日本文学科
学科紹介
「日本語」と「日本文学」を通して、社会で生き抜く力を身につける
日本文学科では、日本文学、日本語学、漢文学の各分野における専門教育を進めています。古代から近・現代文学まで、その時代に生きた人々の「ことば」と「文学」を通して、社会で生き抜くための豊かな人間性と教養を身につけます。
学びの特徴
学科のポイント
POINT.1
他者を知るためのことば・文学
詩歌・物語・小説・評論などその時代に生きた人々のことばと文学を通して、今につながる問いを学びます。また、ことばとメディアの関わりや、文学に描かれた人々の生・ジェンダー・戦争・労働・記憶などに向き合うことで、他者を理解することの意義を学びます。
POINT.2
日本語を磨き、極める
1年次では、文章づくりの基礎から学ぶアカデミック・ライティング(文章表現)の授業で、卒業後も役立つ、ことばと文章の知識を実践的に学びます。日本語教員を育てる新しいプログラムにも取り組んでいます。
POINT.3
バラエティに富んだ13のゼミナール
3年次からゼミナールに所属し、卒業論文の執筆に取り組みます。古代から近・現代文学まであらゆる時代とジャンルに対応できる教員のもとで、一人ひとりの興味に応じて研究を深められる体制が整っています。
学びのフィールド
日本文学科では、「日本文学」「日本語学」「漢文学」の3領域を柱に文化、歴史、出版メディアなどの周辺領域を学ぶことによって、日本の「ことば」と「文学」について、体系的に理解することができます。
学びのTOPIC
授業紹介
漢字を発展させて完成された「変体仮名」は、日本語表記の飛躍的な進歩と古典文学を生み、近・現代の文化へと継承されてきました。古典から近代への橋渡しを担った「変体仮名」を学び、日本の文化に触れます。
語り・ジェンダー・空間・メディアというそれぞれ異なる角度から文学テクストを読解した研究論文を精読します。論文とは何かを理解し、卒業論文で自分のやりたいことに沿った研究方法を選ぶ助けになります。
近現代の雑誌・小説に対し自ら問いを立て、図書館での調査や読解を経て発表を行います。具体的には、雑誌や小説が内包する「ジェンダー」「フェミニズム」「家族」「仕事」等に着目し、社会の何を問題とし、表現しているか学びます。
カリキュラム
※資格関連科目については資格関連科目(諸課程科目)ページで確認してください。
時間割の例
卒業後の進路
主な就職先
【運輸】ANAエアポートサービス/日本ロジステック【金融・保険】群馬銀行/千葉銀行/千葉興業銀行/京葉銀行/日本マスタートラスト信託銀行/中央労働金庫/野村證券/日本生命保険/明治安田生命保険【情報通信】NTTデータビジネスシステムズ/NTTテクノクロス/MS&AD事務サービス/カプコン/明治安田システム・テクノロジー【建設】日本道路【製造】一九堂印刷所/エフピコ/オリエンタルモーター/シチズン・システムズ/東洋紙業/図書印刷/日経印刷/日本金属/不二工機/冨士ダイス【卸売・小売】JKホールディングス/ジェコス/立花エレテック/図書館流通センター/ナブコシステム/丸善ジュンク堂書店/三菱食品/八洲電機【学術研究・専門・技術サービス】石本建築事務所/神戸綜合速記/コナミグループ【サービス】新幹線メンテナンス東海/農中ビジネスサポート【宿泊・飲食サービス】タリーズコーヒージャパン/三井不動産ホテルマネジメント 【 教員】栃木県教育委員会/茨城県教育委員会/埼玉県教育委員会/千葉県教育委員会/古河市教育委員会/横浜市教育委員会/佐藤栄学園【公務員】千葉県/渋谷区/沼田市/富津市
※過去3年分から抜粋
主な進学先
大妻女子大学大学院/お茶の水女子大学大学院
※過去3年分から抜粋
取得できる資格
科目履修で取得できる資格
- 高等学校教諭一種免許状(国語)
- 中学校教諭一種免許状(国語)
- 学校図書館司書教諭
- 図書館司書
- 博物館学芸員
- レクリエーション・インストラクター
- 登録日本語教員(文部科学大臣認定機関の申請予定)※
※ただし、文部科学省における審査の結果、予定した実践研修および養成課程が開設できない可能性があります。
卒業論文テーマ
- 秋田苅る歌―万葉集から百人一首巻頭歌へ―
- 源氏物語の母娘―明石の姫君と二人の母―
- ︎『とりかへばや物語』の衣装表現
- ︎藤原定家の恋歌における夢の効果―伊勢物語を中心に―
- ︎「さるかに合戦」 罪と罰誕生の起源
- ︎夏目漱石「こゝろ」における〈信用と語り〉―信じ合う男たち―
- ︎“母性”という神話を生きる人々―湊かなえ『母性』論―
- ︎江戸川乱歩『蜘蛛男』論―芸術の表現材料となった女たち―
- ︎「うまい」「おいしい」の男女の使用傾向
- ︎漢魏六朝における魂について ―『捜神記』を中心に―
※2023年度テーマから抜粋
卒業生の声
三菱食品株式会社
谷口 さくらさん日本文学科
2023年3月卒業/埼玉県私立武南高等学校出身
物事の背景を考え、表現する力を食品商社で発揮しています
――現在の仕事を志望した理由を教えてください。
「食」が好きなのはもちろん、スーパーによって異なる品揃えがある背景に興味がありました。多彩な食品を取り扱い、食品メーカーと小売店をつなぐ役割を担う食品専門商社なら、食に関する幅広い仕事に携われると感じたからです。
――どのような仕事をしていますか?
小売店向けの営業です。食品商品のメーカーの方々と定期的に商談し、新商品や売れ筋商品の説明を聞き、どのぐらいの価格で販売すると利益が出るかを算出してスーパーなど小売店の方々に提案します。スーパーでの販売促進や催事の企画を立てることも仕事の一部です。メーカーと小売店の両方の利益を考え調整する役割を担っています。
――仕事のやりがいを教えてください。
小売店にどんな食品をいくらで販売するかの交渉や、売れ行きを左右する商品陳列棚の提案など仕事は多岐にわたります。取引先の利益を考え、さまざまな視点から検討した結果、提案した内容が採用されたときや、お勧めした商品が導入されたときにやりがいを感じます。
――大学での学びはどのように生かされていますか。
仕事では、自分の意見を持って相手に向き合うこと、根拠のある提案をすることが大切です。そのため、商談で感じた疑問に仮説を立ててから質問する、データ分析時に発見した異常値の原因を考えてから先輩に尋ねるといったことを日頃から心がけています。これは、学科の先生方から「文学に正解はない。枠にはまらず、自分の考えを持つように」と教えられ、感覚や想像に頼らず根拠に基づいた考察を行う姿勢を身につけたおかげです。
――印象に残っている学科の学びはありますか?
やはり、2年かけて研究した卒業論文ゼミです。私は主に近代文学を研究していたので、明治から昭和にかけて創刊されていた「少女の友」という雑誌を題材に取り上げました。少女像の変化を社会的側面から見つめる研究ですが、例えば平時と戦争中とでは、文学の中に出てくる少女像がガラリと変わります。文学に世の中の状況が反映される面白さを追究することができました。
――大学での学びや経験を、これからの人生にどう生かしたいですか?
学科では、先生方から豊富に学ぶ機会をいただき、生活面では自立した女性を目指す教育方針の中で、オープンキャンパススタッフの活動や内定者懇親会への参加などさまざまな経験を積みました。これらを通じて、自分自身が大きく成長した4年間だったと思います。これからも、挑戦する気持ちを忘れずに、生きることにつながる「食」に関わる仕事を通じて、スーパーなど身近なところで食の楽しさを感じてもらったり、世界中に食を安定供給したりといった仕事に携わりたいです。
――今後の目標や抱負を教えてください。
学科で磨いた言葉を選ぶ力や文章力を生かし、社内外でよい人間関係をつくり仕事に取り組んでいきます。