を介して抑制することが示された。

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青江 誠一郎家政学部教授H24-H27
日本語の自動詞構文と意味に関する研究

日本語の自動詞構文と意味に関する研究

「構文」という言わば文の鋳型に関する知識を私たちは身につけており、その知識を駆使して、実際の文の意味理解や文の生成は行われているものと考えられる。本研究は、自動詞構文のうち変化自動詞を述語とする特定の構文を考察の対象とし、その構文の典型的な特徴を何らかの点で逸脱している文の意味解釈に関する調査を行った。その結果、母語話者は、文脈上の特徴を捉えて推論を加え、その構文に属するものと見立てることが可能であり、調整的に意味解釈するものであることを明らかにした。

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福島(天野) みどり文学部教授H25-H27
現代日本と沖縄をめぐる社会意識の動態に関する探索的研究

現代日本と沖縄をめぐる社会意識の動態に関する探索的研究

言説分析や定性的調査により、近年の沖縄の基地問題が自己責任論で語られる傾向が見られる一方で、ポジショナリティを基盤とした日本人の政治責任として議論されることが顕著になったこと、その具体的な運動化として「基地引き取り運動」がうまれたこと、日沖の若者への定量的調査により沖縄において日本社会への高い親密性と、基地問題での大きな意識差、基地集中を差別と捉える視点の存在、また日本に居住する沖縄系住民への聞き取りから、アイデンティティとポジショナリティの葛藤から、様々な相互作用が積み重ねられてきた経緯、等が明らかになった。これらより、ポストコロニアルな文脈で日本と沖縄の関係を捉え直す契機が提供可能である。

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池田 緑社会情報学部准教授H25-H27
広域合併農協内に「小さな農協」を創るための条件分析-支店拠点化を軸に-

広域合併農協内に「小さな農協」を創るための条件分析-支店拠点化を軸に-

本研究は、地域農業の持続性を確保するために広域的なエリアにおける小さな協同を創造するための条件分析を目粋としたものである。そのために日本農業を平場水田農業、東日本大震災被災地農業、条件不利地域農業、都市農業に分け、ケーススタディを重ねた。その結果、持続システムとして浮かび上がった持続システムは、平場水田農業と被災地農業に対しては集落営農、条件不利地域農業に対してはマーケティング、都市農業に対しては都市計画である。

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田代 洋一社会情報学部教授H25-H27
共通教科「情報」における情報的な見方・考え方を育成するカリキュラム開発

共通教科「情報」における情報的な見方・考え方を育成するカリキュラム開発

本研究の目的は、情報科を学ぶことによって形成されるべき資質・能力は何かを明らかにすることである。情報科の目標を「情報を軸としてさまざまな事象を捉えようとする見方や考え方の育成」と捉え、情報科は「情報的な見方・考え方の育成」を目指すべきと論じた。「情報的な見方・考え方」を導く道筋を明らかにし、そこから導かれる枠組み及び中心概念を提案した。情報的な見方・考え方を「①情報を軸として事象を捉えるために,また,②情報を介して人工物(制度・方策等を含む)を案出して新たな価値を生むために,情報に関わる知識や技能などを駆り出す原動力」と定義した。中心概念は、認識科学と設計科学の考え方を基礎として構成される。

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本郷 健社会情報学部教授H25-H27
資産運用型「賃貸併用住宅」の市街地更新およびコミュ二ティへの影響と効果の分析

資産運用型「賃貸併用住宅」の市街地更新およびコミュ二ティへの影響と効果の分析

戸建住宅中心の住宅系市街地では、住宅の増改築、建替え等が居住者のライフステージの変化に伴って行われ、相続税対策や資産運用目的での建築行為が市街地の変容に大きな影響を与えている。
本研究は、資産運用目的の賃貸住宅を併設した住宅(賃貸併用住宅)を対象として、①建築動向や建築実態を把握し、②20 年前に建築された賃貸併用住宅の追跡調査をもとにオーナー家族の住生活の変化等を把握した。さらに、③住宅系市街地への影響およびこれら住宅の活用方策(地域での居場所としてのコミュ二ティ形成上の意義)を検討し、資産運用型の住宅建築の制御と住生活ニーズ面および市街地環境面を考慮した活用のあり方を示した。

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松本 暢子社会情報学部教授H25-H27
社会的排除と包摂の観点からみた高校中退問題に関する研究

社会的排除と包摂の観点からみた高校中退問題に関する研究

社会的排除と包摂の観点から、高校中退の実態と中退のおそれのある生徒を高校教育に留めておくための取り組みの現状を明らかにした。はじめに、教育困難校における中退の実態調査と生活保護世帯の子どもの中退の状況を精査した。次に、沖縄県の中退防止の取り組みと私立通信制高校の転入学支援の取り組みについて検討した。前者は包摂的な学校文化を醸成することで生徒を支援しているのに対して、後者は市場化された形へと学校文化を変容させるものであり、経済的に困難な世帯の生徒にはかなりの制限がかけられている。最後に、社会的排除と社会的包摂の観点から、現代の生徒が直面している困難について理論的に考察した。

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酒井 朗教職総合支援センター所長H25-H27
栄養士養成施設卒業生、在校生の健康リスクとBMI、体脂肪率に関する横断・縦断研究

栄養士養成施設卒業生、在校生の健康リスクとBMI、体脂肪率に関する横断・縦断研究

1975年から1984年に栄養士養成施設を卒業した対象者の青年期の体格や栄養素摂取状況と壮年期の体格、栄養摂取状況、食習慣、健康関連QOLとの関連性について縦断研究の手法を使って検討をおこなった。また、青年期に習得した栄養学の知識、卒業後の専門就業経験が中高年期の体格、栄養摂取状況、食習慣、健康関連QOLに与える影響についても検討をおこなった。一方、2012年から2016年に栄養士養成施設に在籍した対象者のBMI、体脂肪率から、やせや隠れ肥満の者を同定し、基礎代謝量、血圧、骨量、ヘモグロビン推定値、食品・栄養摂取状況、生活習慣・食習慣との関連性について横断研究の手法を使って検討をおこなった。

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小林 実夏家政学部准教授H25-H28
中高年女性の健康力と若年期の食生活・生活習慣に関する縦断研究

中高年女性の健康力と若年期の食生活・生活習慣に関する縦断研究

本研究の対象者は49 - 63歳女性、調査は、更年期症状、健康状態、既往歴、食への意識および習慣に関する自記式調査票と食物摂取頻度調査にて実施した。さらに対象者が大学在籍時に記入した3日間の食事記録調査票も合わせて解析を行った。
その結果、更年期症状と関連のあった大学在籍時の栄養素等摂取量は、動物性たんぱく質、脂質、食塩、多価不飽和脂肪酸、食物繊維であった。脂質は総脂肪だけでなく、動物性脂質、植物性脂質も更年期症状のうち、くよくよする、疲れやすい、動悸、胸のしめつけ、関節痛、手足のしびれと正の相関があった。

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上杉 宰世家政学部准教授H25-H29
地方青年結社における「文」の実践に関する社会史研究

地方青年結社における「文」の実践に関する社会史研究

本研究は、1900年前後の地方青年の文学を、多様な社会的実践として理解することを目的とする。概要は①地方青年の文章の内容の分析、②文章による青年同士のコミュニケーションの分析、③地方青年の文学を出版した出版社の分析である。
本研究の成果として、①福島県の文章回覧誌を翻刻した。②文語体書簡文が生成する青年たちのホモソーシャルな関係を明らかにした論文を発表した。

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木戸 雄一文学部准教授H26-H28
集団的尊敬による集団間紛争解決過程の解明

集団的尊敬による集団間紛争解決過程の解明

集団間の紛争を解決するためには、対立集団に対するイメージを改善し、成員の建設的態度を形成していく必要がある。本申請課題では対立集団のイメージおよび集団間紛争解決に対する尊敬の効果を検討した。外集団に対する尊敬は外集団の人間性知覚(温かさと有能さ)と集合的感情(集合的罪悪感など)を介して、人々の紛争解決的態度(謝罪と補償)を強めていた。また内集団が対立集団から尊敬されているというメタ尊敬も、基本的には同様の心理過程を経て紛争解決的態度を強めていたが、その過程においては外集団に対する親密さという集団間感情と外集団に対する象徴的脅威が大きな影響力を持つことが明らかになった。

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熊谷 智博文学部准教授H26-H28
属性付きグラフのレスポンシブ可視化の研究

属性付きグラフのレスポンシブ可視化の研究

オープンソース開発コミュニティやソーシャルメディアなどでは、大規模なネットワーク構造のデータがよく出現し蓄積される。 本研究では、ユーザがこのようなネットワークデータの構造特性を容易に発見できるようにする新しい可視化手法を提案する。また、このようなネットワークの成長の過程を3Dアニメーションで簡単かつ直観的に表現する可視化ツールを開発した。そのツールはthree.jsおよびNeo4jグラフデータベースを使用して実装され、Webブラウザ上で簡単に操作可能である。

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藤村 考社会情報学部教授H26-H28
「表現の自由」とヘイト・スピーチ法規制をめぐる社会学的研究

「表現の自由」とヘイト・スピーチ法規制をめぐる社会学的研究

初めてヘイトスピーチを聞いた時「反感を感じた」71.9%、「驚いた」61.1%、「恐怖を感じた」49.7%の一方、「共感した」8.3%。「街頭で一緒にヘイトスピーチを唱えたい」1.7%、逆に「街に出てカウンター行動に参加したい」は10.4%。ヘイトスピーチを繰り返し聞くうち「違和感が増加した」52.8%、逆に「違和感が減少した」10.4%。
ヘイトスピーチを「表現の自由」と見なすのは23.4%、「法で規制すべき」は47.6%。法規制すべきなのは、「人権を侵害する言動」76.3%、「特定の社会的弱者への憎悪表現」10.9%、「表現の自由を侵害する言動」38.2%、「思想信条の自由を侵害する言動」37%、「特定の政治家への憎悪表現」10.9%。外国人が増える結果として「日本の文化が豊かになる」70.7%、「社会の活性化」70.4%、「経済の活性化」59.2%、「日本人の働き口が奪われる」34%、「日本の文化がそこなわれる」22.5%。グローバル化で競争は激化、労働条件は悪化し、貧富の格差も拡大、将来への不安や閉塞感が増す中、少子高齢化で日本経済の停滞が懸念されるため、外国人に肯定的期待を寄せる者は少なくないが、外国人が対等・優位になり自分の既得権益が脅かされたり、追い抜かれる場合に排他的な傾向が強まる。「全体主義、排外主義ではなく、一人一人が大切にされ、お互いの個性、豊かさを尊重する、豊かさを分け合い、共に生きる社会を望んでいます。ヘイトスピーチをする人々は社会の中で自分が大切にされているという実感がないのではないでしょうか」(日本籍女性・自由記述より)
ヘイトスピーチのターゲットとされた人々のアイデンティティにダメージを与える、特に子どもの成長に悪影響が大きいと考えられている。コミュニティの中で生きる場合より、孤立無縁でカミングアウトせずに生きる方がダメージが深いと思われる。

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鄭 暎惠人間関係学部教授H26-H28
初心者および中級者への継続的スーパーヴィジョンの効果とプロセスに関する実証的研究

初心者および中級者への継続的スーパーヴィジョンの効果とプロセスに関する実証的研究

心理療法のトレーニングに欠かせないスーパーヴィジョンのプロセスの中で初心者・中級セラピストはどのような経験をしているのかを、インタビュー調査・質問紙調査および実際のスーパーヴィジョン場面の動画分析によって明らかにした。まず16名の初心者・中級者にインタビューを実施し、結果として「ヴァイザーや周囲の人が超自我のように感じる」「SVを活用できない」などの第一段階から「救われるSV」を体験できる第二段階へのプロセスが確認された。また、さらに7名の初心者において「SVによる元気づけ」が体験されている一方で「ヴァイザーに振り回される」体験をしている初心者もいることが確かめられた。

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福島 哲夫人間関係学部教授H26-H28
第二次世界大戦期、米英両国の世界地理認識の比較研究―地図史研究の方法論を用いて―

第二次世界大戦期、米英両国の世界地理認識の比較研究―地図史研究の方法論を用いて―

2014年度夏季に米国立公文書館と米連邦議会図書館、2015年度夏季に英国立公文書館と英国図書館で資料調査を行った。収集した史料・文献に基づき、2015年5月17日に富山大学で開催された日本西洋史学会で学会報告を、また同年10月17日に福島大学で行われた政治経済学・経済史学会秋季学術大会でパネル報告を行った。2015年度の研究成果を「第二次世界大戦期、アメリカ軍の標的地図」として、また2016年度に「第二次世界大戦期、米英同盟による地図作成―『斜角遠近法標的地図(ギアリングスの地図)』を中心に―」として研究成果を発表した。

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高田 馨里比較文化学部准教授H26-H28
挑戦的萌芽研究身体起源の臭気および感染を防ぐ機能性衣服と個人対応フィルターの設計と評価

身体起源の臭気および感染を防ぐ機能性衣服と個人対応フィルターの設計と評価

病院や介護施設では、排泄物臭、体臭などに起因する悪臭が問題であり、部屋全体で悪臭を除去する方法を試みており、コストやエネルギー面で損失である。本研究では、尿臭や体臭のような身体起源の悪臭を、悪臭源近傍で効率よく消臭するシステムの開発を行った。人間―衣服―環境を想定した病院の室内環境をシミュレートした装置を作り、衣服、フィルター、寝具などに対する消臭繊維の適性を評価した。さらに、実物大の病室を模倣した室内環境を作り、消臭繊維を寝具に応用して換気マットレスと組み合わせて室内の悪臭除去効果を調べた。その結果、悪臭源近傍で消臭する有効性が認められ、個人対応型消臭システムの基礎的知見が得られた。

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水谷 千代美家政学部准教授H24-H26
介護職員の就労意欲の向上にむけた介護現場の条件を探る―施設特性からの影響―

介護職員の就労意欲の向上にむけた介護現場の条件を探る―施設特性からの影響―

介護職員の就労意欲の向上にむけた介護現場の条件を探るために,特別養護老人ホームの介護職員に意識調査を実施した.その結果,「仕事のやりがい感」「就労継続意識」は,年齢を重ね,実践力を培うことによって有意に高まることが示唆された.介護職員の就労継続意識を維持・向上させるためには,単なる施設形態・構造による影響だけではなく,介護現場の組織・運営力が重要である.今後は,職場内サポートのあり方を具体的に検討していくことを課題とした.

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壬生 尚美人間関係学部准教授H25-H27
震災に関する民衆知/民俗知の意義と応用可能性に関する比較社会学的研究

震災に関する民衆知/民俗知の意義と応用可能性に関する比較社会学的研究

本調査研究によって、震災に関する民衆知/民俗知は、相双地区の避難民に関するかぎり、たしかに存在することが明らかになった。しかし、実際の避難に際してはそれらは活かされなかった。多くの場合、避難民は、家族や近隣の日常的なコミュニケーションにもとづいて避難行動を取った。また、震災に関する民衆知/民俗知は地区防災計画等には反映されていない。なお、海外の事例については、現地研究者による資料・文献サーベイ等によってフォローされたが、震災に関する明確な民衆知/民俗知は存在しなかった。

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吉原 直樹社会情報学部教授H24-H25
原子力防災訓練の検証と地域コミュニティの再審

原子力防災訓練の検証と地域コミュニティの再審

原発事故による影響をいまだに受けている福島県の相双地区において、県を中心とした原子力防災訓練は震災前とあまり変わらない「上から」の「動員型」の枠組みで進められていることが確認できた。しかしながら、市町村レベル(たとえば、いわき市)では、単なる「上から」の動員型だけではなく、コミュニティにねざした(community based)訓練計画の立案と実施もなされており、それらが市の防災計画に反映されているという点でガバナンス型を志向するものとなっている。

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吉原 直樹社会情報学部教授H26-H27
僧院における統制されたライフスタイルが少年僧の発育発達に及ぼす影響

僧院における統制されたライフスタイルが少年僧の発育発達に及ぼす影響

これまでに少・青年僧(サーマネーン)の日常生活の実態と身体発育と発達に関する調査が行われたことはなかった。この研究では世界でも初めて長期間にわたってタイの仏教僧院の協力の下に彼らの日常生活の実態と、身体発育(身体形質、栄養状態)と発達(運動機能や身体能力)について詳細なデータを収集した。ここではこれらの膨大な結果から形態発育と身体活動に関する集計結果を報告する。

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大澤 清二人間生活文化研究所所長H26-H27
若手研究(B)言説の生=政治--戦時下日本語文学に関する総合的研究

言説の生=政治--戦時下日本語文学に関する総合的研究

本研究では、日本の戦時体制が当時の文学生産の場にどのような影響を与えたかを明らかにするために、当時の内務省や軍の内部文書を分析、戦時期の検閲コードについて検討した。その結果、日本国内で展開された厳格なメディア統制と国際的な宣伝計画との間に密接な関係性が指摘できることが明らかになった。
また、とくに石川達三『生きてゐる兵隊』や火野葦平『麦と兵隊』に注目し、日本軍に従軍した兵士や従軍記者が執筆した従軍体験記に見られる戦場表現の特質について検討した。

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五味渕 典嗣文学部准教授H24-H26
ハワイ語ラジオ番組の相互行為分析

ハワイ語ラジオ番組の相互行為分析

本研究はアメリカ合衆国ハワイ州におけるラジオ番組カ・レオ・ハワイを分析対象としている。1970~80年代にホノルルで放送された400を越える番組の録音に基づき、番組の全体像を描き出すことを目指した。カ・レオ・ハワイは、ハワイ先住民の言語文化の記録を通じてコミュニティの形成と維持を行うメディア実践であった。

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古川 敏明文学部講師H25-H28
バングラデシュ南部沿岸地域におけるサイクロン被災後の復興課題に関する研究

バングラデシュ南部沿岸地域におけるサイクロン被災後の復興課題に関する研究

本研究は、バングラデシュのサイクロン常襲地域において、住民が被災後に抱える生活再建課題を明らかにしようとする試みである。災害リスクの高い地域においては、避難行動によって一命を取り留めたとしても、高潮によって家財を失う、世帯主が高潮に流され働き手を失う、といった人的・物的被害が発生し、生活再建の大きな障害となる。サイクロン被害による生活水準の低下は地域の災害脆弱性を高め、次の災害への対応力を低下させることから、迅速な生活再建が防災上の課題となる。本研究は、途上国に対して積極的な防災支援を行っている日本にとっても多分に示唆的な内容を含んでおり、援助現場に対する裨益効果を期待するものでもある。

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日下部 尚徳文学部講師H26-H28
研究成果公開促進費(学術図書)戦後IMF史伊藤 正直社会情報学部教授H26

短期大学部

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研究種目等研究課題名研究代表者所属職名研究期間
(年度)
実施状況報告書・実績報告書研究成果報告書
基盤研究(C)分裂酵母新規DNA領域局在化RNA群の解析

分裂酵母新規DNA領域局在化RNA群の解析

分裂酵母の核内のDNA領域に局在する新規RNAについて解析した。新たに解析した6個のうち、5つは約700塩基内に、残りの1つは約2,700塩基内に局在化配列が存在することが明らかになった。先行して解析を進めているB1199については、B1199と相補的なRNA配列もDNA領域に局在することが明らかとなった。また、B1199の局在化配列の付加によってmRNAが核内に係留されることが示唆された。

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竹内(安東) 知子短期大学部
家政科
准教授H23-H27
ピア・レスポンスの何が文章の質的向上と評価結果に影響するのか

ピア・レスポンスの何が文章の質的向上と評価結果に影響するのか

本研究は,ピア・レスポンスの実施が,文章表現や作文クラスの成績,本人の文章能力の向上に,どのように関係するかを見極めることを課題とした。その目的は,ピア・レスポンスの実施を,個々の担当者の活動だけではなく,コース全体の当為の活動として組み込むべきか検討すること,そのためのピア・レスポンス活動自体の位置づけを明確にすることにあった。3年間の個々の検証を通して,活動は成績に直接影響しないが,学習動機に影響があることを確認した。さらに,初年次の言語教育として有益なピア・レスポンス活動のあり方,対面と非対面の性質の差とそれらの印象を確認したことで,初年次教育への当為活動としての位置づけを得た。

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中尾 桂子短期大学部
国文科
助教H24-H26
挑戦的萌芽研究日本の繊維産業興隆期における女性労働者の労働意識と教養についての研究

日本の繊維産業興隆期における女性労働者の労働意識と教養についての研究

近代日本の繊維産業の発展を支えた女性労働者の労働意識を文献、聞き取り、アンケートにより調査した。女性労働者は、労働に対して不満を持っていない。貧困な生活環境から抜け出し、十分な食事が得られ、給金がもらえることで、労働意力を高めている。また、就学歴が高くなると労働への目的が明確になり、社内教育に参加し、生活に必要な教養を学ぶ時間が多くなっている。現在、繊維産業興隆期を迎えているベトナムの女性労働者は、就学歴が高い傾向にある。そして、将来の生活に希望を持っている。以上の結果から更に専門的教育を大学教育で強化することにより、就労意識、教養は大学教育で補うことが可能であると考えられる。

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平井 郁子短期大学部
家政科
准教授H24-H26
欧米並びにアジアとの比較を介した日本近代文学及び映画における死の表象の再構築

欧米並びにアジアとの比較を介した日本近代文学及び映画における死の表象の再構築

日本近代文学及び映画が死をどのように表象し、時代に応じていかにそのイメージを変質させていったのか、同時代の欧米並びにアジアにおいて生産された表象との差異として歴史的に把握することにより、近代社会において消費される死の表象の意味を、明らかにした。換言すれば、本研究は、言語と視覚における、二重化された表象の不可能性を介して、近代における超越的な審級のイメージ形成を対象化する歴史的な試みであった。

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城殿 智行短期大学部
国文科
教授H26-H28

全国学校別 採択件数・配分額一覧表

※文部科学省ホームページ「 科学研究費助成金 配分結果」にて公表された資料を基に本学が作成しました。

大学

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