お知らせ - 2011年

ジャムの本出版 OG・お菓子研究家いがらしろみさん

出版された本とろみさん お菓子研究家で、大妻女子大学短期大学部OGのいがらしろみ(五十嵐路美)さんは、9月初め、『いがらしろみの手作りジャムの本と雑貨―Homemade Jam by Romi-Unie Confiture』(マークス。税込1,995円)を出版しました。ジャム32種類のレシピを載せた本とミニジャム瓶2個などがパッケージされたユニークなギフトブック。〔写真は、出版された本(左)と、ろみさん、胸に抱かれているのはお嬢さん〕。

著書は13冊目

 ろみさんは、大妻中野高校を経て1992年家政科家政専攻卒。小学生の頃からお菓子づくりに熱中してきた人生の詳しい歩みは、著書『お菓子の日々、ジャム屋の仕事』(2005年、DAI-X出版)に譲りますが、「自分の立ち位置は、『お菓子の楽しさを伝える』という役目を果たすこと」(同書)と見定め、02年出版のレシピ絵本『C’est la fete!(セラフェット)―ふたつのバースデーケーキ』(トリコロールブックス)を皮切りに、料理番組テキストを含め、今回の本まで著書は13冊を数えます。
 ほかにNHK「きょうの料理」講師、料理雑誌・サイト連載などメディア露出の仕事、JR東京駅エキナカ商業施設グランスタ内のカップケーキ専門店Fairycake Fair(フェアリーケーキフェア)のメニュー開発など料理プロデュースの仕事、さらにはセンスあふれるライフスタイルが注目されて、雑貨、ウエディング、少女マンガ等、異分野メディアからもコメントを求められるなど引っ張りだこです。

いがらしろみ著作リスト

ショップを2店経営

メゾン ロミ・ユニ ろみさんのもうひとつの顔が女性ばかり20人ほどのスタッフを抱える“起業家”としての顔で、2004年鎌倉にジャム製造アトリエ兼ショップRomi-Unie Confiture(ロミ・ユニ コンフィチュール)を開店。
 高級スーパー紀ノ国屋鎌倉店近くのお店で販売する旬の果物を使ったみずみずしいお菓子のようなジャムは、たちまち評判を呼び、06年発行のムック本『決定版 日本一の「手みやげ」はどれだ!?』(マガジンハウス)では、早くもジャム6瓶セット「プチ・デジュネセット」が「パンの友」部門16点のひとつに選ばれ、ヒットメーカー秋元康さんが「素晴らしい。感激しました。…大ヒットしそうな予感」と寸評し、グランプリに準じる審査員特別賞「これで決まりで賞」を与えられました。
 08年には東京・目黒区、東横線・学芸大学駅近くに、焼き菓子・ジャム専門店Maison romi-unie(メゾン ロミ・ユニ)=写真=をオープンしました。2階では、お菓子教室Uni-Labo.(ユニ・ラボ)も。フランス語でジャムを意味するコンフィチュールという言葉を日本に広めたのは、ろみさんの功績といえるでしょう。このたび出版された本を求めれば、ジャムを手作りし、ろみさんのお店で使われているのと同じ付属のジャム瓶に詰めて贈り物にできます。

挫折もあったが…

 順風満帆に見えるろみさんにも挫折がなかったわけではありません。大妻中野高時代から当時、原宿にあった今田美奈子料理教室へ通い、短大は「単位が少なくて一番楽に食物のことが学べそう(笑)」と家政科家政専攻の当時あった食物系のCコースへ推薦入学、空き時間は専ら当時六本木にあった有名フランス菓子店ル・コントで販売のアルバイトをして、卒業後はそのままル・コントのパティシエ(菓子職人)として就職することに。
 クラス担任の上田榮子・現名誉教授へ就職を報告したら、「ろみさん、本当にそれでいいの?」と言われたそうです。無理もありません、卒業した1992年当時はバブル崩壊が始まっていたとはいえ、就職状況は依然好調で、家政専攻の就職希望者に対する就職率は99.1%。金融機関をはじめOLになるのが普通でしたから…。
 でも力仕事が多く、男性ばかりのパティシエに交じって働くのはハード、製造の仕事でなくても、お菓子の本を出版するとか、お菓子とかかわる別の道があるのではないかと思うようになって1年で退職。
 でも、この挫折でめげないのがろみさんのすごいところ。ろみさんは、行き詰まると、「厳密なものではないけれど、この年には何をすると『10年計画』を立てるのが好き」なそうで、キャリア建て直しのため、本場フランスで菓子の勉強がしたいと日仏学院に少し学んでから、いきなりフランス・アルザス地方の語学学校へ短期留学、いったん帰国したのち94年にパリの名門料理学校コルドンブルーのパティスリーコースで学んで、翌年首席卒業を果たします。
 帰国後、縁あってコルドンブルー日本校の事務局スタッフとなりますが、お菓子の楽しさを広めたいというフラストレーションもたまって、並行して鎌倉のカフェなどでテーマを決めてお菓子を食べてもらうといったフードイベントを行い、最初の著書も出版。2002年に退職してお菓子研究家としての仕事に主軸を移しますが、自由が丘の雑貨店で行ったイベントの販売品にジャムを作ってみたら大当たり、これがヒントとなって現在のジャム専門店経営につながります。
 本学での思い出を伺うと、「大妻では、周囲にOL生活を経て結婚しマイホームを建てるといった絵に描いたような人生を歩むだろうと想像できる普通の感じがする人が多くて、今でもどんなことが一般受けするだろうと反応を考える時に役立っています」と言います。後輩へのアドバイスをお願いすると「学生時代は何にでもチャレンジすることが許されているので、とにかく好きなことをやってみてください。やってみなければ本当に好きかどうか分からない。そして一生の仕事としてどうか、よく問いかけてみてください。うちのお店でもスタージュ(インターンシップ)を受け入れていますよ。でも、全然応募がありませんが(笑)」とのことです。
 今は、信頼できるスタッフにも恵まれ、仕事も安定して「10年計画もひと休み、全然更新されていない」そうですが、02年に結婚したろみさんは、昨年秋にお嬢さんを初出産。これも10年計画のひとつということかもしれません。

雑貨4点

左から、販売されているジャム、メゾン ロミ・ユニ3周年フェアーのリーフレットとジャムの包装、オリジナルマグカップと純銅スプーン、3周年記念の家形ギフトボックス。いずれも雑貨好きのろみさんらしいセンスがあふれています。