お知らせ - 2008年

「何がすごいの?シェイクスピア!-シェイクスピアを百倍楽しむ法」(英文学会秋季例会)

傍を通る俳優たちにエッと驚く観客
 12月20日(土)、演出家・俳優で英文学科非常勤講師の三輪えり花氏と劇団昴の俳優たちによる公演「何がすごいの?シェイクスピア!-シェイクスピアを百倍楽しむ法」(英文学会秋季例会)が、千代田キャンパス・大妻講堂で開催されました。

 小林昌夫・英文学科長による開会の挨拶後、正面の舞台を見つめて開幕を待つ観客たち。そこに突然、客席後方から登場した俳優たちが、「ハムレット」第一幕を演じながら舞台へ!

 思いがけないところからの登場にびっくり、思わずおしゃべりも止まります。この方法、ピーナッツ売りを呼んだり、大声でおしゃべりしたりとなかなか静かにならない観客たちを劇の冒頭から引きつけるためにシェイクスピアが用いた演出のひとつで、他にも予め上演時間を紹介したり、あらすじを話したりと、いろいろなパターンがあったとか。

三輪えり花氏

(写真)構成、脚本、演出を手がけた三輪えり花氏

 シェイクスピア同様、始めから観客を引きつけた三輪氏は、俳優たちとともに会話調のQ&A方式で、劇場「グローブ座」の造りや当時の劇団の構成、「結婚」と「死」を人生のクライマックスに位置づけた数々の戯曲の特徴などを解説しました。

ハムレット(右)とレアティーズの剣術試合(「ハムレット」より)

(写真)ハムレット(右)とレアティーズの剣術試合(「ハムレット」より)

 事例紹介として挟まれる名場面の再現は、俳優たちの熱気あふれる演技で迫力満点。「ブルータス、お前もか!」と衝撃のうちに絶命するカエサル(「ジュリアス・シーザー」)、バルコニーで物思いにふけるジュリエットの「おおロミオ、あなたはどうしてロミオなの?」(「ロミオとジュリエット」)のほか、「マクベス」「リア王」「ハムレット」など名台詞とともに披露される場面に観客は釘付けです。

 解説で少し時間を割いたのが、「ハムレット」劇中で有名な台詞「To be or not to be, that is the question」。
 「世に在る、在らぬ、それが疑問じゃ」(坪内逍遙)、「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」(河合祥一郎)、「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」(小田島雄志)など代表的な邦訳と原文を比較し、言葉のリズムを重視した場合と、劇全体の流れから見た場合で、それぞれ相応しい邦訳が違ってくるという、新たな見方を紹介しました。

「十二夜」の一場面

(写真左)オーシーノ公爵(右から2人目)の前で歌を披露するヴァイオラ(中央)。(「十二夜」より)


 ダイジェスト版で上演された喜劇「十二夜」と「夏の夜の夢」は、笑いどころたっぷり、舞台と客席を一体化する演出と演技の連続は時間の経過を忘れさせるほどでした。身分や性別による人間心理を巧みに描写した台詞の数々を目の当たりにし、シェイクスピア戯曲に魅了された2時間となりました。
 会場には、音楽提供者の一人である作曲家・池辺晋一郎氏も来場しており、続いてアトリウムで行われたレセプションでは演出家・俳優たちと本学教員・学生たちで和やかに交流しました(広報戦略室・井上)。