学長メッセージ

学長 伊藤正直

21世紀に入って10数年がたちました。この間、社会や環境は世界的な規模で急速な変化の時代を迎えています。本学の創立者大妻コタカが、裁縫・手芸の私塾を開いたのは1908年、20世紀のとば口に立った時のことでした。20世紀の世界も、大きな変化を体験しました。そうしたなかで、本学は、「女性の自立のための女子一貫教育」を建学の理念とし、豊かな教養と思いやりの心を持ち合わせた女性、実技実学を身に着け、社会において指導的役割を果たせる専門職業人たる女性を育成することを課題として、教育実践を進めてきました。

初中等教育と同様、高等教育も社会から負託されたものである以上、社会の変化に対応することが要請されるのは勿論(もちろん)ですが、社会や環境が変化しても変わりなく追求されなくてはならないものもあります。それは、自分の頭で考える、主体的に物事を捉え、自己決定できるようにする、そうした力を、大学での教育を通して身につけることです。覚えるのではなく、考えること、これは社会や環境がどのように変化しようと変わるものではありません。大学教育の第一歩はここにあります。

それと同時に、大学教育は、社会や環境の変化に的確に対応できるものでなくてはなりません。リーマン・ショック後、格差の拡大などを背景として、ブレグジット、トランプ旋風など、反グローバリズムが、反転・登場したかのようにみえます。しかし、ヒト・モノ・カネ・情報が国境を越えて相互浸透していく、という世界の流れは、反グローバリズムのなかでもストップすることはないでしょう。現在求められている「実技実学」は、こうした流れに対応した新しい専門的知識や技術です。本学では、学生の皆さんがこうした力を身につけることにも努力しています。

本学は、現在、家政学部、文学部、社会情報学部、人間関係学部、比較文化学部の5学部および短期大学部、大学院人間文化研究科からなる総合大学です。そして、上に述べた大学教育を総合的に遂行すべく努力しています。多くの皆さんが、本学を目指して下さることを心より願っています。

2017年4月 学長 伊藤正直