お知らせ - 2008年

本学大学院卒業生が「IFTフェロー」授与!日本人では30年ぶり3人目、アジア女性としては初めて

千代田 平成17年度に、本学大学院の家政学研究科・人間生活学専攻(博士)を修了した久保村喜代子(くぼむら・きよこ)さん(久保村食文化研究所代表、食品ジャーナリスト、食品開発コンサルタント)が、6月下旬にアメリカ・ニューオリンズで行われたIFT(Institute of Food Technologists=食品科学技術者学会・アメリカ)の年次大会で「’08年フェロー」を授与されました。日本人では30年ぶり3人目、アジア女性としては初めてという快挙です。

 IFTフェローは、IFTの会員を15年間務め、食品科学と技術分野で顕著な実績をあげた者の中から選ばれます。久保村さんは、欧米やアジアのカリナリー(「調理・割烹・台所」用料理食品)・材料・技術・情報の融合を促進したことや、家庭の台所と産業および学問を結んで国際的に新商品開発に取り組んだこと、また、IFTの国際活動部門において、アレルギ-、遺伝子組み換え、細菌性食中毒、食品表示などについてIFTの最新情報を日本に伝えるとともに、日本の情報も世界に向けて発信してきたことなどの幅広い活動が評価されました。

 久保村さんは、青山学院女子短大、実践女子大学(3年次編入学)を卒業後、助手生活を経て、一時、専業主婦後に仕事を再開。企業の研究所で働いているときにIFTの存在を知り、思い切って渡米しました。

 帰国後、久保村食文化研究所を設立し、多忙な日々を送っていたにも関わらず、大学院進学を決めたのは、「IFTフェローに選ばれるため、また、今の仕事において、世界でもっと活動するためには、どうしても博士号(学位)が必要でした。そこで、職場(日本橋)から近く、仕事を続けながら勉強できる大学院を探したら、大妻の家政学研究科があったのです」。

 在学中は、仕事を終えてから大学院に向かい、持ち込んだ夕飯を食べながら夜遅くまで研究を続ける日々でした。しかし、大学院・仕事・家庭の3本立てがうまくいかず、くじけそうになったこともあるとか。
 「そんなときに励ましてくださったのが、4人の女性の先生方でした。私を一人の研究者として、働く者として、女性として、あらゆる面からサポートしてくださいました。私と同じ女性で、研究者・母・妻それぞれの立場を理解しあえる存在に出会えたことは、本当にありがたかったです。」

 先生方のサポートや細かい指導を支えに、必死に取り組んだ研究の成果である博士論文は、「ボイセンベリー果実及び葉の化学と生理機能評価に関する研究」。
 論文の審査委員会が高得点をつけた濃い研究結果は、卒業後に、国内の企業とタイアップしてボイセンベリーを使った菓子や飲料の開発に生かされるなど、確かな実績を残しています。

 久保村さんは、自身を振り返って、力強くメッセージを残してくれました。
 「会社で働いていても、専業主婦であっても、私のように、キャリアアップしたいと考えて大学院や大学を目指す女性が、これからますます出てくるでしょう。何歳になってもチャンスを与えてくれる大学院・大学で学ぶことも、ひとつの生涯学習だと思います。大妻は、社会人でも入学できて、都心でも抜群の立地、そして女子大。在学中はいろいろと大変でしたが、大妻に進学して良かったと感じています!」。

> IFTwebサイト
 左側メニュー「Awards」→「IFT Fellows」内「Fellows elected in 2008」で久保村さんが見られます。

(広報戦略室・井上)



  • IFT(Institute of Food Technologists=食品科学技術者学会)
    1939に設立、米国シカゴ市に本部をおく世界最大の食品関連の学協会。月刊誌「Food Technology」は、世界的に広い読者層を得ていることで有名。IFT年次総会と同時開催されるFOOD EXPOは、世界の食品産業の動き、新製品開発の方向を知る指標として各方面から注目されている。


  • ボイセンベリー
    ルビー色で、イチゴよりやや小さめのラズベリーに似た形をしているベリーフルーツ。熟した実は、独特な甘酸っぱい風味があり、栽培地であるニュージーランドでは生食はもちろん、アイスクリームやヨーグルト、デザートなど幅広く日常的に愛用されている。健康に良いといわれているポリフェノール類や葉酸、アントシアニン類などを含んでいる。