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【地域連携プロジェクト報告】体験から学ぶ防災~防災と言わない防災を目指して~

 令和元年度地域連携プロジェクト活動として行われた「体験から学ぶ防災~防災と言わない防災を目指して~」(人間関係学部 人間関係学科 社会・臨床心理学専攻  堀 洋元 准教授)の報告書を掲載します。

 このプロジェクト活動はゼミ学生が中心となって行うもので、4年目を迎えました。今年度のプロジェクトでは、10月に行われる大妻多摩祭で、地域の方々とともに体験型防災ワークショップを実施し運営することで、地域の活性化や地域防災力向上の架け橋となることを目的としています。これまでのゼミでの活動内容をゼミ学生が紹介します。

1.防災ゼミ①:防災食の食べ比べとおいしくするためのアイデア

 ゼミの時間に初めて防災食のアレンジを行いました。それまで非常食といえば「乾パン」というイメージが強くありましたが、今回の試食会で乾パンの他にも、パスタや五目ごはんなど、普通の食事として出てくるような防災食がある事を知りました。

 また、防災食はレシピ通りに作るものだと思っていましたが、アレンジをすることによってさらに味の幅が広がることを知りました。例えば、ただのわかめごはんでもレシピ通りのお湯の分量ではなく、少し多めにする事により高齢者の方でも食べやすいようなお粥風になることがわかりました。そして、乾パンを砕いてスープに入れたクルトン風スープや、カルボナーラパスタにチーズを入れて、さらに本格的なカルボナーラにすることができました。

別の日に行った2回目の試食会では、前回のパスタやごはんに加えハンバーグや缶詰を中心に食べ比べしました。また、モーリアンヒートパックを使ってハンバーグを作りました。これは水と発熱剤で化学反応を起こし高温の蒸気が袋に充満して、冷たい非常食が温かい非常食になるというものです。

 これらの体験でわかったことは、非常時でも温かいごはんやアレンジ次第で本格的な食事をとることができるようになったことです。非常食だけでなく消費期限が長いものを常備しておくと非常時に安心ということがわかりました。

 

2.防災ゼミ②:防災ゲームDay in そなエリア東京への参加

 そなエリア東京(東京臨海広域防災公園)では、防災ゲームDayというイベントが行われていて、さまざまな防災教育に関するゲームや教材を体験してきました。

 出展されていた作品は展示だけでなく、体験型プログラムも数多くありました。すごろくのようなボードゲーム形式のものや、広い建物内を利用して探索しながらヒントを見つけつつ津波からどう逃げるかといった動き回る形式もあり、楽しく参加しました。

 私は災害に対してあまり深く考えたことはありませんでしたが、そなエリア東京に行って、防災がいかに大事かということを考えさせられました。私が住んでいる場所は海も山もなく、川もそれほど近くないため比較的安全といえる地域ですが、何が私たちの生活を脅かすのかは災害が発生しないとわかりません。最悪の事態を想定して、自分たちにできることを余裕があるときに行うことが大切だと思いました。

 

3.防災ゼミ③:火災時の避難行動をVRで体験

 株式会社嶋屋さんにご協力いただき、火災が起きた時の避難行動をVRで1人ずつ体験しました。火災が起きた時、煙を避け、しゃがんでハンカチを口に当てて避難するという知識や避難経路、誘導灯についての知識が頭にあっても、火災が起きるまで実行することはあまりありません。でもVRを使うことで、実際に火災が起きているような感覚で、誘導灯に従い、避難経路を歩いているような避難行動の体験をすることができました。

 体験中、ハンカチの代わりにコントローラーを口に当ててしゃがみ、時間制限も含めて体験したため、より現実的に感じました。火災時の避難行動だけでなく、恐怖感もリアルに感じました。VRはゲーム感覚で楽しめるため、興味を持ちやすく、体験もしやすいと思います。今回のVR体験を通して、身についた避難行動の知識、災害時の恐怖を体感したことが、今後災害が起きた際の避難行動にとても役立つと思います。

 

4.防災ゼミ④:身近なもので防災グッズを作る

女子大生がよくお世話になっているペットボトルにはさまざまな使い道があります。リサイクルして新たな素材になったり、洗って何度も使い回したり、便利なものです。今回のゼミでは、手軽にできる「ランプシェード」を作ってみました。

 コンセプトとしては、ただ単に懐中電灯のあかりを灯す無機質な避難生活ではなく、暮らしに楽しい明るさをもたらすことを目的として、日常でもおしゃれに活用できるものを目指しました。作り方はペットボトルをカットしてマスキングテープで補強して外側を紙で覆う、たったこれだけでより遠くまで優しいあかりを届けることができます。

 

 自分で防災グッズを作ることで意識を高め、より多くの備えを考えられるようになれたのがこのワークショップの成果でした。

 

5.防災ゼミ⑤:大妻多摩祭での体験型防災ワークショップに向けて

 この日のゼミでは、大妻多摩祭での展示内容について話し合いを行いました。打ち合わせの前半はおおまかな展示内容の案を出し合い、株式会社 嶋屋さんにご協力いただく避難VR体験、防災食の展示と試食、ペットボトル・段ボールを使用した防災に役立つ作品の展示、防災クイズ・ゲームの実施を行うことを決定しました。

 昼食はヒートパックやお湯を準備し、実際の防災食を自分たちで作り、味付けなどを工夫して食べました。そして打ち合わせの後半は文化祭の展示内容ごとに役割を決め、それぞれ作業を進めました。実際に防災ゲームをやってみたり作業を進めていく中で、新しいアイデアが生まれるなど、ワークショップに向けて有意義な話し合いが行われました。

 なお、文化祭は多摩キャンパスにて10月19日(土)に開催されます。「防災と言わない防災」をテーマに、女性ならではの視点で防災を考え直す「体験型防災ワークショップ」と称した展示を行う予定です。ぜひ私たちの活動の成果を体験しに来てください。ゼミ一同、お待ちしています。