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社情卒業生・上田和泉記者が大きく貢献―中海テレビ放送がギャラクシー賞を受賞!

社会情報学部社会環境情報学専攻(現:環境情報学専攻)卒業の上田和泉さんが中海テレビ放送の記者として関わったドキュメンタリー番組「中海再生への歩み~市民と地域メディアはどう関わったのか~」が、「第57回ギャラクシー賞報道活動部門大賞」を受賞しました。


ギャラクシー賞はNPO法人放送批評懇談会が日本の放送文化の質的な向上を願い、優れた番組・個人・団体を顕彰するもので、主にテレビ、ラジオ、CM、報道活動という4部門から構成されます。57年の歴史を誇るギャラクシー賞でケーブルテレビ局が大賞を受賞するのは初の快挙。また同作は「第46回日本ケーブルテレビ大賞番組アワード パブリック・ジャーナリズム特別賞」という名誉ある賞にも輝いています。


ギャラクシー賞受賞の上田記者たち

(左から)プロデューサー・横木俊司放送事業本部制作部次長、番組企画・高橋孝之代表取締役会長、番組リポーター・上田和泉放送事業本部副本部長


中海テレビ放送は、2001年から番組「中海物語」において鳥取県と島根県にまたがる中海(なかうみ)を多角的に報道する一方で、水質が悪化し、自然環境が変化する中、市民グループを主体とした「中海再生プロジェクト」を主導。湖岸清掃活動などで、行政に頼らない環境改善活動に貢献したことが高く評価されました。今回の受賞作は開局30周年記念番組として19年間にわたり放送を続けてきた番組「中海物語」の映像をベースに、追加取材した映像を織り交ぜて制作し、2019年11月に放送しました。


(左)清掃活動を行うヨットクラブの子ども達と上田記者、(右)市民による清掃の様子

(左)清掃活動を行うヨットクラブの子ども達と上田記者、(右)市民による清掃の様子


上田さんは番組が開始された当初からリポーターとして活躍。番組の取り組みに多大な貢献をしてきました。


現在は現場の記者だけでなく中海テレビ放送放送事業本部副本部長も務める上田さん。本学が掲げるミッション「学び働き続ける自立自存の女性を育成する」をまさに体現し、卒業生のよきロールモデルとして活躍中です。


上田さんに受賞作品における具体的な取り組みや苦労されたことなどについて伺いました。


―今回の受賞に際し、感想をお願いいたします。


上田:ギャラクシー賞大賞は、これまで、NHKや民間放送が受賞していて、ケーブルテレビ業界で初めてのことだけに、大変名誉なことです。約20年、開発の時代から環境重視の時代へと移り変わる中、市民の皆さんが中海浄化への世論を少しずつ変えていったその歴史を描いた番組が、このような栄えある大賞を頂けたことは大変ありがたいことだと感じています。番組の完成度だけではなく、地域の皆さんと一緒に地域課題に取り組み、念願だった「泳げる中海」を実現させた一連の活動を評価していただいたものと受け止めています。


―上田さんの同番組における取り組みやリポーターの姿勢として大切にされていたことがございましたら教えてください。


上田:食糧増産を目的とした「中海」干拓事業は、38年を経て、2000年に中止となりました。水質悪化を懸念する地域住民の反対運動による事業中止のニュースが全国トップに踊ったのは大きなインパクトでした。当時の上司が「これは地元米子をPRするチャンスになる!」と考え、大学時代に社会環境情報学を専攻していた当時入社2年目の私が中海について調べることになりました。地元には日本の水浴場88選に選出された白砂青松の皆生温泉海水浴場があるため、中海なんて汚くて、余り関心のない湖・・・くらいの認識しかありませんでした。ところが、リサーチしていくうちに「子供の頃に泳いだ思い出の湖」「豊潤で誇れる自然」「アカガイの産地」など、中海に思い入れのある人が予想以上に多く、水質改善を目指して活動している人が各地に点在していることが分かりました。中海はかつて多くの漁獲量がありましたが、近年は激減し漁師の生計が成り立たなくなったこと。毎月欠かさず水質調査を続けている子供たちがいること。家庭排水をきれいにすることが中海の水質を良くすると訴えているグループがあること。そのすべての市民が「中海の環境を良くしたい」という同じ目標を掲げて活動していて、あふれんばかりの想いを私に教えてくださいました。地域の人たちがこれだけ熱い想いを持っているのならば、ひとつひとつの活動を紹介しようと、2001年1月から「中海物語」という30分番組を制作することになり、私はリポーターを担当しました。市民の想いを伝える番組は1年間に延べ200人が出演しました。この番組は、現在も毎月制作、放送しています。


開局当初から弊社が掲げるのは、ただ放送することが目的ではなく、地域課題を掘り起こし、解決に向かうことで新たな地域づくりや活性化につなげるということです。「中海物語」放送開始から19年で約230本を放送できたのも、市民に役立つ番組を放送しようという地域メディアのあり方を貫いてきたからだと思います。


中海テレビ放送は「人と人」「人と地域」など、あらゆるものを「仲介するメディア」と言われています。リポーターとして仲介役になり、地域の環境改善に向けて奮闘する方々をつなげ、番組で紹介することで「泳げる中海を取り戻そう」という目標や、「もっときれいな中海」「泳ぎたくなるような中海」の実現に向けて活動する市民のモチベーションにつながれば良いと思いながら、番組制作をしています。


―同番組制作において、印象的だったことや、困難だったことなど、エピソードがあれば教えてください。


上田:番組が始まってまもなく、水深8mまでもぐり、どれだけ汚いのか実際に湖底のヘドロをすくいに行くというロケを行いました。口の中や髪の毛、体中にヘドロの臭いが2~3日染み付いて大変でした。実体験をもとにリポートするという体を張ったロケでしたが、それ以来、私の言葉に説得力が伴ったと思います。


また中海が2005年にラムサール条約に登録され、初めて、山陰両県が主催して湖岸清掃を行ったとき、数千人の人々が湖岸を埋め尽くし、水辺の清掃をしている様子を湖上から撮影したときは、身震いし、感動しました。


その後、「10年で泳げる中海を取り戻そう」という目標を掲げて活動をつづけ、2011年に中海を泳ぐ大会「オープンウォータースイム」が開催できたことは感慨深いことです。この大会は日本水泳連盟の認定大会として、現在も継続開催しています。


―大学在学時には環境について学ばれていたとのことですが、在学時の学びが現在の仕事につながっている部分がありましたら教えてください。

上田:環境について興味があり、社会環境情報学を専攻しましたが、大妻女子大学のカリキュラムは幅広く、卒業から22年経った今でも、さまざまな講義が印象に残っています。


櫻井四郎先生の環境アセスメント、北原節子先生の水質調査をはじめ、大森佐與子ゼミでは楽しい仲間に恵まれ、白衣を着て、日々、毛髪のミネラルを調べる微量元素の実験・分析をしていました。一見、環境というと難しく思えるかもしれませんが、難解な地域課題や環境問題も、ひもといて理解しようとする姿勢は、大学時代に培ったものだと思います。


―本学の現在のミッションは「学び働き続ける自立自存の女性を育成する」です。まさに上田さんは20年以上に渡ってそれを実行しているようにお見受けいたします。社会人としてマスコミ業界を目指す本学在学生に対し、メッセージをお願いいたします。


上田:メディアの仕事というのは、公正・公平・中立を規範とした報道姿勢こそが本来のジャーナリズムとされていますが、私は、市民と一緒になって環境問題など地域課題を考え、解決に向けて取り組むこともメディアの大切な役割だと思っています。報道記者は、さまざまな分野に興味を持ち、市民と共に歩みながら地域を良くするためには何が必要なのか、ということを常に考え、行動することが重要です。現在のその姿勢の基本は、大学時代から変わりません。


大学生には無限の可能性があり、また最高に輝ける時期です。地方出身者の私は東京生活が楽しくて、たくさん出かけたり、遊んだり、楽しい毎日でした。そしてそれ以上に前のめりに学びました。食わず嫌いせず、少しでも興味のあることには、こちらから出向き、知り、さらに興味が出れば深掘りし、さまざまな知識と経験と人脈を得ることが出来ました。その姿勢は、現在の仕事に大いに役立っています。


ぜひ「4年間でこれをやったぞ!」と言えるものを作っていただきたいと思います。どの業界に就職しようか悩んでいる方もおられると思いますが、自分には向いているのだろうか?などと思わず、「向き不向きより ヤル気」という強い想いで、就職活動に向かって欲しいと思います。


―ありがとうございました。


同番組は11月6日(金)27:05~28:15にフジテレビ(関東ローカル)にて放送されます。皆さま、ぜひご覧ください。



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