卒業論文テーマが査読付き学術誌「新薬と臨牀」に原著論文として掲載

(左から)北嶋さん、櫻井さん
人間文化研究科人間生活科学専攻修士課程2年の北嶋優衣さんが執筆した論文「熟成生姜含有粉末緑茶摂取が若年女性の皮膚表面温度および末梢血流量に及ぼす影響―ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験による検討-」が、医学・薬学に関する研究論文が基礎から臨床まで幅広く掲載されている医学専門誌「『新薬と臨牀』第73巻第6号」(医薬情報研究所出版、2024年6月10日発行)に掲載されます。
同論文は、家政学部食物学科の卒業生(2022年3月)で、現在は同学科の実験助手として勤務する櫻井寧々さんの卒業論文を北嶋さんが推敲したもの。卒業論文で掲げたテーマの研究が査読付きの学術誌に掲載されたのは、櫻井さんが当時所属していた小治健太郎教授のゼミ(食品学研究室)では初めてのことで、今回の掲載で学部生であっても高水準の研究ができることが証明されました。
掲載を受けて、北嶋さんからは「大学院に入学してから、学術論文の執筆に携わる機会を得ることができ、大変貴重な経験となりました。このことが学部生やこれから入学する高校生の興味を惹き、さらなる研究や学術的な取り組みに挑戦していくきっかけとなれば幸いです」、櫻井さんからは「学生時代に励んだ研究が学術論文として世の中に発信され、今までにない達成感を味わうことができました。また、指導をしていただいた先生がトクホ関連の商品開発の経験から、今回の研究成果を活用して、機能性表示食品としての商品化も考えているとのことでしたので、これからも楽しみです」と感想が寄せられました。
また、今回の研究成果は、共同研究先でもある株式会社MOMIKI(宮崎・宮崎市)の商品化に活用していく予定で、同社は「今後、今回の研究成果を生かして機能性表示食品の届け出ができるように取り組んでいきたい」とコメントしています。
■研究概要
近年、冷えを訴える人が増加しており、その原因として、末梢血管の血流障害等が関連していると言われています。今回の研究では、生姜をある一定期間熟成させることでショウガオールを増量することができた熟成生姜含有粉末緑茶を摂取することで、末梢血流量の改善に伴った皮膚表面温度の速やかな回復を確認しました。本研究結果により、熟成生姜含有粉末緑茶の摂取によって、冷えの緩和・改善が認められたことにより、冷えを起因とする身体的・精神的不調緩和にも繋がる可能性が示されたことになります。