お知らせ - 2019年

食物・青江教授と(株)神鋼環境ソリューションが、ユーグレナグラシリスEOD-1株に含まれるパラミロンのメタボリックシンドロームに対する予防効果を世界で初めて検証 , ,

家政学部食物学科・青江誠一郎教授(写真)と株式会社神鋼環境ソリューション(神戸市中央区)は、近年その機能性が注目される「ユーグレナグラシリスEOD-1株」に含まれるパラミロン(PM)がメタボリックシンドローム関連指標に与える効果について共同研究を実施し、その研究成果が2019年7月21日に国際科学雑誌『Nutrients』に掲載されました。この論文はパラミロンの明確な効果を示した世界初の論文となります。


「ユーグレナグラシリスEOD-1株」とは、株式会社神鋼環境ソリューションが発見した新規株のユーグレナ(特許登録済)(※1)。「パラミロン」をとりわけ豊富に含んでいることが特長です。「パラミロン」はユーグレナが体内に貯蔵する独自の成分で、3本の直鎖状のβ-1,3グルカンがねじれあう螺旋構造をしており、その特殊な形状からさまざまな機能性が期待されています。

このたびの共同研究では、ユーグレナグラシリスEOD-1株に含まれるパラミロンがメタボリックシンドローム関連指標(※2)に与える影響について検証。その結果、パラミロンの摂取量に応じて糖代謝や脂質代謝が改善される可能性が示唆されました。


◆論文内容

【タイトル】

Effects of paramylon extracted from Euglena gracilis EOD-1 on parameters related to metabolic syndrome in diet-induced obese mice

(食餌性肥満モデルマウス(※3)のメタボリックシンドローム関連指標におけるユーグレナグラシリスEOD-1株由来パラミロンの効果)


【概 要】

本研究では、ユーグレナグラシリスEOD-1株に含まれるパラミロンがメタボリックシンドローム関連指標に与える影響について検証した。

マウスを3つのグループに分け、「高脂肪食(Control)」「高脂肪食+パラミロン低用量(2.5%PM)」または「高脂肪食+パラミロン高用量(5%PM)」を与えて飼育し、経口糖負荷試験(※4)や血中コレステロール、臓器重量等を調べた。

その結果、パラミロンの摂取量に応じて血糖値の上昇が抑制され、血中LDL-コレステロールや腹腔内脂肪重量が低下した。

さらに、肝臓の遺伝子を調べたところ、パラミロン摂取により脂質代謝を調節する主要調節遺伝子(PPARα(※5))の発現上昇による脂肪酸分解の促進が認められた。

以上の結果より、ユーグレナグラシリスEOD-1株由来パラミロンの摂取量に応じて糖代謝および脂質代謝が改善される作用が認められた。

今後もユーグレナグラシリスEOD-1株に含まれるパラミロンの作用の詳細なメカニズムの解明を目指す。


図1は、マウスの糖負荷試験結果 ※Controlと比べて有意差あり(p<0.05)

図2は、マウスの肝臓のPPARαmRNA発現量 ※Controlと比べて有意差あり(p<0.05)


【掲載情報】

 『Nutrients』(Nutrients2019,11(7),1674; https://www.mdpi.com/2072-6643/11/7/1674 )



(※1)ユーグレナ

 藻の一種で、動物と植物の両方の栄養素を備えており、ビタミン、ミネラル、アミノ酸など50種類以上の栄養素を含んでいる。

(※2)メタボリックシンドローム関連指標

メタボリックシンドロームとは内臓脂肪型肥満に高血糖、脂質代謝異常などが組み合わさった状態。本研究ではメタボリックシンドロームに関連する指標としてマウスの内臓脂肪量、血糖値、血中コレステロール値などを調べた。

(※3)食餌性肥満モデルマウス

高脂肪食を摂取させることによって肥満を誘導したマウス。

(※4)経口糖負荷試験

ブドウ糖(グルコース)を摂取し血糖値がどのように変化するかをみる検査。ヒトでは糖尿病の診断などに使われる。

(※5)PPARα

ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体αのこと。肝臓などに発現しており、脂肪酸の燃焼(β酸化)に関わっている。近年、体脂肪を減らす食品の開発で注目されている。



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