お知らせ - 2017年

国連外交と日本の国際協力について伝える 元国連大使、元国連事務次長(人道問題担当)・大島賢三さん

大島賢三さん1

元国際連合大使で国連事務次長(人道問題担当)を務めた経験もある大島賢三さんが、11月30日(木)に行われた全学共通科目「政治と現代社会」(文学部コミュニケーション文化学科・五十嵐浩司教授)の授業でゲストスピーカーとして登壇しました。

同授業は、国際ニュースをまじえながら、世界の政治を平和と安全という観点から学ぶことを目的としています。今回の講演は、実際に世界を舞台に活躍する大島さんから話を聞くことで、よりリアルな世界情勢や日本の外交を学ぶ場になればと行われました。


大島賢三さん2

「揺れる世界、国連、日本の国際協力」と題し、自身の経験を踏まえながら話しを展開した大島さん。まず、アメリカがトランプ政権となってから世界情勢も揺らいでいることを指摘すると、トランプ大統領が掲げる“America First”を例に挙げ、「世界から模範的存在として期待されているアメリカが国連の場でも自国第一主義を掲げて発言していることに対し、各国とも違和感を抱いている」と話しました。


続いて大島さんは、国連とはどのような組織なのかを説明。国連の存在意義について「国連は加盟国の国益と国際公益を調和させながら国際協調を進める唯一の場所」と指摘し、「自国の利益を一番に考えるのは当然のこと。しかしながら国際合意が得られなければ何も進まないので、自国の利益だけ主張するのでなく、どうすれば各国に合意してもらえるかを考えて発言することを心がけ、各国との人間関係の構築も大切にしていました」と国連大使を務めていた際に日本の代表として意識していたことを伝えました。


そして、大島さんが国際協力機構(JICA)副理事長を務めていた際の日本の国際協力へと話は進み「道路の建設や技術協力などさまざまな国際協力に取り組んできたが、特にアフリカの農業支援に力を入れていた」と当時の支援活動を紹介。「アフリカでは、農村人口も多く経済的にも大きなシェアを占めている農業である一方で、貧困の一つの原因は農村地域にあるという現状に対し、日本ができる支援として農業の中でもコメの生産に着目し、10年間でアフリカのコメ生産量を倍増させる計画を立てスタートしました」と語ると、最後に「国際機関で働いてみたいと思っている人は、競争は激しいですが国連組織も女性の登用・採用を進めているのでチャレンジしてほしい。みなさんのこれからの活躍に期待しています」との言葉を贈りました。


大島さんの経歴は次のとおり。1967年外務省入省。97年に経済協力局局長、99年に国際平和協力本部事務局長を経て、2001年国際連合事務次長(人道問題担当)に就任。その後、03年オーストラリア大使、04年国際連合政府代表部特命全権大使、07年から国際協力機構(JICA)副理事長、11年国会東京電力福島原子力発電所事故調査委員会委員、12年原子力規制委員会委員を歴任し、現在はアフリカ協会の理事長および広島大学学長補佐を務めています。