お知らせ - 2017年

人形交流を通じて、相互理解の未来を考える――シンポ「日米人形交流の再検討」開催 , ,


大妻女子大学博物館と渋沢研究会が主催する、日米人形交流を記念したシンポジウム「日米人形交流の再検討-人形・交換・子ども」が7月22日(土)に千代田キャンパスで開催されました。


日米人形交流とは、1924年にアメリカで制定されたアジア系移民を制限する移民法によって悪化した日米両国の関係を改善しようと、親日家の宣教師・ギューリックと実業家・渋沢栄一の情熱により実現した文化交流です。1927年1月から3月にかけて約1万2千体の人形がアメリカの子どもたちから日本の子どもたちに贈られ、その返礼として日本からは58体の“答礼人形”が贈られました。

シンポジウムでは、本学博物館・是澤博昭准教授が日米人形交流の概要を解説。是澤准教授は、移民法の制定時に日本で起こった反米感情について、移民の制限が原因なのではなく、アジアの一等国としてのプライドが傷つけられたことによるものと分析し、人形交流の効果について、悪化した反米感情を静めたことは評価できるものの、市民が参加し人形を集めたアメリカ側に対し、日本側は国の威信をかけて贅を尽くした“答礼人形”を用意。そもそも両国民の認識の違いがあり、文化的な偏見を取り除くことや相互理解という点では成功しなかったのではないかと述べました。さらに、第二次世界大戦中の日本で、アメリカから贈られた人形が“スパイ人形”として処分されたことについて、人形を守り抜いた人たちの活躍が美談として取りあげられがちだが、むしろ敵意を生んでしまうような教育が行われてしまう事にこそ注意の目を向けるべきと結びました。


本学で開催されたシンポジウムは、日米人形交流のゆかりの地となる東京、長崎、アメリカ・ニューヨーク州ロチェスターの3都市を舞台に行われるリレー討論会「人形は人間交流-日米人形交換90年」の一環。平和・友好・相互理解をめざした日米親善交流の原点となる日米人形交流の歴史的、今日的、未来に向けた意義を考えるもので、今後は8月7日に長崎歴史文化博物館で、9月30日にロチェスター科学博物館で開催される予定です。

100年前の千代田キャンパスに渋沢栄一が訪問


女子大学の設立に携わるなど女子教育にも熱心な人物として知られている渋沢栄一は、ちょうど今から100年前、1917年に開設したばかりの本学の千代田キャンパス(当時:私立大妻技芸学校)を訪問しています。

シンポジウムでは、その時の写真が紹介されました。



前列左から5人目が大妻コタカ、6人目が渋沢栄一。背景の校舎は1923年の関東大震災で全焼する前のもの。(一般財団法人大妻コタカ記念会所蔵)

日米人形交流90周年記念パネル展示を開催中 大妻女子大学博物館




シンポジウムの開催を記念して、大妻女子大学博物館ではパネル展示「写真でたどる日米人形交流」を10月14日(土)まで開催。日米の人形の波瀾万丈の物語を展示しています。

開館時間は午前10時~午後4時。日曜・祝・月曜・火曜日、夏季休暇(8月7日~9月14日)は休館しますのでご注意ください〔8月5日(土)、8月6日(日)のオープンキャンパス時は開館します〕。入場無料。

詳しくは博物館ホームページをご覧の上、ぜひご来場ください。