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科研費 過去の採択状況 令和5(2023)年度
採択課題一覧
大学
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研究種目等 | 研究課題名 | 研究代表者 | 所属 | 職名 | 研究期間 (年度) |
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基盤研究(B) | ゲーミフィケーション・機械学習を利用した幼児の自己身体認識評価課題の開発と評価ゲーミフィケーション・機械学習を利用した幼児の自己身体認識評価課題の開発と評価鏡を見て鼻を触るとき、見えない身体部位の位置を把握する体性感覚ベースの身体地図が働く。その発達過程の検討は、方法論上の難しさから観察主体でしか行われてこなかった。本研究では、ゲーミフィケーションを取り入れることで、幼児の身体地図の発達を定量的に評価できる新たな課題を開発、評価する。具体的には、自己映像の身体各部位に拡張現実(AR)を用いてマークを表示し、幼児が実物の自己身体に対応づけて当該部位を定位できるかを評価するゲーム様の課題である。 | 宮崎 美智子 | 社会情報学部 | 准教授 | H31~R5 (繰越延長) |
二言語を同時習得する日系国際児の日本語作文力の発達過程の解明二言語を同時習得する日系国際児の日本語作文力の発達過程の解明本研究の目的は、現地語(優勢言語)が異なる国際結婚家族の子どもを対象に、3時点(小2→小4→小6)での縦断的作文調査を行うことにより、継承語(日本語)作文力の発達過程の特徴-「二言語の同時習得が日本語作文力の形成に及ぼす一般的な影響」と「優勢言語や現地校の作文教育による固有の影響」-を解明することである。具体的な課題は、以下の通り。【課題1】ドイツ語を優勢言語とする独日国際児の日本語作文力の発達過程を解明すること。【課題2】中国語(繁体字)を優勢言語とする台日国際児の日本語作文力の発達過程を解明すること。【課題3】台日国際児の日本語作文力の発達過程の特徴と家庭での支援過程との関連を把握するために、台日国際家族における支援過程を具体的に明らかにすること。 | 柴山 真琴 | 家政学部 | 教授 | H31~R5 | |
ファミリービジネスの企業家活動と地域創生に関する実証的研究ファミリービジネスの企業家活動と地域創生に関する実証的研究日本社会は、経済の再生と活性化による地域創生が課題であり、企業家活動によって旧来の制度やビジネスシステムを再構築して新たな価値を創造するイノベーションの創出が必要である。地場産業の仕組みや地域の資源を環境に応じて変換し、価値を創造するには地域で長く存続する中小企業の主流であるファミリービジネスの理論を包含した視座から、地域の変革を一過性ではなく持続させる要因を明らかにする必要がある。本研究は、ファミリービジネスの社会情緒的資産が企業家活動にいかに関連し、その企業家活動が地域創生にいかに貢献するかについて、実地調査を基礎に公表資料を併せて内容分析・テキストマイニングで比較分析を試みて考察する。 CLOSE | 山田 幸三 | 社会情報学部 | 教授 | R2~R5 | |
日本の産婆史料のデジタル化と出産記録に基づく助産の歴史社会学的研究日本の産婆史料のデジタル化と出産記録に基づく助産の歴史社会学的研究本研究は、戦前期の産婆雑誌の収集、助産所に保管されている助産録、日誌等のデジタル化と収集をおこなう。この作業を通じ、産婆・助産婦が果たしてきた役割と実践を位置づけるとともに、日本の出産の記録として保管し、歴史社会学的に評価し位置づけることを目的とする。産む女性と助産者との相互作用によって成立する<正常>な出産を成立させる社会的環境を考察し、それを通して、現代社会の出産環境を捉え直す。本研究によってデジタル化された収集資料を「日本の産婆・助産婦データベース」(仮)として構築する。それを通じ国内外に向けて女性と助産者と研究者が広く活用できる文化資源として整備し、次世代に継承することをめざす。 CLOSE | 大出 春江 | 人間生活文化研究所 | 特別研究員 | R3~R5 | |
経験的概念としての「ポジショナリティ」の発展的研究経験的概念としての「ポジショナリティ」の発展的研究本研究では、帰属集団の相違によって発生する権力関係、意識の齟齬、係争等について、これまで理論的に議論されてきたポジショナリティという概念を用いて分析する。実際に齟齬や係争が発生している事例を調査することにより、経験的な概念としてポジショナリティを再検討し、ポジショナリティに意識的であることが、帰属集団の違いを超えた協働を可能にする条件であることを示したい。そのため、日本と沖縄などの集団関係、ジェンダー、外国人問題、障がい関連の4つの領域で、文献調査、聞き取り調査、アンケート調査を組み合わせた調査を実施する。また日本と韓国でアンケート調査を行い、ポジショナリティに対する意識の国際比較も行う。 CLOSE | 池田 緑 | 社会情報学部 | 准教授 | R3~R6 | |
着衣によるアレルギー症状の誘発機構の解明とかゆみ度の定量化着衣によるアレルギー症状の誘発機構の解明とかゆみ度の定量化着衣により皮膚にアレルギー症状を訴える人が年々増加している。我々は、これまでの研究成果により繊維表面の特性と皮膚への刺激がアレルギー症状発症の大きな要因であることが分かっている。本研究は、抗アレルギー効果が認められている合成繊維であるポリ乳酸と弱酸性ポリエステルを素材に用いて衣服を構成する布帛(繊維)の表面構造を変化させた試料布を調製し、3次元表皮皮膚モデルを使用して皮膚の安全性を評価する。また、試料布の水分率、熱伝率、濡れ特性,ゼータ電位などを調べ、被験者を用いた着用実験により皮膚の抗菌効果、皮膚pH、水分率などの結果からアレルギー症状発症の誘起因子を明らかにする。 CLOSE | 水谷 千代美 | 家政学部 | 教授 | R5~R7 | |
項目反応理論の応用による民族服製作技術文化保存のための最適学習過程の探究項目反応理論の応用による民族服製作技術文化保存のための最適学習過程の探究消失の危機に直面する東南アジア諸民族の伝統民族服の製作技術を後世に残すことが研究目的である。80民族をカバーする民族服製作技術要素を抽出、数量化し、技術要素の難易度がより低いものから順次高い技術要素へと系統的に技術学習プログラムを項目反応理論を利用して形成し、これを実際の教育現場で検証する。本研究では80民族をクラスター化し、クラスターごとに一般化できる民族服製作技術伝承プログラムを提案する。 CLOSE | 下田 敦子 | 人間生活文化研究所 | 准教授 | R5~R8 | |
視線と身体の引き込みによる自己認知発達過程の再記述:質的および量的な縦断研究視線と身体の引き込みによる自己認知発達過程の再記述:質的および量的な縦断研究我々はこれまで乳幼児の自己認識を評価する課題として有名なマークテストを骨格検出と拡張現実(AR)によってクロス・リアリティ(XR)化し、身体表象の評価課題となる側面を見出してきた。本提案では、我々が開発したXRマークテストに視線計測の技術を新たに加え、自己映像、すなわち対象化された自己身体の制御獲得における視線の役割を検討する。さらに、自己像認知に至る前の幼児の、自他像に対する反応や親子遊びの様子を、家庭での動画撮影により縦断的に収集する。自他像に対する身体の使い方の個体内発達を追うことで、自己像認知を視線と身体の引き込みという観点から質的・量的に捉え直す。 CLOSE | 宮崎 美智子 | 社会情報学部 | 准教授 | R5~R9 | |
基盤研究(C) | 后妃・女院の儀礼と生活様態の変容にみる中世上流住宅の復原的研究后妃・女院の儀礼と生活様態の変容にみる中世上流住宅の復原的研究平安時代における打出の舗設について、昨年度に引き続き、文化庁の支援を得て、再現の検討を進め、展覧会を実施した。京都の装束店で、皇后宮寛子春秋歌合(天喜4年(1056) )に参加した春方の女房・信濃の装束の復元を、『栄花物語』『廿巻本類聚歌合』等から色目や文様を検討した。以上の成果を、絵画史料・文献史料・有職故実書等を合わせて、三重県立斎宮歴史博物館で「姫君の空間-王朝の華やぎと輝きの世界へ―」(7月~8月)を実施した。実際に仮設した柱に御簾を垂らし、マネキンに着装した装束を出し、打出を再現した。この過程で、美術史(河田昌之)・国文学(森田直美)・服飾史(伊永陽子)、榎戸由樹・梅澤淳・武田富枝・岸田早苗、民族衣装文化普及協会の協力をいただいた。また、斎宮歴史博物館の古代史の研究者から研究についての多くの知見を得た。 | 赤澤 真理 | 家政学部 | 准教授 | H30~R5 (期間再延長) |
学童期小児における運動器発達と食事・生活状況との関連学童期小児における運動器発達と食事・生活状況との関連区立小学校にて以下の測定・調査項目でインフォームドコンセントを5月に実施した。 | 上杉 宰世 | 家政学部 | 准教授 | H30~R5 (期間延長) |
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中分子量高分子化合物と環境化学物質の複合影響の解析中分子量高分子化合物と環境化学物質の複合影響の解析中分子量範囲(分子量:600~2,000)の高分子化合物の存在が環境化学物質の細胞毒性作用に与える影響について検討し、複合影響の予測手法確立のための新たな基盤形成を目指した。これまでの研究では、SH-SY5Y細胞(ヒト神経芽細胞腫由来)及びCaco-2細胞(ヒト結腸癌由来)を用い、様々な高分子化合物と農薬等の化学物質の共存が細胞の増殖・生存に与える影響について検討を行った。その結果、単独では細胞の増殖・生存に抑制効果を有しない濃度のポリエチレンイミン(PEI, 平均分子量: 600、1,200及び1,800)が、殺菌剤等として使用されるチウラムの細胞毒性を相殺することを明確にした。 | 四ノ宮 美保 | 社会情報学部 | 教授 | H30~R5 (期間再々延長) |
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ジョブコーチの知識及びスキルの明確化と職能評価基準の開発に関する研究ジョブコーチの知識及びスキルの明確化と職能評価基準の開発に関する研究2021年度は、2020年度に実施した「ジョブコーチに求められる知識・スキルに関する質問紙調査」で得られたデータをもとに更なる分析を行い、日本職業リハビリテーション学会愛知大会において、3つに分けて口頭発表を行った。発表(1)「訪問型および企業在籍型ジョブコーチの実情」については、普段行っている業務の上位2つは、訪問型では「就労(職業)相談」「対象者のアセスメント」、企業在籍型ジョブコーチでは「人間関係およびコミュニケーションの向上支援」、「対象者の特性や関わり方、仕事の教え方」であった。必要な知識及びスキルのトップは、訪問型・在籍型ともに、「障害特性に応じた支援」であった。また、職場適応援助者助成金を活用していない者が83%と大多数を占めており、助成金要件としての研修よりも専門性習得のための研修の性格が色濃くなっている状況が伺えた。発表(2)「支援者の所属機関による相違」については、就労移行事業群及び障害者就業・生活支援センター群が、企業群と特例子会社群より行う頻度が多い項目が、「就労(職業)相談」等11項目あった。また、必要とされる知識・スキルについては、特に、就労移行支援群が、企業群と特例群より重視する項目が「障害者の管理とエンパワメントに関する知識」等11項目あった。発表(3)「支援対象者の障害種類による相違」では、主に知的障碍者を対象とした支援と、精神障害者を対象とした支援で顕著な差異が見られなかったことは、調査前の仮説と異なっていた。今後の課題として、職場適応援助者助成金を活用して活動している者と、助成金を活用していない者の差異、就労支援の経験年数による差異など、より詳細な内容の分析が必要と考えられた。 CLOSE | 小川 浩 | 人間関係学部 | 教授 | H31~R5 (期間再延長) |
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独日バイリンガル児の継承日本語での書く力を伸ばす「国語教科書活用法」の開発独日バイリンガル児の継承日本語での書く力を伸ばす「国語教科書活用法」の開発-本研究プロジェクトの目的は、在ドイツ日本語補習授業校(以下、補習校)で学ぶ、独日バイリンガル児の継承日本語での書く力を伸ばす指導方法の開発である。独日バイリンガル児が日本語で文章を書く際の強みである、現地校で身につけた文章の作成スキルや知識を日本語へ転移させ、不足しがちな日本語の表現手段を補う指導方法を開発する。 | ビアルケ 千咲 | 人間生活文化研究所 | 研究員 | H31~R5 (期間延長) |
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ネパールの村落における社会関与型アートプロジェクトと芸術教育ネパールの村落における社会関与型アートプロジェクトと芸術教育新型コロナウィルス感染拡大のために令和3年度の現地調査も実施することができなかったが、継続中のアートプロジェクトの実施と調査資料の収集を現地協力者とのコーディネイトにより進めることができた。そのひとつは、9月にスイスのインターナショナル・スクールと協力して行った栄養価の高いアボカドの苗を植えるプロジェクトである。全校あげてのSDGsプログラムの一環としてムラバリ村における果樹栽培の必要性を伝え、大きなキャンバスにアボカドのイメージを描き、その絵をシンボルにアボカド植樹のための募金活動が生徒主導で行われた。募金によって購入したアボカドの苗は村の斜面にシンボリックな形に植えられ、ひとつのランドアートとして見ることもできる。 | 金田 卓也 | 家政学部 | 教授 | R2~R5 (期間延長) |
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保育者の成長プロセスに応じた専門性向上の機会のあり方に関する研究保育者の成長プロセスに応じた専門性向上の機会のあり方に関する研究本研究は、保育者の専門性開発(発達)の段階、およびそれを区分けする要因を詳しく特定すると共に、保育者に学びの機会を具体的に明らかにし、園組織で実践可能な具体的な手立てを明らかにすることを目指した研究である。 | 坂田 哲人 | 家政学部 | 准教授 | R2~R5 (期間延長) |
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身近な食と連携した新たな体験型の海洋教育「海育(うみいく)」の提案身近な食と連携した新たな体験型の海洋教育「海育(うみいく)」の提案本研究では、生活体験の中の重要な要素の一つである「食」と関係づけ、地域と連携した体験型の海洋教育実践例を提案することを目的としている。具体的には、これまでに活動実績を重ねてきている能登半島の穴水町をフィールドとし、小学生を対象に、地元特産の魚介類を題材とした「うみいくカード」を作成する取り組みを拡充しつつ実施する。さらに、取り組みの成果を検証することを目指し、子どもたちにアンケート調査を実施する。 | 細谷 夏実 | 社会情報学部 | 教授 | R2~R5 (期間延長) |
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戸建住宅市街地の住宅更新における世代間継承と住宅・住環境の管理に関する研究戸建住宅市街地の住宅更新における世代間継承と住宅・住環境の管理に関する研究住宅市街地では、近年、家族による住宅継承が行われず、住宅更新の遅れや空き家・空き室化が顕著となっている。そのため、これまでの市街地更新とは異なる更新過程を明らかにしていく必要がある。本研究では、これらの更新過程を明らかとし、その結果として出現する住環境の実態とその問題について考察するものである。家族による住宅更新・住宅継承の促進および市街地環境面を考慮した市街地整備や建築行為のコントロールのあり方を示すことを目的としている。 | 松本 暢子 | 社会情報学部 | 教授 | R2~R5 (期間延長) |
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地域活性化に資する効果的な農福連携プログラムモデルの構築に関する研究地域活性化に資する効果的な農福連携プログラムモデルの構築に関する研究昨年度、各地域の農福連携の取り組みをまとめ、暫定版のプログラムモデルを作成した。 | 藤本 優 | 人間関係学部 | 助教 | R2~R5 (期間延長) |
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現代台湾文学・映画におけるLGBT文化の影響―ジェンダー表象に注目して現代台湾文学・映画におけるLGBT文化の影響―ジェンダー表象に注目してコロナによる台湾への入国規制により渡航できず、国内で可能な研究活動を行った。研究代表の赤松美和子は、日本台湾学会第23回学術大会(オンライン、2021年5月30日)で、分科会「予定調和のためのジェンダー・ポリティクス―1950年代のラジオ放送および近年のLGBTQ映画日本」を企画し、赤松が「台湾LGBTQ映画における子どもをめぐるポリティクス」、分担者である張文菁が「1950年代台湾語ラジオ放送にみる語りと歌謡曲の融合--洪徳成『美麗的情仇』と『愛的聖典』」を報告した。9月に、オンラインシンポジウム「LGBTQ映画と社会-日本の研究と台湾への接近の可能性」を主催し、クィア・スタディーズ、アメリカ映画を専門とする菅野優香、クィア・スタディーズ、日本映画を専門とする久保豊を講演者に迎えた。『台湾を知るための72章』( 明石書店 2022年3月)を若松大祐と共編で刊行し、文学、映画について概説した。 | 赤松 美和子 | 比較文化学部 | 教授 | R2~R5 (期間延長) |
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中国「元代」茶詩の全収集と解析研究中国「元代」茶詩の全収集と解析研究本研究は元代の茶詩を網羅的に収集し、元代茶詩全集をまとめた上で、茶詩の解析により、元代茶文化の全貌を解明することを目的とする。上記目的達成のため、本研究は下記の二段階で実施していく。 | 徳泉 方庵 | 国際センター | 教授 | R2~R5 (期間延長) |
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学校における児童生徒の突然死の実態解明と発生予防に向けた疫学研究学校における児童生徒の突然死の実態解明と発生予防に向けた疫学研究本研究は、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付のデータと総務省消防庁の全国救急蘇生統計とを結合し、我が国の学校管理下で起こる院外心停止の発生状況から予後までの全体像が把握できるデータベースを構築し、分析を行うものである。 | 清原 康介 | 家政学部 | 准教授 | R2~R5 | |
都市の公共空間の利用のための風速と体感の関係と風に関するソーシャルマップの試作都市の公共空間の利用のための風速と体感の関係と風に関するソーシャルマップの試作都市の公共空間の利用と都市の再開発計画のための風速と体感に関する基礎データを整備するとともに、都市の公共空間の利活用への展開を目標とした風に関するソーシャルマップを試作することが本研究の目的である。 | 白澤 多一 | 社会情報学部 | 教授 | R2~R5 | |
分散型電源によるマイクログリッド構築のための社会的相互作用とビジネスモデルの研究分散型電源によるマイクログリッド構築のための社会的相互作用とビジネスモデルの研究近年、地球温暖化対策や電力供給の安定化のために、再生可能エネルギーなどの分散型電源の普及と活用が重要課題となっている。本研究では、分散型電源を効率的に普及させ、災害に強い電力インフラの整備を実現するビジネスモデルとは何かを解明する。そのため、分散型電源の導入と運用管理に影響する社会的相互作用や社会経済要因を特定し、分散型電源の普及に最適なビジネスモデルの立案と効果の実証実験を行うことを予定している。 | 桑島 由芙 | 社会情報学部 | 准教授 | R2~R5 | |
拡張した節構文の意味及び構文的知識の言語理解過程に果たす役割に関する研究拡張した節構文の意味及び構文的知識の言語理解過程に果たす役割に関する研究本研究は、実際に使用される容認性の低い文の意味を、母語話者がどのように意味理解するかについて、母語話者の「構文」に関する文法的知識の観点から明らかにしようとするものである。特に節を含む種々の構文を実例観察することにより、柔軟な文の意味理解の過程と文法的知識との関係を明らかにしようとしている。 | 天野 みどり | 文学部 | 教授 | R2~R6 | |
小学校教員のための「教科としての英語」指導研修プログラム開発小学校教員のための「教科としての英語」指導研修プログラム開発2020年度から実施されている新学習指導要領では小学校5・6年生に「教科としての英語」指導が求められ、児童に英語の4技能の力を身につけさせる必要がある。多くの小学校教員は英語力不足・指導力不足に直面していると同時に、早期英語教育指導者に必要な第二言語習得に関する知識も不足している。 | 服部 孝彦 | 英語教育研究所 | 教授 | R3~R5 | |
ミャンマー連邦共和国基礎教育学校における平等性と卓越性に関する実証研究ミャンマー連邦共和国基礎教育学校における平等性と卓越性に関する実証研究令和3年度は、ミャンマーの基礎教育学校における、学力の大きな要因である基本的な学習環境の地域間格差の分析に加え、平等性と卓越性の指標となる学力に関して、以下の2つの詳細な研究を行った。 | 牟田 博光 | 人間生活文化研究所 | 特別研究員 | R3~R5 | |
オンライン実験で活用できる教育用IoT機器の作製とその波及効果についてオンライン実験で活用できる教育用IoT機器の作製とその波及効果についてすでに温度、湿度、気圧、酸素濃度、二酸化炭素濃度、照度計の6種類のセンサを搭載した教育用のキットは出来上がっている。実験内容によって必要なセンサを接続することで、簡単に計測できる。令和3年度では、誰でも簡単に計測できるように、目視によってデータを確認するレベルシステムである。今後は、世界的な半導体不足をどのように対処するかにかかっている。さらにネットによるメリットとデメリットのバランスと考慮しながら、実験を積み重ねて行くことが、涵養ではないかと考えている。 CLOSE | 高橋 三男 | 家政学部 | 教授 | R3~R5 | |
環境DNAを用いた魚類多種同時遺伝的多型分析法の開発と淡水魚類メタ群集研究の実践環境DNAを用いた魚類多種同時遺伝的多型分析法の開発と淡水魚類メタ群集研究の実践本研究の目的は、魚類における環境DNAメタバーコーディング法として広く用いられているMiFish法を基盤とした魚類遺伝的多様性評価手法を開発することであり、そのために、(1)DNA配列増幅(PCR)条件の最適化および(2)増幅された変異配列のエラーを取り除くデノイジング手法の検討をおこなう。 | 小関 右介 | 家政学部 | 准教授 | R3~R6 | |
旧英領カリブの多文化共生を実現する少数派としての白人性とその構築過程の解明旧英領カリブの多文化共生を実現する少数派としての白人性とその構築過程の解明研究初年度の2021年は、当初の研究計画、すなわち旧英領カリブ地域のトリニダードとバルバドスにおける白人性構築に影響を与えている要素を明らかにすること、を中心に研究を進めた。白人性とは時と場所により異なる意味を持つ流動的な概念であり、多くの場合、非白人に対する根拠のない差異と優越性の信仰、社会的・経済的特権を含意する白人の意識を指す。研究初年度に計画していたトリニダードとバルバドスにおけるヨーロッパ系市民を対象とした現地聞き取り調査は新型コロナウィルス感染拡大のため、現地渡航が叶わず、次年度以降に実施延期とした。現地で収集予定であった一次資料を研究協力者に収集依頼し、新たに貴重な資料を入手することができた。その文献調査に基づき、先行研究時に入手した「語り」の再分析を行ったところ、主な研究成果は以下のとおりである。 | 伊藤 みちる | 国際センター | 准教授 | R3~R6 | |
読解を経由する記述力向上プログラムの実証的研究読解を経由する記述力向上プログラムの実証的研究本研究は、文章を正確に読み解き、目的や所与の条件等に応じて的確に記述する、「読解を経由する記述力」の向上を図ることを実証化して示すものである。 | 樺山 敏郎 | 家政学部 | 教授 | R4~R6 | |
『竹取物語』を中心とした9世紀文学圏における仏教受容の研究『竹取物語』を中心とした9世紀文学圏における仏教受容の研究物語文学の誕生について明らかにするためには、現存最古の物語である『竹取物語』の典拠の徹底的な調査が必要となる。特に、『竹取物語』成立のための必須の教養であった仏教の受容に関する研究は不可欠といえる。 | 久保 堅一 | 文学部 | 教授 | R4~R6 | |
最新科学データを用いた立体天文教材の開発最新科学データを用いた立体天文教材の開発学校教育では、天文学の最先端の科学成果についてほとんど触れられていない。最新の研究成果を基に、児童・生徒に宇宙の中の我々の位置を理解させることができれば、人類と地球の持続可能性を宇宙的視点から考えさせることも可能である。本研究では、教員志望の学生を対象に、最新の天文学データに基づく教材を作成する。 CLOSE | 下井倉 ともみ | 社会情報学部 | 准教授 | R4~R6 | |
バーチャルリアリティ体験の事後効果を活用したパフォーマンス発揮に関する研究バーチャルリアリティ体験の事後効果を活用したパフォーマンス発揮に関する研究人はVR体験中に行動や思考が変化する影響を受ける.ユーザがその影響を活用してVR体験後の行動(デスクワークなど)に対するパフォーマンス(作業速度など)を適切に発揮できるのではないかと考えた.本研究の目的は,VR環境での体験から受ける影響を活用し,ユーザが体験後の行動におけるパフォーマンスを適切に発揮できるようにすることである.パフォーマンス発揮の促進刺激として,モニタ視聴・VR視聴・VR体験などの刺激を提示し,その後のパフォーマンスへの影響の違いを明らかにする. CLOSE | 磯山 直也 | 社会情報学部 | 専任講師 | R4~R6 | |
ギリシア神話に回収されるキリシタン:近世擬古典ラテン語文学における日本の受容ギリシア神話に回収されるキリシタン:近世擬古典ラテン語文学における日本の受容近世ラテン語文献は大量の学界未見史料が世界各地に散在しているが、本研究はその内、日本情報をギリシア・ローマ神話と融合させ受容している諸作品を扱う。具体的には1628年スペインで刊行された金羊毛伝説とザビエルおよび日本人殉教者達を重ねた書籍1点と、ほか17~18世紀中東欧で作成されたギリシア・ローマ神話の神々が登場する英雄叙事詩や古典劇の形式で日本宣教史を語った2点のラテン語作品を調査し、内容、日本情報の同定や伝達の経緯、成立の文脈を明らかにする。 CLOSE | 渡邉 顕彦 | 比較文化学部 | 教授 | R4~R6 | |
化学と環境・歴史・倫理の融合を目指した教育コンテンツの開発と実践化学と環境・歴史・倫理の融合を目指した教育コンテンツの開発と実践環境を含む科学技術政策等の意思決定に参加する市民には、地球環境に配慮し且つ過去の化学兵器の利用等による化学の負の側面への理解を深めた人間性と高い倫理観が求められる。一方で、急激に変化する社会情勢に対応できる市民の育成手法として、文理が融合した統合的な思考力を修得するための教育が重要視されている。本研究では、化学を軸に環境、歴史、倫理、法律などへのつながりを示した大学教養科目レベルの教育コンテンツを開発し、授業や市民公開セミナーなどにて実践使用する。また、探究型授業を行う上での研究倫理に関する教育コンテンツを開発し、これらの普及・浸透に向けての活動を行う。 CLOSE | 四ノ宮 美保 | 社会情報学部 | 教授 | R4~R7 | |
近代日本における洋式製本の移入と定着近代日本における洋式製本の移入と定着本研究は、日本に洋装本が登場してから定着するまでの19世紀後半から20世紀初頭までを範囲として、書物製作の技術と書物に対する意識の変遷を関連付けつつ、近代日本の洋式製本移入史を構築することを目的とする。具体的には、①解体調査を含めた書物の実物調査によって、洋式製本移入期の技術的な実態と日本における技術的展開の過程を明らかにする。②製本語彙の語彙史的調査および書店の目録や出版広告の調査を行うことによって、洋式製本移入に伴う職人・書肆・読者における書物の用法や書物観の変容を明らかにする。③官民の初期洋装本刊行の出版史的な調査を①と接続することによって、洋式製本の移入と展開を歴史的に跡づける。 CLOSE | 木戸 雄一 | 文学部 | 教授 | R5~R7 | |
仮名本『曽我物語』後期本文の劇文学としての萌芽仮名本『曽我物語』後期本文の劇文学としての萌芽『曽我物語』の作品世界は、非常に伝承性が強く、真名本、訓読本、仮名本それぞれに、本文が整えられていった時代や地域特有の伝承世界を投影している。そして本作品が後代の作品、文化に与えた影響は大きく、様々な領域へ広がりを見せる作品である。特に、仮名本『曽我物語』出現の背景には、歴史の「物語化」と「大衆化」があると考えている。そこには、物語の劇化が進んでいくために普遍的な展開があると考えられる。人々が物語に求めるものはなにか、そして物語本文はどのようにそれに応えていったのか、という点を明らかにしようとするものである。 CLOSE | 小井土 守敏 | 文学部 | 教授 | R5~R7 | |
民生委員の活動意欲向上および負担感緩衝に向けたネットワーク構築プログラムの検討民生委員の活動意欲向上および負担感緩衝に向けたネットワーク構築プログラムの検討本研究では、地域福祉の重要な担い手である民生委員への質的研究をもとに、民生委員活動における社会的ネットワークの形成プロセスを明らかにする。また、質的研究および先行している量的研究の結果をもとに、民生委員のネットワーク拡充のための支援策を検討し、民生委員や関係する専門職を対象に実施、効果評価する。本研究により、民生委員活動における意欲向上・負担感緩衝に効果的な民生委員の社会的ネットワークの様態と、その形成・拡充に向けたプログラムの効果を示す。 CLOSE | 飛田 和樹 | 人間関係学部 | 専任講師 | R5~R7 | |
日本人の共生意識に基づいた子育て・子育ちのための共生型集住に関する研究日本人の共生意識に基づいた子育て・子育ちのための共生型集住に関する研究本研究は居住者のニーズに合わせて柔軟に協力関係をつくる共生型集住(コウハウジング)を研究対象として、日本および海外の先進事例の実態を日常の生活行為の共同性と集住形態の対応関係から分析し、日本人の子育て世代の共生意識に基づく、子育て・子育ちのためのゆるやかな共生型集住の複数パタンを提案する。 CLOSE | 大橋 寿美子 | 社会情報学部 | 教授 | R5~R7 | |
モバイル顕微鏡を用いた新たな海洋教育実践例の提案モバイル顕微鏡を用いた新たな海洋教育実践例の提案本研究では、初等教育において、学校内の授業で取り入れることができ、かつ子どもたちが主体的かつ体験的に取り組むことのできる新たな海洋教育実践例を構築し、海洋教育の裾野を広げていくことを目的とする。 | 細谷 夏実 | 社会情報学部 | 教授 | R5~R7 | |
「お家で観察」を「皆一緒に」で充実させる!オンライン星空観察会を伴う天体学習新案「お家で観察」を「皆一緒に」で充実させる!オンライン星空観察会を伴う天体学習新案初等中等教育の現場は、子ども一人に一台端末の整備が完了し、タブレット端末を持ち帰り家庭で学習する効果についても期待されている。そこで本研究では、夜間自宅での観察が求められる「星の動き(4年)」の単元で、タブレット端末を用いた新しい星空観察の方法を構築する。 | 木村 かおる | 家政学部 | 准教授 | R5~R7 | |
再生可能エネルギーとモビリティの効率的接続に関する制度設計の経済学的研究再生可能エネルギーとモビリティの効率的接続に関する制度設計の経済学的研究本研究では、エネルギー消費効率の改善や環境負荷の低減を目的として、太陽光発電と蓄電池、電気自動車を統合したシステムの普及を促進する税制や料金体系、規制とは何かを解明する。その際、消費者が現在と将来の費用をどのように評価するのかに着目し、導入段階の補助金と運用段階の税制のどちらが普及に効果的なのかを実証的に分析する。そして、長期的な視点に立った普及政策の効果を反実仮想シミュレーションにより検証する。 CLOSE | 荒川 潔 | 社会情報学部 | 教授 | R5~R8 | |
台湾表象としての「白色テロ」―2017年移行期正義促進条例を画期として台湾表象としての「白色テロ」―2017年移行期正義促進条例を画期として台湾では、白色テロ期(1947-87年)に、言論の自由が厳しく制限され、政治犯とされた多くの人々が投獄、処刑された。白色テロは、80-90年代にかけて文学や映画に描かれ、負の歴史として記憶化されてきた。だが2017年の移行期正義促進条例公布以降、エンターテイメントの素材となり、重要な台湾文化表象だとみなされていく。 | 赤松 美和子 | 比較文化学部 | 教授 | R5~R8 | |
冷戦期、太平洋地域におけるアメリカ軍事・民間航空政策に関する研究冷戦期、太平洋地域におけるアメリカ軍事・民間航空政策に関する研究本研究は、1945年から1974年の「フライ・アメリカ法」成立までの太平洋地域おけるアメリカ航空政策を考察することを目的としている。「フライ・アメリカ法」とは、アメリカ政府関連で海外に渡航する場合に、アメリカ合衆国の航空会社を使わなければならないというもので、アメリカ政府が標榜してきた自由競争に反するような政策である。なぜこのような法律が制定されたのかを明らかにするために、本研究は、アメリカ政府による民間航空会社の軍事動員とその解除がもたらしたアメリカ民間航空会社の苦境と、それに対する日本航空の競争力の強化について研究するものである。 CLOSE | 高田 馨里 | 比較文化学部 | 教授 | R5~R8 | |
古代中世宮廷女性の生活空間と儀礼-舗設の復原と後世における伝承過程-古代中世宮廷女性の生活空間と儀礼-舗設の復原と後世における伝承過程-代表者は、11世紀から13世紀頃を中心に、女性が参加した儀礼と生活の空間、舗設の復原的研究を推進する。特に、打出・几帳・御帳などの使い方を分析する(赤澤)。 | 赤澤 真理 | 家政学部 | 准教授 | R5~R8 | |
高齢者の下部尿路症状を予測する遂行機能評価と介入法の開発高齢者の下部尿路症状を予測する遂行機能評価と介入法の開発本研究は、介護者・要介護者双方にとって心身の負担が大きい排泄に係る問題(下部尿路症状:Lower Urinary Tract Symptoms:LUTS)に焦点を当て、一般高齢者から要介護高齢者を対象に排泄自立の維持に有効な評価および介入法の開発を目指す。そのために、申請者が既に見出している(1)LUTSを予測する遂行機能評価とその応用可能性の追検討および排泄問題の実態調査、客観的な裏付けを得るための(2)MRIによる脳画像解析を駆使したLUTSの高次神経基盤の解明、そして、以上(1)(2)の成果を踏まえた(3)排泄自立へ向けた介入プログラムの作成および介入法の検証を5ヵ年計画で行う。 CLOSE | 原野 かおり | 人間関係学部 | 教授 | R5~R9 | |
挑戦的研究(萌芽) | 車両用座席シートの審美的快適性の研究―白色化防止座席シート開発への提言―車両用座席シートの審美的快適性の研究―白色化防止座席シート開発への提言―車両用座席シートの白色化が生じるメカニズム解明と白色化を防止することで座席シートの審美的快適性を求めることを目的にしている。 | 平井 郁子 | キャリア教育 センター | 教授 | H31~R5 (期間再延長) |
若手研究 | 戦後日本社会における和服の歴史社会学的研究戦後日本社会における和服の歴史社会学的研究本研究では戦後日本社会における和服ないし着物の具体的な形象の変化とともに、この変遷が人間と衣服の関係性をめぐる理論的な意味について考えることを目的としている。 | 小形 道正 | 家政学部 | 専任講師 | H30~R5 (期間再延長) |
ショールーマーとリバース・ショールーマーのアパレル商品情報の探索と購買行動の研究ショールーマーとリバース・ショールーマーのアパレル商品情報の探索と購買行動の研究本研究では、アパレル商品を購買するショールーマーとリバース・ショールーマーの購買行動を解明することを目的とし、以下の3つのテーマにて実証分析を行うことを計画した。(1)研究テーマ1:アパレル商品を購買するショールーマーとリバース・ショールーマーの行動プロセスと購買行動傾向の研究、(2)研究テーマ2:対象消費者の満足度を高める情報内容の研究、(3)研究テーマ3:対象消費者に影響を与えるビジュアル・マーチャンダイジング(VMD)の研究である。当該年度においては、上記3つの研究テーマに取り組んだ。まず、研究テーマ1では、ショールーミングあるいはリバース・ショールーミング購買した消費者(1,460名)を対象として2022年2月にアンケート調査を実施した。そして、SNS等の外部情報についてのアンケート調査(研究テーマ2として)、及びVMDに関するアンケート調査(研究テーマ3として)を、研究テーマ1の調査に合わせ、調査対象者も同一として行った。尚、3つの研究テーマ共に仮説を立ててアンケート調査を行い、その結果については、主として共分散構造分析と回帰分析の手法にて分析を行った。本実証分析により、コロナ環境下でのリアル店舗とネット店舗をめぐる、対象消費者の情報探索行動や知覚リスク低減行動を含む購買性向等についての理解を深めることが出来た。特に、これまでの3年間の調査結果を比較考察することで、コロナ環境下での購買行動の変化を理解することが出来た。本研究成果は、消費者行動研究、マーケティング研究面等への波及的な貢献だけでなく、企業のマーケティング実務面にも貢献出来るものと言えよう。 CLOSE | 吉井 健 | 家政学部 | 教授 | H31~R5 (期間再延長) |
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公民権運動期以降のアフリカ系アメリカ文学における身体的経験としての痛みと親密性公民権運動期以降のアフリカ系アメリカ文学における身体的経験としての痛みと親密性昨年度の研究ではおもに、Morrison文学における<癒し>の神秘主義的意味合いについて考察した。JazzやParadiseなどの作品において、Morrisonはキリスト教の異端的神秘主義思想であるグノーシス主義の文書を引用している。先行研究ではこの宗教的文書の政治的解釈がなされてきたが、本研究ではむしろ、Morrison文学が政治を超越しようとしていた可能性を探っている。魔術的リアリズムと称されることもあるMorrisonの作品世界において現実は、客観的・物質的な境界線を引けるような経験ではなく、個人の主観的な意識にかかわる無限の可能性として広がっている。特にSula, Paradise, Loveなどの作品においてはきわめて明白に「あの世」の存在が示されており、そうした現実の複層性が認識されているからこそ死者の蘇生を含むような<癒し>の表象が可能となるのだというひとまずの結論に至った。 | 石川 千暁 | 文学部 | 専任講師 | H31~R5 (期間再延長) |
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不況の知覚が内集団の範囲を狭めて曖昧成員への攻撃を促進するプロセスの解明不況の知覚が内集団の範囲を狭めて曖昧成員への攻撃を促進するプロセスの解明昨年度は一昨年度までに続き、資源不足が内集団の狭隘化を導くプロセスを検討した。具体的には、「資源不足はゼロサム信念の高まりを介して内集団の範囲を狭める」という仮説を検証した。 | 竹部 成崇 | 文学部 | 専任講師 | H31~R5 (期間再延長) |
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学校建築の社会学的研究学校建築の社会学的研究今年度は、これまでの研究蓄積が一定量のものになったと判断し、研究成果を学術書にまとめる一年になった。これまでに検討してきたのは、本研究のメインテーマである学校建築に加え、それと同種のアクティビティを誘発する仕掛けを備えるオフィスデザインおよび公共空間デザインだが、このように異なるビルディングタイプを一貫した観点のもとに比較分析するため、年度の前半は建築学の蓄積および社会学・人類学における建築研究の蓄積を参照し、整理していく作業にあてられた。この作業のなかで、当初念頭に置いていたアクターネットワーク理論という理論枠組のメリットとデメリットが改めて吟味され、本研究の遂行にあたっては、アクターネットワーク理論を標榜することのデメリットが大きい(用いることの認識利得よりも、それを用いたことへの批判が大きい)と判断され、その結果ミシェル・フーコー中期の権力論を参照する方針に改められた。年度の後半は次のようなコンセプトが掲げられた学術書の執筆にあてられた。「自発性を育む学校、アイデアが生まれやすいオフィス、さまざまな人々がかかわり、にぎわう公共空間。私たちが日常的に利用する空間は今日、どのような問題意識と希望のもとでどのように設計され、私たちのふるまいや心理にどのような影響を与えようとするものなのか。フーコー派社会学の立場による学校建築・オフィスデザイン・公共空間デザインの分析から、現代的建築空間が創出するハイブリッドな『主体性』のあり方を明らかにする」。 CLOSE | 牧野 智和 | 人間関係学部 | 准教授 | H31~R5 (期間延長) |
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近世日朝通交システムの「終焉」-対馬藩朝鮮通詞の視点から近世日朝通交システムの「終焉」-対馬藩朝鮮通詞の視点から本研究課題で追究する近世から近代への日朝外交システムの変容/継承について、昨年度に引き続き、近世日朝間の外交折衝事案の検討をすすめた。19世紀前半に計画されながらも実現しなかった朝鮮の外交使節の招聘交渉を取り上げ、日本(幕府・対馬藩)・朝鮮王朝に関する文献・史料を照らし合わせながら、日朝双方の視点から研究を進めた。また、日朝を行き来する人やモノに着目して近世から近代へと広く視野をとり、日朝外交システムの連続性/非連続性をとらえようと試みてきた。 | 酒井 雅代 | 比較文化学部 | 専任講師 | H31~R5 (期間延長) |
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訪問介護事業所における利用者からのハラスメントの要因分析訪問介護事業所における利用者からのハラスメントの要因分析介護福祉職は利用者と接する機会の多い専門職である。利用者の介護、心身のケアを中心に行う専門職のため、他職種と比較し、利用者と接する機会が非常に多い。機会が多くなると、高齢者の認知症症状や、障がいのある方の症状による暴言や暴力といったハラスメントを受けやすい専門職であるといえる。本研究では、そのような介護福祉職に焦点を当て、利用者からのハラスメントの対策に必要なハラスメント誘因要因を分析することとしている。また、対象として、施設の介護福祉職に比べ、より密室での被害を受けやすいと考えられる訪問介護事業所を中心にハラスメントの実態調査と対策について検討する。 | 古市 孝義 | 人間関係学部 | 助教 | R2~R5 (期間再延長) |
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推論主義に基づく統計教育の改善に向けた基礎的研究推論主義に基づく統計教育の改善に向けた基礎的研究本申請研究の目的は,推論主義の視座から現在の統計教育の問題点を考察するとともに,それを改善するアプローチを開発して提案することである。推論主義は統計教育改善のための有望な哲学として注目されているが,具体的にどのように改善し得るのかまではまだ研究がなされていない。問題点の特定とその改善のためには,推論主義についての深い理解が必要になる。 | 大谷 洋貴 | 家政学部 | 専任講師 | R2~R5 (期間延長) |
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事実婚・内縁の生活史調査による戦後家族史研究事実婚・内縁の生活史調査による戦後家族史研究本研究では、生活史という質的調査法を用い、事実婚・内縁に焦点を当てて、日本社会における家族・結婚規範の様相を明らかにすることを目的に調査を進めてきた。本研究は、文書資料と口述資料を組み合わせた総合的な事実婚の戦後史を描こうという試みであり、初年度である2021年度は、特に事実婚当事者に対して生活史の聞き取り調査を中心的に実施した。 | 阪井 裕一郎 | 人間関係学部 | 准教授 | R3~R5 | |
1980-90年代を通じたレンタルビデオ店の生成・普及をめぐる歴史社会学的研究1980-90年代を通じたレンタルビデオ店の生成・普及をめぐる歴史社会学的研究本研究の目的は、定額制動画配信プラットフォーム(Netflix、Amazon Prime Video等)の隆盛を背景に姿を消しつつあるレンタルビデオ店を対象として、そのメディア文化史的意義を明らかにすることにある。加えて、レンタルビデオ店と定額制動画配信プラットフォームの間にあるメディア文化史的な連続性に光を当てることも目指される。こうした観点から初年度にあたる2021年度は、レンタルビデオ関連雑誌の収集、レンタルビデオ店へのフィールドワークを行った。 | 近藤 和都 | 社会情報学部 | 准教授 | R3~R6 | |
ポスト#MeToo時代におけるジャーナリズム―メディア労組の取り組みを中心にポスト#MeToo時代におけるジャーナリズム―メディア労組の取り組みを中心に本研究は、#MeTooをきっかけとした「ポスト#MeToo」時代のジャーナリズムの変容を、メディア労組を中心とした議論と取り組みに注目し、実証的、理論的に考察し、東アジア地域の日韓における変容を比較社会的に考察することである。2021年度は、その準備段階として、日本のメディア関連労組の整理とともに労組におけるジェンダー関連の取り組みについて歴史社会的に研究することを目標としていた。 | 李 美淑 | 文学部 | 准教授 | R3~R7 | |
日本文学に描かれた捕虜(POW)の通史的研究:国際法とレイシズム問題を中心に日本文学に描かれた捕虜(POW)の通史的研究:国際法とレイシズム問題を中心に本研究では、研究活動スタート支援「「法と文学」の基礎的研究:日本近現代文学のなかの戦争裁判」(課題番号:19K23052)に継続しつつ、日本文学に描かれた戦争捕虜(POW)にさらに焦点を当てて進めることを目的としている。日本文学描かれた捕虜を通志的に研究するにあたって、日本文学が国際法やレイシズム問題をどう取り上げているのかを重点的に研究する。したがって、研究成果は、前の研究課題の最終年度と時期的にも内容的にも重なる部分がある。今年度の最も重要な企画は、BC級裁判で特に問題になった捕虜への待遇や国際法の理解を、文学作品がどう描いたのかを研究するための第一歩として、2021年12月19日にシンポジウム『日本文学から考えるPOW・国際法・レイシズム』を開催したことである。このシンポジウムは、文学研究者のみならず、POW研究の専門家である内海愛子先生をコメンテーターとして迎えることができ、戦争捕虜を描いた文学が形成する主題のなか、とりわけ国際法への理解とレイシズムの問題がいかに重要であるかを再確認することができた。そこで概観的に「日本文学のなかの戦争捕虜」という題で研究発表も行い、今後の研究の基盤となるような問題意識を共有することができた。継続する課題としては、戦争責任や戦時性暴力といった問題を女性文学の観点から考える研究発表も二回行った。(「現代韓国の女性文学における歴史/法の担い手たち-李琴峰『彼岸花が咲く島』に触発されて-」 (『研究会:現代女性文学における法・制度への眼差し』)同志社大学烏丸キャンパス、 2021年9月6日 および、「沈黙を記載した現代史――キム・スム『聞き取りの時間』(2021)を中心に――(『第9回 東アジアと同時代日本語文学フォーラム』) 2021年10月16日)。 CLOSE | 金 ヨンロン | 文学部 | 専任講師 | R3~R7 | |
アパレルを対象としたD2Cショッパーの情報探索と購買行動の研究アパレルを対象としたD2Cショッパーの情報探索と購買行動の研究近年、リアル店舗を持たないメーカーがネット店舗経由で直接消費者に販売するビジネス、すなわちD2C(Direct to Consumer)事業が活況を呈している。本研究では、D2Cのネット店舗にてアパレルを購買する消費者(D2Cショッパー)の知覚リスク低減に影響を及ぼす情報内容やその購買行動を体系的に整理・解明すると共にD2Cに取り組む企業、特に国内の縫製メーカーに向けたマーケティング施策の提案をすることを目的とし、実証研究を行う。本実証研究では、複数の企業が運営するネット店舗やSNSを対象とした分析、連携するリアル店舗調査、そして調査会社を経由したインターネットでのアンケート調査等を行う。 CLOSE | 吉井 健 | 家政学部 | 教授 | R4~R6 | |
オーストラリア文学は英米でどう受容されたのか?-19世紀末から20世紀初頭までオーストラリア文学は英米でどう受容されたのか?-19世紀末から20世紀初頭まで本研究では19世紀末から20世紀初頭に的を絞り、イギリスとアメリカでオーストラリア文学がどのように受容されたのか考察する。一方の国で売れ行きを伸ばした書物が、他方の国では、出版を拒否されたケースが存在しており、オーストラリア文学に対して英米が示した「異なる態度」の原因を明らかにすることを目指す。この問題を考えることは、当時のイギリスやアメリカを特徴づける文化的・時代的な様相を、「北半球の外」から捉えなおす営為であり、それは南半球との関係という視点の弱い、世紀転換期の英米のモダニズム研究に新たな方法論を提示することにつながるため、学術的意義があると考える。 CLOSE | 加藤 彩雪 | 比較文化学部 | 専任講師 | R4~R8 | |
米粒内部の糊化の可視化・定量化に基づく新しい米飯評価方法の確立と食感制御への活用米粒内部の糊化の可視化・定量化に基づく新しい米飯評価方法の確立と食感制御への活用食感は米飯の美味しさを決める重要な因子で澱粉の糊化状態の影響を受ける。炊飯による澱粉の糊化は,米外周部から内部に向けて進行するため,炊飯過程の粒内糊化状態は均一ではない。申請者は一粒を機器で一定厚さに圧縮した米飯粒の顕微鏡観察による画像解析情報から,粒内部の性状を評価する手法(圧縮米飯粒法)を独自に考案した。本研究では,糊化度と相関性の高い画像解析条件を見出し,米粒内の糊化の進行や不均一さなど,炊飯過程から炊飯後までの一連の変化を可視化・定量化する新しい方法を確立する。さらに,圧縮米飯粒法で取得した糊化情報と米飯食感の関係を明らかにする。 CLOSE | 大田原 美保 | 家政学部 | 教授 | R5~R7 | |
教科・科目横断的な統計教育の実現に向けた基礎的研究:教科書分析を通して教科・科目横断的な統計教育の実現に向けた基礎的研究:教科書分析を通して統計的知識は様々な教科・科目で現れるものの,それらの関連付けはほとんど図られておらず,一貫性のない統計教育カリキュラムになっている。本研究は,教科・科目横断的な統計教育の実現に向けた基礎的研究として,次の3つの問いに取り組む:1. 各教科・科目ではどのような統計的な知識や活動がどのように位置づいているか,2. 各教科・科目で扱われる統計的な知識や活動にはどのような特徴があるか,3. 各教科・科目の統計的な知識や活動をどのように関連付けることができるか。 CLOSE | 大谷 洋貴 | 家政学部 | 専任講師 | R5~R7 | |
近世後期の日朝外交―幕府対外政策の統合的理解―近世後期の日朝外交―幕府対外政策の統合的理解―幕府の対外関係の関心が欧米列強へと移り、「日朝外交への関心を失った」ように見える近世後期を対象にして、 | 酒井 雅代 | 比較文化学部 | 専任講師 | R5~R8 | |
里親家庭の子どもの支援に関する包括的研究里親家庭の子どもの支援に関する包括的研究本研究は、2016年の児童福祉法改正等により、様々な政策が進められてきている里親制度における子ども支援に着目した研究を行う。これまで国内の里親支援に関する研究や実践は主に里親に対する支援が中心であり、里親家庭の子どもの支援の検討は十分に行われていない。本研究において、国内外の他分野や他領域で行われている子ども支援の取り組みを調査し、里親家庭で生活した経験者へのインタビュー調査をすることによって里親家庭の子どもの必要な支援を明らかにすることを目的とする。多角的な視点から子ども支援を俯瞰することにより、他領域の支援を里親家庭の子どもの支援に応用し新たな支援方法を明らかにすることを目指す。 CLOSE | 山本 真知子 | 人間関係学部 | 准教授 | R5~R8 | |
研究活動スタート支援 | 度量衡から見るベトナムの植民地統治及び社会構造とその地域性度量衡から見るベトナムの植民地統治及び社会構造とその地域性本研究は、フランスによるベトナム植民地統治の実態、植民地期ベトナムの社会構造や地域性について、度量衡(計量器、計量単位)の観点から分析・解明するものである。2021年度は、2020年度に引き続き海外渡航が難しい状況が続き、文献資料調査を含む現地調査を行うことができなかった。 | 関本 紀子 | 文学部 | 専任講師 | H31~R5 (期間再々延長) |
メディア経験・実践論に基づくメディア記憶の構築過程の分析と太平洋戦争の記憶メディア経験・実践論に基づくメディア記憶の構築過程の分析と太平洋戦争の記憶本研究では、人々の経験や実践の多くがマス・メディアやソーシャル・メディアを経由する現代社会において、メディア経験・実践による集合的記憶(過去の出来事に関する社会的に共有されたイメージ)の構築過程を明らかにする。 | 佐藤 信吾 | 社会情報学部 | 専任講師 | R5~R6 | |
特別研究員奨励費 | 戦間期のポーランド共和国(1918-39 年)における言語政策の研究 | 貞包 和寛 | 家政学部 | 専任講師 | R5~R6 |
短期大学部
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研究種目等 | 研究課題名 | 研究代表者 | 所属 | 職名 | 研究期間 (年度) |
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基盤研究(C) | タゴール仏教文学とその思想的背景―英語文学が繋ぐタゴールと近代日本仏教タゴール仏教文学とその思想的背景―英語文学が繋ぐタゴールと近代日本仏教ラビンドラナート・タゴールは、詩人としてのみならず思想家としても高い評価を受けているが、その特色は大乗仏教についての深い理解にあった。だが、その背景と原因については、これまでほとんど論じられることがなかった。 | 大平 栄子 | 英文科 | 教授 | R5~R7 |
大規模スクリーニングで得た出芽酵母局在化RNA、MSA1 mRNA及びEGD1 mRNAの解析大規模スクリーニングで得た出芽酵母局在化RNA、MSA1 mRNA及びEGD1 mRNAの解析遺伝情報は、遺伝子の本体であるDNAからRNAに写し取られて発現する。したがって、RNAの細胞内局在化は、遺伝情報を空間的に制御するための重要な現象である。RNAの局在化により、細胞内では情報の偏りが生じ、細胞の極性形成や分化が誘導される。我々は、真核生物のモデル系である出芽酵母を用いて、細胞内で特異的な局在を示す新規の局在化RNAを多数発見した。本研究では、これらの新規局在化RNAのうち、細胞周期に関わるMSA1 mRNAとタンパク質の安定性に関わるEGD1 mRNAについて解析する。将来、RNAの局在化制御が可能となれば、医療分野や農業分野等への幅広い応用が期待できる。 CLOSE | 竹内 知子 | 家政科 | 教授 | R5~R7 |
全国学校別 採択件数・配分額一覧表
※文部科学省ホームページ「 科学研究費助成金 配分結果」にて公表された資料を基に本学が作成しました。
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