お知らせ - 2015年

日本質的心理学会学会賞受賞 ライフデザイン学科・柴山教授 , ,

賞状を持つ柴山教授

家政学部ライフデザイン学科長の柴山真琴教授(発達心理学)が10月3日、第7回日本質的心理学会学会賞(優秀日誌研究論文賞)を受賞しました。

対象となったのは、学会誌『質的心理学研究』第13号(2014年)に掲載された、柴山教授が第一著者の論文「小学校中学年の国際児は現地校・補習校の宿題をどのように遂行しているのか――独日国際家族における二言語での読み書き力の協働的形成」〔著者:柴山真琴・ビアルケ(當山)千咲・池上摩希子・高橋登〕です。

論文の内容は、ドイツに住む独日国際結婚家族の子ども(小学校中学年の国際児)が親の支援を受けながら、現地校(ドイツ語)と日本語補習授業校(日本語)の宿題に取り組む過程を質的に解明したもの。主として評価されたのは、①日本人の母親が記録した日誌観察データを中心に、言語検査データや柴山教授によるフィールドワーク(対象児の学校生活および家庭生活の観察)、両親への個別インタビューなど複数の研究情報を組み合わせて多角的で厚みのあるデータを形成し、親子間・夫婦間を軸とした家族内の相互作用を中心とした宿題支援の遂行プロセスを生き生きと描いた点、②相互作用をベースにした理論的枠組みをオリジナルに設定し、宿題支援過程の時期的変化、言語や宿題の領域による親子間・夫婦間の相互作用の特徴を具体的な日常の行動において捉え、対象児のバイリテラシー(二言語での読み書き力)形成に関わる重要な知見を明らかにした点――でした。

柴山教授は、論文の執筆について「豊かなデータを整理するための理論的枠組みを考案し、実際のデータ分析を通して枠組みを精緻(せいち)化しながら分析を収斂(しゅうれん)させていく作業が一番の難所でした」と振り返ります。

この論文は、柴山教授が2009年に立ち上げ、2010年度から4年間にわたって科学研究費補助金の助成を受けて実施した「バイリテラシー研究プロジェクト」の成果の1つです。柴山教授は研究代表者として、海外調査の継続的実施と地道なデータ収集を含むプロジェクトの運営にもかなりの力を注いできました。これまでの研究成果が認められ、新たに5年間の研究助成を受けることが決まった柴山教授。「日本から遠く離れた非日本語環境の中で、我が子に母親の母語である日本語を継承するために並々ならぬ努力をされている国際結婚家族のご両親や親とは違う立場で国際児を支援する補習校の先生方の教育力の向上に役立つ研究を目指していきたい」と展望を語っています。

表彰される柴山教授

写真は日本質的心理学会第12回大会(10月3日)で、同学会理事長から賞状を授与される柴山教授