お知らせ - 2016年

日文・内藤准教授の著書『愛国的無関心』が朝日新聞書評欄で紹介されました ,

文学部日本文学科・内藤千珠子准教授の著書『愛国的無関心―「見えない他者」と物語の暴力』(2015年11月新曜社刊)が1月17日、朝日新聞朝刊の書評欄で紹介されました。

書評者の保阪正康氏は、内藤准教授が同書で用いた造語「愛国的無関心」と「伏字的死角」をキーワードとして取り上げ、「現代の作家の描く人物の中に記号化した存在や『伏字的死角』がいかに多く見られるかなどは、日ごろ文学とは距離を置く人びとをもなるほどとうなずかせる」と評しています。

愛国的無関心と伏字的死角

内藤准教授は同書「はじめに」で、バッシングやネット上での匿名による中傷など、最近の愛国的空気の中には攻撃相手は誰でもいいという「他者に対する無関心」があると指摘。そのような風潮は近代日本の帝国主義に基づく無関心に起因しているという観点で「愛国的無関心」というタイトルを掲げたと述べています。

また内藤准教授は文章の一部を○や×で置き換えて伏せる近代日本特有の検閲制度「伏字」に着目。「見えなくされた意味があることを表示する記号の場所を作る」ことが伏字の役割で、これを「伏字的死角」と呼びながら、死角を含んだ言説の論理こそが他者に対する無関心を形成しているとし、近現代の文学作品などを取り上げながら実証を試みています。


同書は内藤准教授のデビュー作『帝国と暗殺』(2005年10月同刊)の続編。『帝国と暗殺』は「第2回女性史学賞」を受賞しています。