お知らせ - 2011年

名誉教授称号を贈る 井田進也先生 ,

井田教授と夫人 この春に定年退職された比較文化学部元学部長・教授、井田進也先生(比較思想史)へ「大妻女子大学名誉教授」の称号が今年4月1日付で贈られることとなり、授与式が9月9日、多摩キャンパス学長室で行われました。
 先生は、3年前に脳梗塞のため車椅子生活となった清子夫人と共に出席、伊藤朋恭学長代行から称号記が手渡された後、花村邦昭理事長、伊藤学長代行、栗原裕副学長、原研二比較文化学部長と懇談し、最後に「どんな顔をしたらいいのかな」と井田先生はおっしゃりながらも記念撮影に収まりました=写真〔先生(奥)と清子夫人〕。

 中江兆民研究、福沢諭吉の『時事新報』論説認定などで知られる先生は、東京都立大(現首都大学東京)教授を経て1998年本学教授就任、99年の比較文化学部発足とともに比較文化学科長となり、2003年から4年間、同学部の二代学部長を務めました。近刊では、『幕末維新パリ見聞記――成島柳北「航西日乗」・栗本鋤雲「暁窓追録」』(2009年、岩波文庫)の校注があります。
 最近のご生活ぶりを伺うと、学部発足の年から独習を始めた中国語で、日本文化研究者で魯迅の実弟に当たる周作人の自伝翻訳(中国人研究者との共訳)に携わる傍ら、73歳の誕生日を期に何か新しいことをと、大学1年のときに途中まで読んだニーチェ『ツァラトゥストラはこう語った』の原文と訳書の“対読”を始めたそうです。夫人を介護する日常を綴った週2、3回のメールマガジン「浦和飯炊き通信」は、友人知己へ送って100号を超え、月刊情報紙『健康と良い友だち』の注目するところとなって、本年6月号から「浦和・飯炊き通信―わが家の介護生活」を連載。
 清子夫人は、日欧比較文化論の研究者で、著訳書に『江戸知識人の世界認識』(2008年、水声社)、ファン・ハーレン『日本論―日本キリシタンとオランダ』(原オランダ語。1982年、筑摩書房)があります。ご子息は、本学で非常勤講師を勤めたこともある青山学院大の井田尚・准教授(フランス文学・思想)。先生の母方の祖父は、群馬・高崎に住んだ『ホトトギス』派の俳人、村上鬼城。

学長代行からの授与集合写真

左写真は称号記授与の様子、右写真は出席者との記念撮影(後列左から原、栗原、花村、伊藤の各先生、前列左から清子夫人、井田先生)