お知らせ - 2008年

すばる文学賞受賞者 原田ひ香さんの記念講演(国文学会) ,

講演中の原田ひ香さん
 「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞を受賞したラジオドラマ脚本家・小説家の原田ひ香(はらだ・ひか)さんが、6月14日(土)に本学で開催された「国文学会 第40回総会」で記念講演を行いました。

 原田さんは、文学部国文学科(現・日本文学科。平成10年に名称変更)を卒業後、企業で秘書として働き、30歳で結婚。夫の転勤をきっかけに退職してから、独学でシナリオの書き方を勉強しました。
 「フジテレビヤングシナリオ大賞」の最終選考に残ったことや、「NHKオーディオドラマ大賞最優秀賞」受賞の経歴を買われ、ドラマ制作会社で企画書を書く仕事をした後に小説を執筆、一作目の応募で「第31回 すばる文学賞」を受賞。いまは、次回作の構想を練ったり、連載小説の依頼を受けたりする日々です。

 記念講演では、「私の仕事場から」というテーマで、OL時代のこと、結婚してからラジオドラマ脚本家・小説家になるまで、小説を書くことについて等を、ユーモアを交えながらお話いただきました。

 働いている30代以上の女性が、脚本などのコンクールで受賞することが多いのは、恋愛・結婚、職場や家庭で社会経験を積んできたことが、物を書く上で生きているからでは?という話や、いろんなジャンルの本をたくさん読んで文章の書き方を掴んだことが、小説の執筆に役立っている等、実体験を元にしたエピソードがたくさん紹介されました。

 登場人物や物語の設定作りから小説の完成までは、小説家一人の力で出来るものではなく、編集者という存在が欠かせないそうです。編集者の一言によって、物語の流れが更に良い方向に変化することもあるとか。「発刊される本には編集者の名前が載らないけれど、小説家の『書く気力』を上手に乗せてくれる存在」のようです。
 「小説や雑誌等、本の種類によって役目は違いますが、編集者を目指す人は、エディター・スクールに通ってみましょう」と、編集者に興味を持つ後輩へのアドバイスも。

 最後に、原田さんがゼミの先生から紹介された明治時代の女流歌人・山川登美子(やまかわ・とみこ)の短歌「をみなにて 又も来む世ぞ 生まれまし 花もなつかし 月もなつかし」を取り上げ、「この歌は、再び命を得てこの世に生まれるのなら、私はまた女として生まれたいものです。こんなにも、花も月も愛おしいのだから・・・という意味です。女性は、いろいろな面で悩んだり、苦労したりすることがありますが、女性ならではの楽しいこともたくさんあります。皆さんも私も、女性として生きて良い人生だった!と思えるような日々を送れるよう頑張りましょう!」と温かいメッセージで講演を終えました。

 講演会場は、千代田キャンパスで一番大きい約300人入り教室が満員になる盛況ぶり。講演後に行われた学生との質疑応答は時間いっぱいまで続きました。
 また、場所を移しての懇親会も、原田さんの学友が集まってミニ・同窓会も開かれる等、非常に和やかな雰囲気でした(広報戦略室・井上)。

学生たち